日本共産党参議院議員 紙智子
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酪農・畜産問題に関する申入れ

2017年12月11日

農林水産大臣 齋藤 健 殿

日本共産党国会議員団


酪農・畜産問題に関する申入れ

 乳用牛の飼養戸数は2008年から10年で8000戸減り、1万6400戸にまで落ち込んでいます。肉用牛は3万300戸減の5万100戸、豚は2500戸減の4700戸と、いずれも減少に歯止めがかからず、酪農・畜産の生産基盤は危機的な状況にあります。このもとで、政府が畜産経営安定法を改悪し、自由化路線を進めていることは重大です。
 日EU・EPAで政府は、交渉経過や影響試算を明らかにしないまま、乳製品や畜産物にTPPを上回る水準の市場開放を受け入れました。CPTPPでは米国を含むTPP12で合意した牛・豚肉の関税引き下げ措置がそのまま受け継がれ、オーストラリアやニュージーランドからの乳製品の輸入枠や牛肉セーフガード発動基準数量が全て維持される危険性も消えていません。さらに、米国が日本に対して二国間交渉でTPPを上回る自由化を迫ってくるのは必至です。このようなことを許せば、国内の生産現場は壊滅的な打撃を受けかねません。
 日本の酪農・畜産の危機打開のためには、際限のない乳製品・畜産物の市場開放路線と決別すべきです。また、大規模化に偏重した現在の酪農・畜産政策を改め、家族経営を含めた多様な担い手が将来に希望をもって生産に取り組める酪農にすべきです。
 2018年度の畜産政策価格及び関連対策の決定にあたり、以下申し入れます。

  1. 将来に向かって持続的な酪農経営ができるよう、加工原料乳生産者補給金は再生産が可能となる水準まで引き上げること。

  2. 集送乳調整金は、全国の集送乳コストの実態を踏まえるとともに、現行の指定生乳生産者団体が果たしている機能に見合った単価水準とすること。

  3. 国は、生産者団体と乳業メーカーとの対等な価格交渉、条件不利地での生産の安定、生乳の需給調整機能の維持、牛乳と乳製品の安定供給に責任を持つこと。

  4. CPTPP、日EU・EPA、日米経済交渉など日本の畜産業に重大な影響を与える自由化交渉を中止し、経過と内容を全面的に明らかにすること。

  5. 牛・豚肉の経営安定対策(マルキン)の補てん率の引き上げは、TPPまたは日EU・EPAの発効を前提とせず、直ちに実施すること。

  6. 飼料生産型酪農経営支援事業については交付金単価を引き上げ、輸入飼料に依存しない自給飼料型の酪農経営に対する支援を拡充すること。特に事業対象要件の見直しにより生産者所得の低下を招かないよう、生産現場の実態を踏まえた柔軟な運用を行うこと。また、飼料作物の増産を支援するため、水田・畑・採草地への直接支払を拡充すること。

  7. 畜産クラスター事業をはじめとする各種支援措置は、家族経営を含めた多様な担い手が将来に希望をもって生産に取り組めるよう、規模拡大を前提とすることなく採択要件を弾力化し、実情を踏まえた改善を図ること。

  8. 酪農経営安定化支援ヘルパー事業については、必要な予算額を確保するとともに、ヘルパーの確保・育成の取り組みへの支援等を拡充すること。

  9. 韓国で発生したと伝えられる高病原性鳥インフルエンザの防疫措置に万全を期すこと。

以上

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