<第208回国会 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 2022年3月30日>


◇沖縄県の格差と貧困について/沖縄経済と基地問題について/離島の医療提供体制について/黒糖の生産と在庫対策について

○沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今年は沖縄の本土復帰から五十年です。県民が求めているのは基地のない平和な島です。しかし、その願いはかなわず、沖縄の米軍基地は一九七二年の復帰当時から減ったとはいえ、国土面積の僅か〇・六%の沖縄に過重な負担が負わされています。
 一方、半世紀にわたる沖縄振興策を通じて、本土との格差の是正、沖縄の自立型経済の構築を目指して一定の成果を上げたとはいえ、一人当たりの県民所得は依然として全国最下位と、子供の貧困や高い失業率など、いまだに格差はなくなっていません。
 五十年掛けてきてなぜ格差はなくなっていないのでしょうか。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 昭和四十七年の復帰の時点では、一人当たりの県民所得は全国の国民所得に比較しますと五七・八%でありましたが、平成三十年度のデータを見ておりますと七五・一%となるなど、全国との格差は縮小してきております。
 しかしながら、先ほど来お話に出ておりますように、一人当たりの県民所得の最下位であったり、あるいは子供の貧困問題など、解決すべき課題はまだまだ存在をしております。
 御審議をお願いしている法案には、そのような課題の解決に向け、沖縄振興の一層の推進を図るため、十年の延長をした上で努力義務規定等を盛り込んで所要の改正を行うこととしておるところであります。
 復帰時点の人口が百万足らずの九十何万で今現在百四十五万ぐらいまで人口も増えてきたというのは、沖縄振興法に基づいた社会資本の整備等々を着実に進めてきた成果も現れてきているものと私は理解をしております。

○紙智子君 五十年掛かってなぜ格差がいまだに残っているのかということについてはお答えになっていないんですよね。私は、やっぱり基地があることが沖縄経済の発展を遅らせてきた最大の要因だと思います。
 四年前のこの委員会で、沖北の委員会で参考人質疑がありました。沖縄からは三人の方が来られて、そのときに基地経済のことが議論になりました。強く印象に残っているのはこういう意見です。在日米軍の専用施設の七〇%が沖縄に集中し、経済の上でプラスになっているのか検証してほしいと、基地があることが抑止力になると言うけれど、米軍基地があることで復帰後四十六年だけでも六千件犯罪が起きた、何人もの人が殺されて犠牲になっているにもかかわらず、この基地が沖縄を守ってくれているのか、県民はほとんどそうは思っていない、救済を求めても聞く耳を持たないこの国って一体何だろうと思う、こういう発言があって、非常に厳しい意見が出されて、ずっともういまだに耳に残っているんですね。
 基地のない平和な島というのは一体いつになったら実現するのかと。基地に依存しない、自主的、自立的な沖縄に向かうことなしには本当の振興にはならないんじゃないかと思いますけど、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 紙委員御指摘のように、沖縄には米軍基地の多くが集中をしております。土地利用や町づくりの制約となっているほか、県民にとっては大きな負担になっていることから、引き続きこれらを軽減することは重要な課題であると認識をしております。
 政府として沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組んでいく考えであり、私としましては、沖縄の振興策を推進する立場から、基地の跡地利用の推進を始め、引き続き沖縄振興に邁進していく所存であります。
 沖縄の基地負担の軽減に全力で取り組みながら、しっかり沖縄振興策を活用して沖縄振興に取り組んでいきたいと考えております。

