<第196回国会 2018年4月17日 農林水産委員会>


◇加計学園の獣医学部新設について/愛媛県文書の提出要請について、農水省に事実確認を求める/加計ありき 疑惑が深まる中、集中審議を求める

○農林水産に関する調査(獣医師等に関する件)

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 農林水産委員会において、この獣医師に関する件をテーマにして加計学園に関する集中的な質疑が実現しました。今日の集中的な質疑には、参考人として稲葉睦北海道大学教授に出席をいただきました。初めに、感謝を申し上げたいと思います。
 さて、二〇一五年の四月に、学校法人加計学園をめぐり、愛媛県、今治市の担当者と同学園事務局長が官邸で当時の柳瀬唯夫首相秘書官と面談していたことが明らかになりました。愛媛県が作成した、獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長、柳瀬首相秘書官との面談結果についてとする文書には、柳瀬氏が、本件は首相案件と発言したとあります。愛媛県の中村知事は、四月十日に記者会見をして、この文書を県の職員が作成したことを認めました。柳瀬氏の発言が事実ならば、これ首相案件として加計学園ありきで進んだ疑いが強くなるわけです。農林水産省も、四月十三日に、愛媛県が作成した文書を受け取ったことを認めたと。
 獣医師の需要は足りていると農林水産省が言っていたのに、なぜ加計学園にこの獣医学部を新設することが可能になったのか。一年前、当時の山本有二農水大臣に聞いたときに、コメントをしないという答弁が繰り返されました。
 あれから一年近くたちました。本委員会で森ゆうこ議員が何度も質問をして、世論も政府の説明に納得していないわけです。愛媛県が作成した文書が明らかになったことで、事態がまた大きく変わっていると。
 そこで、初めに、国家戦略特区で獣医学部を新設したことについて、参考人である稲葉参考人の御意見を伺いたいと思います。
 二〇一五年の日本再興戦略は、獣医師学部を新設するための四条件を示しました。ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要を明らかにすること、既存の大学では対応が困難な場合とするなど、国家戦略特区で獣医学部を新設する議論がされました。新しい課題が出てきたら柔軟に対応をしてきたのが既存の大学なんだというふうに思っているんです。臨床が弱かったら、これは世界最高水準の国際医療拠点にするというのは難しいんじゃないかというふうに思います。
 加計学園はそれが本当にできるのか、既存の大学では対応できないのか。先ほど櫻井さんも質問されたところですけれども、是非お聞かせいただきたいと思います。

○参考人(北海道大学大学院獣医学研究院教授 稲葉睦君) 端的に申し上げますが、既存の大学で対応できないということは全くないというふうに私は考えております。

○紙智子君 ありがとうございます。全くできないことはないというふうにおっしゃいました。
 それで、獣医師の方からもいろいろ個別にお話聞いたんですけれども、行政、それから防疫、食品衛生、動物の診療、動物実験、管理施設など、獣医師の領域というのはとてつもなく広いんだというお話がありました。国際水準に引き上げる教授陣を、先ほどもお話しになりましたけれども、育成する必要があるんだ、すごく切実なんだと、そこがという話を聞きました。既存の大学で柔軟に対応することができるのではないかというふうな質問も先ほどやり取りありまして、それはできるんだという話も先ほど伺ったところです。
 そこで、内閣府にお聞きします。加計学園は、これ、日本再興戦略が示した四条件に合っていたのかということです。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) お答え申し上げます。
 御存じのとおり、獣医学部の新設は五年以上実現を阻んできたとりわけ困難な規制改革事項であるため、通常であれば説明責任を負うべき関係省庁というところではございますが、内閣府としても四項目との関係で問題がないことを確認してございます。
 また、その上ででございますが、諮問会議取りまとめについては、二十八年十一月九日の特区諮問会議で、文科、農水両大臣も出席の上、四項目への適合が確認された文案が異論なく了承されており、加計学園の単体の構想といたしましては、昨年一月十日に提出のあった応募書類に基づき、一月十二日の分科会における獣医学の専門家二名を含む有識者審査、文科、農水両大臣が出席する一月二十日の区域会議、文科大臣の書面同意、特区諮問会議、いずれも四項目それぞれへの適合も含めて異論なく了承され、事業認定に至ったものと。
 このように、四項目との関係も含め、三府省で合意確認をしながら関係法令に基づき認められてきたものと、このように考えてございます。

