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酪農・畜産問題に関する申入れ

2018年12月10日

農林水産大臣 吉川 貴盛 殿

日本共産党国会議員団


酪農・畜産問題に関する申入れ

 政府はこれまでにない水準まで関税を撤廃・削減するTPP11、日EU・EPAの国会批准を相次いで強行し、さらに日米FTAの交渉入りに合意した。日本の酪農・畜産に甚大な影響を与えることは必至であり、生産現場に大きな不安と衝撃を与えている。
 乳用牛の飼養戸数はこの10年間で7400戸減、肉用牛は2万9000戸減、豚は2400戸減となるなど、酪農・畜産農家の必死の努力にもかかわらず、減少に歯止めがかからない。広範囲にわたる関税撤廃・削減は、先行きの不安を一層強め、危機的状況にある酪農・畜産の生産基盤を根底から崩すことになりかねない。
 この事態を打開するためには、際限のない乳製品・畜産物の市場開放路線と決別し、大規模化偏重の政策を改め、大小多様な家族経営が成り立ち安心して生産に取り組める酪農・畜産政策にすべきである。
 2019年度の畜産政策価格及び関連対策の決定にあたり、以下申し入れる。

  1. 持続的な酪農経営ができるよう、加工原料乳生産者補給金は再生産可能な水準まで引き上げること。
  2. 集送乳調整金は、全国の集送乳コストの実態を踏まえるとともに、旧指定生乳生産者団体が果たしている機能に見合った単価水準とすること。
  3. 国は、生産者団体と乳業メーカーとの対等な価格交渉、条件不利地での生産の安定、生乳の需給調整機能の維持、牛乳と乳製品の安定供給に責任を持つこと。
  4. 肉用子牛生産者補給金の新たな保証基準価格については、生産者が再生産を確保できる水準とすること。
  5. 日本の畜産業に重大な影響を与えるTPP11、日EU・EPAなどの輸入自由化路線、日米FTA交渉を中止し、食料主権を保障する貿易ルールを確立すること。TPP11、日EU・EPAについては、生産者などへの影響を把握し、生産基盤を弱体化させないための万全の対策を講じること。
  6. 飼料生産型酪農経営支援事業の交付金単価の引き上げや基準面積などの支援対象要件の緩和等、輸入飼料に依存しない自給飼料型の酪農経営に対する支援を拡充すること。また、飼料作物の増産を支援するため、水田・畑・採草地への直接支払を維持、拡充すること。
  7. 畜産クラスター事業をはじめとする各種支援措置は、小規模・家族経営を含めた多様な担い手が将来に希望をもって生産に取り組めるよう、規模拡大を前提とすることなく採択要件を弾力化し、実情を踏まえた改善を図ること。
  8. 酪農経営安定化支援ヘルパー事業については、必要な予算額を確保するとともに、ヘルパーの確保・育成の取り組みへの支援等を拡充すること。
  9. 台風、豪雨、地震など相次ぐ災害、とりわけ北海道の酪農地帯に深刻な被害を及ぼした全域停電(ブラックアウト)を引き金とする離農者を生まないための支援策を講じること。
  10. 26年ぶりの発生が確認された豚コレラの拡散防止と原因究明に万全を期すこと。

以上

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