○紙智子君 やっぱり、沖縄の経済と基地の問題というのは切り離すことができないことだと思います。
 基地への依存度は、復帰当時一五・五%だったのが、その後五・七%に低下しました。ところが、この五%台というのが、平成二年、一九九〇年から三十年間変わってないんですよね。復帰してその後二十年間はずっと減ってきたんだけど、その後の三十年は余り変わってないんですよ。
 この現状を何とかしようということもあり、やはり一括交付金というのが活用されてきたと思います。一括交付金は、沖縄の自立的な経済をつくっていくためのもので、自由度が高く、積極的に活用されてきたわけですけど、翁長知事以降、予算額は削減が続いてきました。
 沖振法には、沖縄の自主性尊重というふうに文言があります。しかし、二〇一九年に沖縄振興特定事業推進費というのがつくられました。県を通さずに国が市町村に交付する仕組みです。一括交付金が八年連続して減る中で、推進費は拡大傾向になっている。
 県と市町村に分断を持ち込むことになったら、これは沖縄の自主性の尊重という理念が変質してしまうと思うんですね。そうならないように、やっぱり国会としては、この沖縄県の自立的な発展と豊かな住民生活の実現に向けてしっかりとこれからも議論をしていく必要があるんだというふうに私は思っております。
 そこで、沖振法の改正が沖縄が抱える課題を解決するものになっているのかということで聞きたいと思います。
 まず、離島の医療についてです。改正案には国と地方公共団体の努力義務規定というので新設をされて、その中に医療の確保という文字が盛り込まれています。この医療の確保というのはどういうことを示すのかお聞きします。

○政府参考人(内閣府政策統括官 原宏彰君) お答えいたします。
 沖縄の離島は、その多くが沖縄本島から遠く離れているということ、東西千キロ、南北約四百キロに及ぶ広大な海域に点在をしているということ、人口規模や市場規模が小さいということ等の恒常的な不利性を有しておりまして、こうした不利性によりまして、離島の地域は、産業の振興や移住、定住条件の整備を図る上で様々な課題を抱えているというふうに認識をしてございます。
 このため、今般の改正で離島の振興に関する包括的な努力義務規定を設けたわけでありまして、この中に医療の確保に言及しているということでございます。
 具体的には、国及び地方公共団体が講ずるように努めるものとされる離島の地域の振興を図るために必要な措置の例示といたしまして、雇用機会の拡充、教育の振興、福祉の増進、生活環境の整備とともに、今般、医療の確保について規定をしたものでございます。

○紙智子君 医療の確保を聞いているのに、中身ちょっともう一回、長くならないで答えてください。

○政府参考人(内閣府政策統括官 原宏彰君) お答えいたします。
 失礼いたしました。
 医療の確保ということでいえば、やはり診療所でありますとか、医師の確保でありますとか、あるいは緊急搬送でありますとか、そういったもの、これが包括的に医療の確保ということだろうと思っております。

○紙智子君 幅広く見ていくということだと思うんです。
 それで、離島の医療現場を見たときに、この救急搬送が課題になっているヘリポートの問題の改善が必要になっていると思うんです。小離島から八重山圏域への救急搬送は、年間で七十件飛びます。八重山病院に暫定ヘリポートがあるんですけれども、しかし、この救急搬送の六割が夜間だと。夜間なのにヘリポートには照明がないんだというんですね。病院の守衛さんが、自力でヘリの到達時間に合わせて四つの隅に照明を持っていって照らすということをやっているというんです。今の時代の話なのかということなんですね。地震による津波とか、防災対策となり得る高台の八重山病院とヘリポートというのは、本島や近隣の小離島にとっては避難所としても必要不可欠だということなんです。ですから、今すぐこれ解決すべきじゃないのかと。
 離島の医療現場の改善と充実に取りかかることが大事だと思いますけれども、大臣の見解を伺います。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 委員御指摘の八重山病院に隣接するヘリポートにつきましては、沖縄県が暫定的にヘリポートを整備し、八重山地域における離島急患輸送等に活用されているところであります。八重山病院周辺への恒常的なヘリポートの整備については、現在、沖縄県において、旧石垣空港跡地の活用に係る石垣市の検討状況等を踏まえつつ検討を行っていると聞いております。
 私としましては、小規模な離島が数多く存在する八重山地域における医療体制の確保は極めて重要であると考えております。沖縄県や石垣市の検討状況を見守りながら、しっかり支援をしていかなければいけないと考えております。