○紙智子君 問題はない、確認されたんだというお話だったと思うんですけれども、獣医学部を新設するに当たって獣医師に関係する団体や大学から意見を聞かれたんでしょうか。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) お答え申し上げます。
 四項目の適合性につきましては、ワーキンググループ、分科会、区域会議、諮問会議など、それぞれの段階で各界の専門家の御意見もいただきながら議論をされてきたところでございます。最終的には、獣医学新設に係る規制改革事項を取りまとめた二十八年十一月九日の諮問会議に際し、民間有識者に加え、獣医学教育や獣医師を所管する文科省や農水省も出席した上で、文案の調整過程を通じて異論なく了承されております。これらの会議には、農業分野の専門家の先生でありますとか医療分野の専門家など各界の専門家が参画をするとともに文科省、農水省も出席し、適切に意見が述べられております。
 また、事業者の選定を行いました一月十二日の分科会では、文科省推薦の獣医学の専門家である日本獣医生命科学大学獣医学部植田富貴子教授、帯広畜産大学畜産学部猪熊壽教授の二名に御出席をいただいており、これらの専門家の先生からは、今までの獣医学部にない科目を導入するとの説明に対しアドバンスト科目の充実を高く評価するでございますとか、公衆衛生やライフサイエンス分野の職域偏在を解消していきたいといった説明に対しライフサイエンスや公共獣医師に人が行かない問題への特徴的な提案であるといったような御意見をいただいております。
 このように、それぞれのステージでそれぞれ専門家若しくは民間有識者の方々伺いながら、所管省庁の御了解、合意も得つつ議論は進められてきたものと、このように理解をしてございます。

○紙智子君 いろいろ聞いてきましたということでいろいろ紹介されたんですけれども、稲葉参考人にお聞きします。
 国家戦略特区でつくる獣医学部は、世界最高水準の国際医療拠点にするというのが方針なわけですけれども、先生は全国大学獣医学関係代表者協議会の会長をされています。意見はそのとき聞かれたんでしょうか、この話の中には。

○参考人(北海道大学大学院獣医学研究院教授 稲葉睦君) そのような事実はございません。記憶の、記憶のどころではございませんで、全くそういうことは私自身ありませんし、私の周辺、この協議会等々の関係者、全て含めてないというふうに明確に申し上げます。

○紙智子君 だから、聞いてないわけですよね。本当に……(発言する者あり)そうなんですよ、都合のいい人しか聞いてないという今の話なんですよ。反対する人は聞かないという話ですよ。岩盤を突破するためには関係者の意見は聞かないと、これが安倍政権の特徴なんですね。
 愛媛県の文書によると、柳瀬首相秘書官は獣医師会には直接対決を避けるようにということも指示をしているような中身が書かれているわけです。進める手法にまで、そういう意味では示しているわけですね。まさに、これ加計学園先にありきだと思うんですよ。
 農水大臣にお聞きします。
 昨年五月に総理の意向を示す文部科学省の内部文書が明らかになったときに、私は農水省にも説明責任を果たすように求めました。その際、あのときは山本有二農水大臣だったわけですけれども、情報はできるだけ開示するというふうに答えました。今回、愛媛県が作成した文書を公表したんですけれども、ようやくそういう意味では重い腰を上げて調査したという感じなんですよね。山本有二前農水大臣は、情報はできるだけ開示すると答えていたのに、その間全然ないわけですから、一体何だったのかなというふうに思います。
 農水省に加計学園に関わる文書が届いていたわけですよね。大臣、しっかりこれ、説明責任を果たしていただけますか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) 今回の文書の件ですけれども、四月九日の夜に、NHKにおいて、愛媛県が内閣府や文部科学省、農林水産省にこの愛媛県文書を配付したという報道がありまして、それで翌日の一部新聞にその文書の一部が掲載をされたと。この愛媛県の文書そのものについては、報道があったときに、私自身、大臣になる前、二年間副大臣もやっていましたけれども、そのとき見たことも聞いたこともなかった文書でありますので、これはしっかり調査をする必要があると私自身も認識をいたしましたし、それから官房長官の記者会見においても関係省庁に確認をさせたいというのがありましたので、全く認識をしてないものでしたから、直ちに調査をしようということで調査に入ったわけであります。
 それで、十日の朝にその朝刊で報道がされたものでありますので、早速十日から十二日の木曜日にかけて、この当時の担当者から現在の担当に至るまで、幅広く三十六名の方から一人一人ヒアリングをして、個人として保有するものも含めてヒアリングを行ったということでありました。その結果として、既に公表をさせていただいておりますように、この文書を保有していた職員が一人判明をしたということでありました。これを十三日の朝の会見で私の方から公表させていただいたということでありました。
 それで、この文書は、保有をした職員のヒアリングによれば、平成二十七年五月に獣医師法等の担当に異動となって、前任者から紙ベースで受け取ったと。それから、文書の内容が獣医師養成系大学の新設に関するものであり、農林水産省の所掌事務とは直接関係ないものと考え、行政文書としての管理は行わずに、いろいろな個人の保有の資料があったそうですけど、それと一緒に自分のファイルにつづっていたと。それを、ヒアリングの際にそういう報告があったということでありまして、この方以外から文書については認識がなかったというのが我々がヒアリング調査をした結果でございます。

