<第213回国会 参院予算委員会 2024年3月12日>
作山巧明大教授は直接支払への転換が必要と指摘/参院予算委公聴会開く
参院予算委員会は12日、公聴会を開き、公述人から意見を聞き、紙智子参院議員が質問しました。
作山巧明大教授は、円安などで食料価格が急騰する一方、飼料や肥料など輸入に依存している生産資材が高騰し、農業の収益性は60年ぶりの低水準で、生産者への所得補償など直接支払いが農産物の生産費用の増加に対応できるとし、2010〜12年に米農家への戸別所得補償で生産者の所得が増加し消費者価格が低下したとの統計を提示。「消費者は食料価格が低下し、特に低所得者が利益を受ける。生産者は農業所得が上昇し、農業の収益性が改善する」として、農業支援額に占める生産者の直接支払いの割合は米国91%、欧州連合(EU)84%に対し、日本は22%にすぎず、日本も農業支援の形態を直接支払いに転換する余地は大きく、食料・農業・農村基本法改定案には、生産者や消費者への即効性のある対策がないと批判しました。
紙議員は農村振興に向け全国町村会が提唱する「農村価値創生交付金(仮称)」を挙げ、地域レベルで独自性をもつ農村を担う「人」に着目した新たな交付金について質問。作山氏は「農村の多様性を考えると、予算として交付金を拡充していくのが正しい方向だ」と述べました。