○紙智子君 いろいろあると思うんですけど、やっぱり救急搬送ですから一刻を争う事態だと思うんですね。やっぱり命を優先するという必要があると思うんですよ。
 海上保安庁の巡視船では八重山から石垣まで片道で四時間、重症者が乗船して船酔いになって余計重篤になったということもあったと聞きました。ドクターヘリは沖縄の風強いのでとても耐えられず、どちらも救急搬送には適さないというんですね。そこで、自衛隊に頼まなきゃいけないとなってヘリを要請しているんですけど、その場合に、まず病院から沖縄県に搬送を依頼して、要請から搬送先に到着するまでに全体で六、七時間掛かるというんですね。
 これでは救急と言えないと。救急搬送にふさわしい改善策はあるんでしょうか。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 現在、石垣島から沖縄本島までの緊急搬送に関しては、自衛隊の協力により那覇駐屯地等にあるヘリコプター等で搬送できる体制を整えているところであります。
 この緊急搬送に関して、防衛省・自衛隊は、沖縄県知事からの要請に迅速に対応できるよう隊員が二十四時間体制で待機したり、沖縄県知事からの正式要請の前に石垣市の消防指令センター等から直接自衛隊に対して派遣要請の手続に入る旨を通報してもらうなどの取組を行うことにより、迅速な緊急搬送に努めていると承知をしております。
 しかしながら、沖縄本島と石垣の間は四百キロを超える距離もありますし、この間の緊急搬送の場合、那覇から石垣島に向けてヘリコプター等が離陸するまでに一定の時間を要し、また沖縄本島と石垣島の間を空路往復することについても一定の時間を要することから、これ以上の時間の短縮はなかなか難しいと聞いているところであります。
 地元選出である私としましては、石垣島から沖縄本島までの緊急搬送の迅速化は、八重山における医療体制において極めて重要であると考えております。引き続き、関係者間が緊密に連携して対応することを見守りたいと思っております。

○紙智子君 なかなか大変だなというのを確かに遠いし思うんですけれども、やっぱり命に関わる問題ですので解決が求められていますので、引き続きその時間短縮など含めて検討していただきたいと。
 これに加えて、コロナ感染で新たな課題に直面しました。沖縄の離島は、観光客などの出入りもありましたけれども、米軍関係者の緩慢さから大きな問題になりました。
 県立八重山病院からお話を伺ったんですが、八重山病院は近隣と小離島を支える中核病院です。コロナ患者を抱えながら、コロナに特化せず、通常の医療も行いました。その結果、外科手術などは遅らせた。医師や看護師も足りないので、病棟を閉めて対応せざるを得なかったということもあったそうです。
 八重山病院の医師の定員が五十人、三百六十五日二十四時間体制だと。この状況を続けていくとなるととっても難しいというふうに思うんですけれども、これについての見解を求めます。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 私の同期生も、中部病院の院長を兼ねながら八重山病院の副院長を兼ねたりしながら、もう定年しておりますが、コロナ対応については、OBとなったものの、市長と協力して支援をしたという話も聞いております。
 沖縄県に確認をしたところ、県立の八重山病院では、医師の人数は一定数確保できているものの、医師の中には専門研修の一環として離島での医療に従事するため、例えば専門研修期間の三年目の一年間に限り離島に勤務している医師がいることから、定着率、定着率という視点で見ると低くなる面があると聞いております。一方、県の尽力によりまして、研修期間終了後も次の医師の補充等が行われており、医師が足りないという事態には陥っていないと承知をしております。
 いずれにしましても、県立八重山病院の医師の確保は重要な課題であります。引き続き、沖縄県において適切に対応されるものと考えております。

