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豚コレラ対策に関する申し入れ

農林水産大臣 江藤 拓 殿

豚コレラ対策に関する申し入れ

2019年9月20日
日本共産党国会議員団

 昨年9月9日に26年ぶりに発生した豚コレラは、その後拡大を続け、これまでに8府県の78農場と4と畜場で13万5786頭が殺処分の対象となるなど、わが国の畜産の根幹を揺るがす深刻な事態となっている。
 家畜が殺処分を受ける農家の苦悩は筆舌に尽くせず、発生していない農家もいつ感染するかと不安な日々を過ごしている。
 豚コレラウイルスを保有する肉製品の国内への持ち込みを見逃した政府の責任は重大である。飼養衛生管理基準の徹底、野生イノシシへの経口ワクチンの散布などの対策がおこなわれてきたが、総じてウイルスの封じ込めは成功していない。衛生レベルの高い公的研究機関でも発生し、経口ワクチンを散布してもすべてのイノシシが食べることはなく、もはやこれらの対策で感染拡大を食い止めることは困難である。
 発生農家への経営支援策についても、確実に営農再開をするためには不十分である。また、ウイルスの封じ込めができていないなかで、再発への不安から営農再開に踏み切れない農家が多数である。
 深刻な事態の広まりと養豚農家の要望を踏まえ、以下の通り申し入れる。

  1. 予防的ワクチン接種の実施計画を早期に策定すること
     飼養豚への予防的ワクチン接種を一律に不可とする方針をあらため、予防的ワクチン接種を行うための実施計画を早期に策定することが求められる。実施計画については、接種地域の範囲、移動制限の方法、ワクチン調達の計画、ワクチン接種に伴う課題などを検討段階から明らかにするとともに、関係者の意見をよく聞いて策定することが必要である。
     また、畜産農家の飼養衛生管理への支援を強化すべきである。
  2. 確実に営農再開ができるよう養豚農家への経営支援策の抜本的拡充をおこなうこと
     発生農家への殺処分手当金は、殺処分時の豚の月齢で決まるため、成長して出荷した場合に得られるはずだった金額との差が十分に補填されない。また、家畜導入までの空舎部分の固定経費などを支援する「家畜防疫互助基金」は、再導入して元の頭数に戻す期間を9カ月と想定した金額の交付にとどまるが、すでに空舎期間が9カ月を超える農家がでている。現行の経営支援策はあまりに不十分であり、殺処分家畜の十分な補償、収入が途絶える期間の生活費や従業員の給与への支援など、抜本的な拡充が必要である。
  3. 水際検疫の体制を抜本的に強化すること
     政府は、検疫探知犬の増頭や旅行客への口頭質問などで違法な肉製品を持ち込ませないための対策を行ってはいるが、国際郵便物も含めたすべての荷物を確認できているわけではない。有効なワクチンが存在しない「アフリカ豚コレラ」がアジアの10の国・地域に拡大しているもとで、動物検疫官、検疫探知犬の大幅増員・増頭などの水際検疫体制の抜本的な強化が求められる。

以上

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