○紙智子君 記者会見を読ませていただきましたので、今のは大体そういうことだったと思うんですけれども、東京新聞の報道についてもされていますので、聞きます。東京新聞は、愛媛県文書、農水省が提出を求めると題する記事を書きました。農林水産省で見付かった愛媛県の職員作成による当時の柳瀬唯夫首相秘書官らとの面会を記した文書は、県が農水省の要請で二〇一五年四月の面会直後に農水省に提出したものだと書きました。これ、農水省が愛媛県に要請したんでしょうか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) 先ほどちょっと申し上げましたように、今回は、四月九日の夜に愛媛県が文書を配付したという報道を受けて、私ども、じゃ、配付をされたのかどうかということを調査をさせていただきました。そして、その際に、その文書の存在について、もうほとんど考えられる人にお聞きをした結果、先ほど報告を申し上げましたとおりでありまして、この東京新聞の報道にありますような事実は出てきていないということでございます。

○紙智子君 そこが、だから記者会見で、愛媛の作成の文書を受け取った職員は文書を見た記憶はなくて、後任に渡した記憶もないと。後任者が保存しているのであれば、異動の際に渡した資料の中に含まれているのかもしれないと言われたということを大臣言われたんだけれども、東京新聞の報道が事実だったら、これ事実だったら記者会見とちょっと違ってくるわけなんですよね。それで、報道が事実かどうかというのを改めて確認するべきだと思うんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) このヒアリングも、三十六名という、その当時から現在に至るまで、関係するという部署に就いた人に一人一人ヒアリングを行って、そういう事実というものは確認できなかったわけでありますので、これ以上どうしたら、その報道を踏まえてですね、いいのか分からないと思うぐらいの調査をさせていただいておりますので、私どもは、この調査で全てヒアリング調査は完了したかなというふうに思っております。このような事実は確認をできておりません。

○紙智子君 省内が大変だというんであれば、愛媛県に直接問い合わせてほしいと思うんですよ。愛媛県に問い合わせれば、もう簡単だと思うんですね。
 今、多くの国民は、森友や加計学園、イラクの日報問題など、改ざん、疑惑、情報隠しということに対して非常に強い不信、批判の声を上げているわけですよ。真相を究明して、これ国民の信頼を取り戻すというためには、愛媛県に問合せして事実がどうなのか確認すべきではないんでしょうか、もう一度お願いします。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) 愛媛県の立場については、もう中村知事が既に会見等において、自分の方から配ったという会見をされておりますので、私はそれで納得をしているところであります。

○紙智子君 いや、真相が解明されないうちは、ちゃんとやっぱりやるべきだと思いますよ。そこは是非確認を、そんな難しいことじゃないと思います。愛媛県側に、こういうことで報道されているけれども実際はどうだったのかということをやり取りすればいいと思いますので、是非確認していただきたいと思いますが、どうですか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) ちょっと検討させてください。