○紙智子君 ちょっと今の話にも係るんですけど、八重山病院で三月に病院から二十三名の医師などが辞めていったという話を聞きました。大体同数の補完は何とか、大変だったけれども何とかできたというんですけれども、しかし、離島の医師が定着しない、今の話の中にあり、人の確保がとても難しい問題もやっぱりなかなか解決しないままあると。県も、国も県も医師の使命感に頼っている段階なんですね。頼り切りではいけないと。
 命を支える医療体制の改善の対策をしっかり考えてほしいという病院関係者からの言葉なんですけど、この言葉にどういうふうに大臣答えられますか。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 現場の声は重く受け止めております。県も県で医師の確保には自治医科大や関係するところで医師の確保に懸命に努めているという話も承知をしております。
 内閣府としましては、県の動き、県からの話を聞きながら、離島の医療をしっかり守っていかなければいけないという思いでしっかり対応していかなければならないと思っております。

○紙智子君 では次、振興法に、農林水産業の振興に対しても国と地方公共団体の努力義務というのが明記されました。
 そこで、離島の黒糖、いわゆる含蜜糖についてお聞きします。
 サトウキビの生産量は様々な要因で大きく変化してきました。まず、生産量に影響のあった近年の状況を示していただきたいし、それとサトウキビの特性についても説明をお願いいたします。農水省。

○政府参考人(農林水産省農産局農産政策部長 松本平君) お答えいたします。
 サトウキビの生産につきましては、台風の常襲地帯であり、病害虫被害や干ばつに見舞われやすい沖縄県、鹿児島県、南西諸島で行われており、このことから生産の豊凶変動が大きい作物となっております。
 具体的な生産状況につきましては、平成二十三年産につきましては、生育初期の台風の襲来、病害虫でありますメイ虫の被害によりまして、戦後最大の不作となりました。また、平成二十一年、二十二年及び二十八年産につきましては、台風等の大きな自然災害がなく、順調な生育であり、豊作だったところでございます。
 また、サトウキビの特性についてでございますが、サトウキビにつきましては、台風常襲地帯である沖縄県において、先ほど述べましたように、影響はあるものの、自然災害の影響はあるものの、他作物に比べて、倒れても起き上がる、また表面が傷ついても糖分が抽出できると耐性が強いことから、他作物では代替困難な基幹作物でございます。産地の製糖工場や関連産業と相まって、地域の雇用、経済を支える重要な作物となっております。
 また、サトウキビにつきましては、時間が経過すると品質が劣化し糖度が減少する、このような特性を持っておりますので、収穫後はできる限り早く製糖工場に運ばないといけない特性を持っているところでございます。

○紙智子君 サトウキビの生産量は近年は増えているんですよね、こうジグザグあるけれども。で、製糖工場は、サトウキビを早く加工しないと糖度が下がって傷みやすい特性があるということで、生産者から引き受けたサトウキビを早く製品にする必要性に迫られると。で、消費が増えないとこれ工場に在庫が積み上がってしまうということですね。それが近年の黒糖の在庫が過剰になる問題だと思うんですね。
 昨年、二〇二一年六月に沖縄県の黒砂糖工業会が会見をして、黒糖は安価な輸入黒糖などと競合して販売が伸び悩んでいると。そこに新型コロナの影響で在庫量が一万六千トンになったと訴えました。販売が振るわず収入が減っているため、工場の経営が悪化して赤字経営を余儀なくされ資金繰りに苦労していると訴えたわけです。沖縄タイムスでも、沖縄の黒糖、在庫過去最多のピンチというふうに報道しています。
 製糖工場の生産コストと販売コストの差によって赤字分が生じてしまう、この調整はどのように行われているでしょうか。

○政府参考人(内閣府沖縄振興局長 水野敦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、沖縄県産黒糖に関しては、ここ数年のサトウキビ生産量の増産傾向に伴って産糖量も増加している中、これも委員御指摘ですが、コロナ感染症拡大による需要低迷の影響もあって年々在庫量が増えてきていると、で、黒糖製造事業者の経営に懸念が出ている状況と承知してございます。
 今、含蜜糖製造事業者あるいはサトウキビ生産農家についての支援ということでございますけれども、こちらは、沖縄振興特別推進交付金、いわゆるソフト交付金で支援してございまして、具体的には、沖縄県から含蜜糖製造事業者に対し生産農家と製糖工場の両方を併せた支援を行っているということで、含蜜糖製造事業者が生産農家にサトウキビ代金を支払っていると、こんなシステムになってございます。

