<第210回国会 外交防衛委員会 2022年11月22日>


◇日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件に対する反対討論

○日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)

○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定改正議定書に反対する討論を行います。
 新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機を受けて、経済連携協定の在り方そのものが問われています。
 本議定書は、二〇二一年三月に日本による米国産牛肉へのセーフガードが発動したことを受けて、現行の日米貿易協定で定める発動要件を新たに見直すものであり、その内容は、二〇二二年度以降、米国産牛肉の輸入量が拡大してもセーフガードが発動しにくい仕組みに改めるものです。
 我が党は、二〇一九年に現行の協定を審議した際、同協定に関する二国間の交換公文には、セーフガードが発動された場合、基準数量を一層高くするための協議を開始することが義務付けられていて、米国からの輸入量が歯止めなく拡大するおそれがあると厳しく批判しました。
 本議定書による新たな発動要件は、この交換公文に基づき、セーフガードが持つ関税削減に伴う輸入の急増に歯止めを掛けるという本来の役割を実質的に無力化するものにほかなりません。
 日米貿易協定の改正は、国内の畜産農家に及ぼす影響を顧みない措置であり、到底容認できないということを申し上げて、反対討論とします。

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○委員長(阿達雅志君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(阿達雅志君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。