○紙智子君 是非やっていただきたいと思います。今検討と言いましたけど、やっていただきたいと思います。そうしなければ国民の納得は得られないと思います。
 それと、愛媛県が作成した文書の内容についてなんですけれども、内閣府の藤原次長は、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい、インパクトのある形で提案書を作成してほしいというふうに言っているわけですね。愛媛県、今治市は六月四日に、これまでの獣医学教育にない公共獣医事を担う第三極の国際水準の大学獣医学部を新設すると、ライフサイエンス分野の研究を進めると提案をしているわけですね。それからまた、ペット獣医師を増やさないような、卒後の見通しなどをしっかりと書き込んでほしいと言われていると。で、応用型ライフサイエンス分野への貢献というふうに提案をして、ライフサイエンス企業誘致をすると言っているわけですね。
 そうしますと、四月二日の面談が重要な転機になっていると、愛媛県と今治市は、藤原氏が言ったとおりにこれ提案しているということじゃないですか、どうですか。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) お答え申し上げます。
 いずれにしましても、報道にありますような表現ということにつきまして、藤原元次長本人に確認をいたしまして、覚えがあるかということで調査を、今回の一連の内閣府側の調査の中でもしてございますが、文書中に引用されているような表現自身は藤原次長は覚えがないと認識をしていると、こういうことでございました。
 ただ、一般論で申し上げますれば、閣議決定であります特区基本方針においても、受け付けた提案については実現に向けた検討を進めることが課せられてございまして、今治市に限らず検討段階のものも含め、事務局の側が自治体の方と個別にお会いすることはございますし、そういった中でこういったことがいいんじゃないか、ああいうことがいいんじゃないかという一般的なアドバイスをさせていただくことはございます。
 ただ、繰り返しになりますが、この文書中にあったような表現ということにつきましては覚えがないと、こういうことでございました。

○紙智子君 あのね、記憶にないという話なんだけど、否定はしていないんですよ、だから。そういうことを言っていないとは言っていないんですよ。記憶にないと言っているわけだから、ちゃんと思い出してもらわなきゃいけない話なんですよ。
 何で藤原次長はこんな提案したのか。面談記録には、要請内容は総理官邸から聞いている、政府としてきちんと対応していかなければいけないと言われている、柳瀬首相秘書官からは首相案件という言葉が使われていると。藤原次長は文部科学省に、これは官邸の最高レベルが言っていることと言った方でもありますよね。これ、以前議論になりましたけれども、メモが残っているわけですから。だから、加計ありきで具体的な進め方を助言したんじゃありませんか。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) 一つ一つ、済みません、お答え申し上げます。
 まず、官邸の最高レベルといったようなお話が昨年の集中審議のときにも話題になったかというふうに思いますが、このときはそういった表現は使っていないし、言ったもの、言われたもの、確認できたことはないということにつきましては、先般の国会のとおりではないかというふうに思います。
 また、今回の文書の中でありましたような首相案件ということでありますとかチャンスがあるといったような表現につきましては、繰り返しでございますが、藤原自身はそういった表現を使った覚えはないということでございます。
 他方で、一方、四月の段階で愛媛県や今治市の方とお会いしたことがあるということにつきましては、これまでも御説明させていただいたとおりでございまして、国家戦略特区の制度の説明でございますとか一元化、構造改革特区と国家戦略特区の一元化された窓口につきまして、提出をされるのであればこの一元化した窓口の方にお願いをしたいといったようなことは説明をしているということでございます。

○紙智子君 あのね、ずっとそうやって覚えがないということで言い切ろうとしているけれども、それはもう通用しないですよ。愛媛県が作成した文書には、県としては、国家戦略特区の申請のため、今治市の意向を踏まえて、加計学園とも協議しながらというふうに具体的に加計学園という学校名が出ているわけですよね。
 内閣府と農林水産省に聞きますけれども、これ、内閣府は、四月二日の面談のときに、特区の事業者が加計学園であることをそのときに知ったんでしょうか。それから、農水省は、文書を受け取ったと思われる四月三日に、事業者が加計学園であることを知っていたんでしょうか。いかがですか。それぞれ簡単に。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) 内閣府側の事情についてお答え申し上げます。
 国家戦略特区について申し上げれば、二十七年六月四日に獣医学部新設の規制改革について提案書をいただき、ワーキンググループで取り上げられることに至ったことから、事務局として、他の特区提案と同様にこの提案に係る過去の経緯などをいろいろ調べてございます。
 その中では、これまでも御説明しましたとおり、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区に今治市が提案を続けており、その当初は想定事業者として加計学園の名前が提案書の中に既に記載されていたといったようなこともございましたので、こうしたことを調べている中で徐々に、加計学園を事業者の一つとして今治市が想定しているだろうということにつきましては、内閣府としても認識を持っていたところでございます。
 しかしながら、制度上もそうでございますとおり、いずれにせよ、いかなる者から提案を受け実現した制度措置であろうと、それを適用される事業者につきましては、事業者公募、事業者認定という公募のプロセスを経て決められるというものでございまして、私どもとして、そうした特定の事業者を前提にした制度論を行ったことはない、このように考えてございます。

