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HOME食と農>酪農・畜産問題に関する申し入れ

コロナ禍による米の需給緩和・米価下落への対策を求める要請

2021年8月6日

農林水産大臣 野上 浩太郎 殿

日本共産党国会議員団

コロナ禍による米の需給緩和・米価下落への対策を求める要請

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光業や飲食店の営業自粛・停止により、米の外食需要が大きく縮小している。農林水産省が公表した6月末の民間在庫は、政府の予想を超えて219万トンに達し、米価下落の懸念が一層高まっている。既に出始めた早場米の価格(概算金)も、九州南部や高知県で800円から1400円の下げ幅となり、価格の低下が鮮明となっている。
 政府は米の過剰在庫の解決をもっぱら農家や生産者団体の自助努力に求め、昨年秋には6.7万ヘクタールという過去最大の減反拡大を打ち出した。しかし、その後も3度にわたる緊急事態宣言の発動、オリンピック強行による感染爆発などで米需要の減少は続いており、過剰在庫が大量に繰り越され、21年産米の暴落が現実味をおびている。
 そんな中でも、国内需給を圧迫するミニマム・アクセス米は一切削減されることなく77万トンが全量輸入されている。脱脂粉乳・バターのように国内の需給状況に合わせて輸入量を調整できる制度とするべきである。
 一方、学生をはじめ生活困窮者が増大し、連日、食料支援活動には長蛇の列ができている。政府の子ども食堂などへの支援は微々たるものであり、本当に困っている人々に届いていない。大規模に農産物を買い上げて、学生や生活困窮者を支援するべきである。
 いま農村では雪崩を打って離農が進んでいるが、米価暴落が起これば農村の衰退に一層拍車がかかる。里山の自然と景観は荒廃し、地域の文化が失われる。水源を涵養する機能を損ない、洪水や土砂崩れを誘発する。地域経済が疲弊し、都会の住民に余暇・癒しを提供する機能も弱まる。
 全国知事会は6月、政府買い入れによる米の市場隔離を提言した。岩手県議会、富山県議会、長野県議会をはじめ、全国の地方自治体から国会に寄せられた米価下落対策を求める意見書は90件に上った。地域の基幹産業である農業を守るため、米価の安定に政府が責任を持つべきである。
 よって、以下、申し入れる。

(1)コロナ禍による過剰在庫を政府が買い取り、市場から隔離し、需給環境を改善すること。
(2)過剰在庫状態にある米を、コロナ禍のもとで苦境に陥っている国民、学生や子ども食堂などに大規模に供給する仕組みを緊急に創設すること。
(3)米の需給対策を農家や流通業者に押し付けるのではなく、国が需給調整と価格の安定に責任を果たし、絶対に暴落を防ぐ意思であることを早急にアナウンスすること。
(4)ミニマム・アクセス米の輸入を中止すること。
(5)転作に伴う補助金は、主食用米にみあう単価にすること。水田活用の直接支払交付金、産地交付金などを大幅に拡充すること。
(6)再生産が可能となる所得を保証するため、農業者戸別所得補償制度を復活させること。

以上

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