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HOME北海道・東北>夕張市「財政再生計画」に関する緊急申し入れ

総務大臣 原口 一博 殿
                        2010年3月8日
日本共産党参議院議員 紙    智子
                             〃  参議院議員 山下  芳生
                             〃  参議院議員 大門実紀史
夕張市「財政再生計画」に関する緊急申し入れ
 夕張市民は、総務大臣が同意した「財政再建計画」のもとで、「全国最高の住民負担と全国最低のサービス」が押し付けられてきました。いま多くの住民は夕張にこのまま住み続けられるのか大きな不安を抱いています。東京23区より広い面積をもつ夕張市で、救急医療が縮小され、人工透析も廃止されました。さらに小中学校は各1校に、下水道料金は1.7倍、住民税や軽自動車税の税率アップなど重い住民負担、市の職員数は半減され、全国最低の給与が強いられています。
 夕張市の人口は3年前の13,615人から11,500人に、2,000人以上も減少し、商店の閉鎖や中小企業の廃業を引き起こすなど、市の産業や経済が疲弊しています。国は、「財政再建計画」が何をもたらしたのか直接住民の声を聞き十分な検証を行うべきです。
 新しい「財政再生計画」の策定のなかで、夕張市長は「10年100億円が限界」とのべています。政府は、夕張市の財政破たんについて「国にも責任がある」と国会でも答弁してきました。
 しかし、国は借金の大枠には手をつけようとしておりません。国がその責任を果さず、すべて住民に負担をかぶせる「財政再生計画」では、自治体の再生はもとより、住民のいのちと暮らしも守ることができません。
 地方財政健全化法のもとではじめて策定される夕張市の「財政再生計画」が、憲法25条を住民に保障し、住み続けられるまちづくりと両立できる計画となるように、以下について緊急に申し入れます。

1,高齢化率が43・8%の夕張市にとって、17年という長期の「借金返済」は過酷であり、まさに「10年が限界」である。政府は一貫して「国にも責任がある」と国会で答弁してきた。国の責任において、夕張市の赤字残額322億円の大枠を再検討し、国の支援策のもとで「財政再生計画」の大幅な期間短縮をはかること。

2,旧産炭地の多くが急激な税収の低下や閉山後の跡処理対策費の大きな負担をかかえてきた。炭鉱会社が放置していった住宅、上下水道、学校、病院、道路もすべて夕張市が背負い込むなど、その負担は当時の金額で583億円にものぼっている。夕張市の財政悪化には国のエネルギー政策の変更という特殊な事情が背景にある。
 国は、旧政権時代に旧産炭地支援策を打ち切った誤りを認め、産炭地域振興策の復元と新たな支援策を実施すること。同時に、旧政権与党であった自公と当時の経済産業大臣が交わした「『産炭地域活性化基金』の取崩しに関する了解事項」(2006年9月22日)を見直し、これにとらわれず交付金・交付税の復元など、新たな支援策を講ずること。

3,夕張市では小学校6校を1校に集約化する計画が進められている。しかも当初予定されていたスクールバスでの通学ではなく、路線バスへの混乗に変更されている。各地域やPTAからは小規模の良さをいかすべき、バスで50分以上もかかる長い通学時間は子どもに負担が重い、安全上も不安という声があふれている。小学校3校存続を求める署名は3,200筆以上にのぼっている。安心して子育てができる環境を創るのは自治体の優先課題であり、小学校の1校化を見直し、子どもに配慮した「財政再生計画」にすること。

4,夕張市の職員給与は、現在、年収で4割カット、26歳で12万2,000円、36歳で18万円という全国最低が強いられ、子育てができない状況におかれている。夕張市再生のためにも住民サービスの担い手である職員が立ち上がらなければならない。職員が仕事でも生活でも安心できる環境が不可欠である。「財政再生計画」で職員給与を「全国最低」の水準に固執するのではなく、地域の実態に合った給与水準にすること。

5,夕張市の真の再生には、市内企業や業者の売り上げ増など地域経済の活性化が不可欠である。市内で実施される国等の公共事業において、夕張市内企業への優先発注をはかり、地域の雇用の改善、疲弊した地域経済の底上げをはかること。

6,高齢化がすすむ夕張で住民が安心して暮らせるよう、公設医療機関に救急医療、夜間診療、人工透析などの機能を備え、地域の総合的な医療センターとなるよう支援を充実させること。

7,夕張市の高齢者の6割が年収80万円以下である。高齢者福祉対策として、市民、お年寄りの憩いの場である老人福祉会館の維持・運営費への財政的支援を行うこと。また、除雪体制の整備、高齢者の食事や除雪の心配なくてすむ「ケアつき住宅」、「特別養護老人ホーム」を整備すること。
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