○紙智子君 長々と言い訳的に言わないでほしいんですけれども。
 要するに、国家戦略特区の事業者が加計学園であるということを知ったのはいつですか。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) 申し訳ございません。お答え申し上げます。
 構造改革特区のとき以来、そういった経緯があるということは徐々に勉強する中で分かってきたことでございまして、そういった推測はもう当時持ってはおりましたけれども、いつ知ったということにつきましては、逆に言えば、そういった情報源から理解をしていったということでございますので、特定が難しいということでお答えをさせていただきます。

○紙智子君 ちょっとそのでたらめな答弁やめてほしいんですよ。徐々にってどういうことですか。初めから分かっていたんじゃないですか。それをごまかしてやろうとするのはもう絶対了承できないですよ。
 これ、また多分後の方でも質問されると思いますけど、徐々ってどういうことなんですか。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) お答え申し上げます。
 大変恐縮でございますが、いつの段階で組織として認識をしたかという意思決定を踏むような場がございませんので、なかなかそこについて正確な期日で申し上げるようなことは難しゅうございますが、当時業務に関わった者が過去の経緯を調べる中で、徐々にそうであろうということを認識してきた、繰り返しで恐縮でございますが、それが事実関係ということでございます。

○紙智子君 答弁全然駄目です。徐々にって、もっとはっきりと言ってほしいんですよ。加計学園であることを知ったのはいつかと、はっきり答えてください。

○政府参考人(内閣府地方創生推進事務局審議官 村上敬亮君) 例えば六月四日、六月五日の時期の前後につきましては、もうその時点で今治市が加計学園を事業者の一つとして想定しているだろうということはもう推測できる状況にあったと思いますが、そこから遡ること、いつ組織として推測し得る状態になったのかということにつきましては、ちょっとテクニカルに特定が難しゅうございまして、大変恐縮でございますが、期日でそれをお答えするのは難しいということでございます。

○紙智子君 全く納得できませんけれども、よく調べて、いつからかというのを出してください。ちょっと委員長に求めておきたいと思います。

○委員長(岩井茂樹君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議を行います。

○紙智子君 柳瀬首相秘書官は、四国に獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師の確保の観点から、農水省、厚労省も歓迎する方向というふうに言っているわけですけれども、野上官房副長官にお聞きしますけれども、これ、農水省は歓迎しているというのは一体どういう意味なんでしょうか。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君) まず、その本件文書につきましては、これは愛媛県が作成した文書でありますので、国としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げますれば、農林水産省は、獣医学部の新設につきましては、獣医師の需給に関し、数自体が全体として不足している状況にはないが、地域によっては産業動物獣医師の確保が困難なところがあることを一貫して主張しており、国家戦略特区の議論に際してこの考え方が変わったことはないと承知をいたしております。

○紙智子君 今意味分からなかったので、もう一回ちょっと言ってください。

○委員長(岩井茂樹君) 明確にお願いいたします。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 農林水産省は、その獣医学部の新設につきましては、獣医師の需給に関し、数自体が全体として不足している状況にはないが、地域によっては産業動物獣医師の確保が困難なところがあるということを一貫して主張しておりまして、国家戦略特区の議論に際してはこの考え方が変わったということは承知をしていないということであります。

○紙智子君 変わったということは承知していないって、ちょっと意味がよく分からなくて、農水省は歓迎していなかったんですよ、元々。必要ないと言っていたわけで、それが歓迎しているというふうに変わったのには、その背景に話合いがあったのかどうかということになるわけですよ。想像できるわけですよ。そうなんですか。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今申し上げたとおりでありまして、農水省自体は、獣医学部の新設について、獣医師の需給に関し、数自体が全体として不足している状況にはないということでありますが、地域によっては産業動物獣医師の確保が困難なところがあるということを、これ一貫して主張していたということを認識しているということであります。

○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

○紙智子君 結局、だから、獣医師は足りていると、偏在はあるとは言っていたけれども、だけど、だからといって新たに必要だって話は全然なかったんですよ。むしろ反対だったんですよ。それが何で歓迎しているという話になるのかと。そうなるからには、背景で話合いがされたのかもしれないというふうに思うわけですよ。だとしたら、本当にこれ、国民には全く明らかにしないままこういうことをやってオーケーしたのかということであって、これまでの国会答弁の中で……

○委員長(岩井茂樹君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

○紙智子君 農水省自身が答えていたこと自身も全く信用できないということになるわけですよ。
 いずれにしても、加計ありきでこれ進んでいたということがこの間のやり取りを通じても明らかになっていると思いますし、ますます疑惑が深まっているという中では、これ、引き続き集中審議が必要だということを申し上げまして、質問を終わります。