○紙智子君 生産された黒糖製品がうまく流通されているときは、これ、工場も流通問屋も問題がないんですけれども、二〇二〇年からのコロナ禍でかなり苦労があったと地元の工場の方や黒砂糖工業会の方からお話を聞きました。
 工場は、銀行からの借入れによってまずは生産者に支払うと。黒糖製品の販売の売上げで銀行に返済するわけです。コロナ禍で観光での販売はもう絶たれている中で、特に二つの工場では前期分が銀行に返済できずに借入れの枠を広げてもらっている状態だと。内閣府の一括交付金にはとても感謝していると言うんですね、感謝していると。が、交付金は総額では変動がある、まあ減ってきているというのもあるんですけれども、そのため、補填で賄わなくてもいい枠組みで安定供給したいという要望が出されています。
 二〇二二年に入って積み上がった在庫を減らす施策に乗り出しているというふうに聞きましたけれども、どんな取組なんでしょうか。

○政府参考人(内閣府沖縄振興局長 水野敦君) お答え申し上げます。
 黒糖在庫の解決問題につきましては、沖縄県や関係団体とも連携いたしまして取り組んできてございます。内閣府においては、令和二年度、昨年度より、沖縄県産黒糖需要拡大・安定供給体制確立実証事業を実施し、黒糖製造事業者の販売部門の強化を図ることに努めてございます。
 また、さらに、関係者と連携しながら黒糖の在庫問題に取り組んでいるところであり、その取組の一つといたしまして、全国の小中学校の給食で沖縄県産黒糖を使ってもらえるよう、沖縄県黒砂糖協同組合から全国学校給食会連合会を通して全国の学校給食会に対して沖縄県産黒糖の利用を呼びかけているところでございます。
 内閣府といたしましては、様々な活用方法を取りながら、沖縄県産黒糖の魅力を多くの人に知ってもらい、一層の需要拡大に向け、関係者と一体となって引き続き取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。

○紙智子君 在庫を減らす施策というのは歓迎されているんですけれども、一括交付金の減額というのはやっぱり痛手なんですよね。大きい痛手になっています。
 三月二十五日の沖縄振興法の改正に伴って行われた参考人質疑で、西田睦参考人が、農業について、食料を支える、むしろ国土、県土、島嶼を支える役割というのはすごく大きいと、総合的に見たときの農業支援というのは大事なんだというふうにおっしゃいました。
 とりわけ、業界、町村からは、基幹産業としての黒糖事業の危機が迫っていると、危機が迫っているというふうに訴えられたんですね。
 改正案では、農林水産業の振興が示されました。安定した黒糖産業の振興が必要だと思います。振興法の改正を受けて位置付けをどう変えていくのか、考えていくのかということを最後に西銘大臣にお聞きいたします。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 島の製糖工場の煙突を見ますと、サトウキビは島を守り、島は国を、国土を守ると。小さな国境に近い島々に人々の生活が営まれているということが、人が住んでいるという意味で、国を守るという指摘だと見ておりますが。
 御指摘の黒糖問題は、私も前から要望を受けておりました。基幹作物であるサトウキビの生産は、島にとって、子供たちの教育にも必要であるし、あるいは関連産業も相まって、地域の雇用、経済を支える重要な産業であります。特に、黒糖が製造されている八つの離島においては非常に重要な役割を担っていると認識をしております。
 ただいま局長から答弁がありましたように、過剰在庫の問題についても、内閣府として黒糖製造事業者の販売部門の強化を図っているところであり……

○委員長(青木一彦君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

○国務大臣(沖縄及び北方対策担当大臣 西銘恒三郎君) 安定供給を確立ししっかりと付加価値を高めた国産黒糖の販売戦略の構築など支援をしっかりして取り組んでまいりたいと考えております。

○紙智子君 終わります。

(略)

○委員長(青木一彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(青木一彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。