日本共産党参議院議員 紙智子
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飼料価格高騰から畜産・酪農経営を守るための抜本対策を求める申し入れ
日本共産党国会議員団
 米国におけるトウモロコシを原料とするバイオエタノール生産の急増と二年連続のオーストラリアにおける大干ばつなどを原因とする国際的な穀物価格の高騰は、飼料自給率25%と飼料原料のほとんどを米国等に依存している日本の畜産・酪農経営を直撃している。北海道をはじめ全国の畜産農家や酪農家は、経営を維持できず、離農が急増する事態となっており、安全な国産畜産酪農製品の供給の上からも一刻の猶予もない状況である。

 重大なことは、現在の飼料価格の高騰が、一時的なものでなく、世界的な穀物需給が構造的に逼迫(ひっぱく)しているために、長期的に継続する可能性が高いことである。それは、一時的な飼料価格高騰対策として機能している現在の配合飼料価格安定制度が想定していない事態であり、現在の対策では、畜産酪農経営を守ることができないことは明らかである。

 日本の畜産酪農を発展させるためにも、乳価をはじめ価格対策をしっかり行うとともに、配合飼料価格安定制度の抜本見直し、さらには、再生産を補償できるような生産費補てんの仕組みの導入等の経営安定対策の抜本的強化、国産飼料の増産対策などが急務である。ついては、左記の通り申し入れる。

一、  配合飼料価格の高騰の下で、酪農経営を維持するために最低限、加工原料乳生産者補給金をキロ当たり五円以上引き上げるとともに、限度数量を引き上げること。
二、  都府県で飲用乳向け酪農生産を行っている酪農経営に対しても、配合飼料価格高騰の下でも生産を継続できるような経営安定対策を導入すること。
三、  現行の配合飼料価格安定制度でも前年同期に比べて、生産者の負担は、トン当たり七千七百円程度に及んでおり、経営危機を一層ひどくしている。この生産者負担分に対する新たな支援制度を創設するとともに、飼料価格が長期に高騰する事態を想定していない現行の配合飼料価格安定制度を早急に見直すこと。
四、  肉用牛肥育経営安定対策事業の補てんについては、家族労働費と所得の差額の八割補てんでは、配合飼料価格の高騰による生産コスト急増に対応できず、肉用牛肥育経営が維持できない。再生産を確保できるように生産コストに対する補てんができる仕組みにするとともに、十分な補てんを行うこと。
五、  養豚経営については豚肉の安定価格の引き上げ等経営安定対策を強めること。
六、  日本の飼料自給率を急速に引き上げるために耕作放棄地での飼料米生産や飼料用米生産と流通対策の強化、さらには、草地林間放牧による酪農肉牛経営の展開等、日本の国土の有効活用による酪農・畜産生産政策を進めること。
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