<第190回国会 2016年3月31日 農林水産委員会>


関東の大雪被害・農業用ハウス支援を/TPPで農産物の輸入額、輸入量が増えるかどうか「わからない」・農林水産省審議官

○農林水産に関する調査

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 ちょっと時間切れでやり残しているのもありまして、そこから幾つかやっていきたいと思います。
 まず、豪雪被害についてお聞きします。
 本年一月に、関東一円で大雪によって農業用ビニールハウスが倒壊する被害が発生しました。ある農家の方は、朝七時に見回りをしたときにハウスはちゃんと建っていたが、その後行くと潰れていたというふうに言っています。一月十七日夕方から降り出した雪が十八日の朝方にはみぞれや雨に変わって、雨で雪の重みが増したために倒壊したと思われるわけです。二〇一四年の大雪で再建したばかりのハウスが再び崩壊したところもあります。ここ近年の異常気象で、豪雪被害だけではなくて、竜巻でビニールハウスが倒壊するという被害も発生しています。
 二〇一四年の豪雪の被害に際しては、農林水産省としてハウス費用の五割、県と市町村で四割、つまり九割この助成を行ったこともあり、農家からは、直後はどうしていいかもう途方に暮れていたと、しかしながら農業を続けていこうと意欲が持てたということで歓迎する声が出ました。
 今回、被災農業者向け経営体育成支援事業、これが発動されておりません。後継者のいない農家は再建する気持ちになれないという声も出されています。なぜこれ発動しないのでしょうか。

○政府参考人(農林水産省経営局長 奥原正明君) 災害対策の関係でございます。
 今御指摘ございました被災農業者向け経営体育成支援事業でございますけれども、この事業は、過去に例のないような気象災害が発生した場合に発動する、こういった事業になっております。
 御指摘ございましたように、二年前、平成二十六年二月の大雪の際には、通常降雪量の少ない地域を中心にいたしまして、地域の基幹産業であります農業が壊滅的な被害を受けたということに鑑みまして、産地の営農再開、それから食料の安定供給に万全を期すという観点で特例的な措置を講じたところでございます。その際、この大雪被害を踏まえまして、災害対策の基本であります園芸施設共済、これにつきまして拡充を図っております。具体的には平成二十七年二月に、耐用年数の見直しですとか、それから補償価額の引上げ、こういった補償内容の拡充を行いまして、被災した施設の再建に万全を期すことにしたところでございます。
 一方で、今回の大雪による農業ハウスの被害は、全国で被害額が三十二億円というデータになっております。二年前のときは被害額が全国で千二百二十四億円でございました。こういった被害の状況、共済の拡充ですとかこれまでの災害における対応状況、こういったことを勘案いたしまして、今回につきましては本事業を発動する条件はないという判断をしたところでございます。

○紙智子君 園芸施設共済をやったという話があるんですけれども、共済を拡充したからこの被災農業者向けの経営体育成事業は使わなくていいんだというふうに聞こえるんですけれども、気象条件ですけれども、経営体育成支援事業実施要綱で、今局長も紹介されていますけれども、こういうふうに定めているわけです。被災農業者向け経営体育成支援事業は、過去に例のないような甚大な気象災害等により、担い手の農業経営の安定化に支障を来す事態が発生しており、特に緊急に対応する必要があると経営局長が認める場合というふうになっているわけですよね。
 そこでなんですけれども、過去に例のないような甚大な気象災害等というのは一体何か、この定義について説明をいただきたいということ、それからまた、担い手の農業経営の安定化に支障を来す事態というのはどういう意味なんでしょうか。

○政府参考人(農林水産省経営局長 奥原正明君) この被災農業者向け経営体育成支援事業、これの基準でございますけれども、今御指摘ございましたように、過去に例のないような気象災害が発生をすると、それによりまして国として特に緊急に対応する必要があるような場合、これに限って発動するということになっているわけでございます。
 この発動に当たっての基準となる被害額ですとかあるいは定義等、これは具体的に決めているわけではございませんけれども、これまでの災害におきましては、台風等により農地あるいは農業施設等に甚大な被害が生じて、激甚災害に指定されるというケースがございます。この激甚災害に指定をされて、かつ農業用のハウス等の被害額が相当な規模になるといった場合に一つ発動しておりますし、大雪の場合には農地ですとか農業施設等の被害が基本的には余りございませんので、激甚災害という指定には基本的になりませんけれども、大雪につきましても、農業用のハウス等の被害額が相当程度に達した場合、この場合にこの事業を発動してきたところでございます。
 こういった意味で、個々の災害ごとの被害の状況等を勘案して判断すると、こういうことにしているわけでございます。

○紙智子君 今のお話でも、特に定義はないという話で、いろいろ判断しているということなんだけど、甚大な気象災害を判断するのは結局のところ経営局長なんですね。
 発動基準が実態に合っていない、あるいはハードルが高いという受け止めがあるわけです。実際に受けた被害は二年前とも余り変わらないと、受けた被害者は変わらないわけですよ。前回被害に遭って、また造り直して、さあ頑張ろうと思ったやさきにまた被害を受けるということですから、ダメージは個々、受けた被害者から見ると変わらないわけですよね。それで、やっぱり農業に対しての農林水産省の、そういう意味では、何をもって判断して支援しなきゃいけないかという判断、農水省の姿勢が問われる問題だというふうに思うんですね。
 そこで、大臣、これ局長の判断でというふうになるんだけれども、局長に任せておいていいんでしょうか。

○国務大臣(農林水産大臣 森山裕君) 局長を信頼しておりますから、任せていいのかと言われれば、任せていいと思っております。
 ただ、先生がおっしゃいますように、大きな、たしか平成二十六年の大雪のときには全国で千二百億円を超えるぐらいの被害額だったと思います。今回はそれに比べると非常に少額ではありますが、今委員がおっしゃいますとおり、農家にしてみると、全体の金額が多かろうが少なかろうがは余り関係がなくて、農家としてどういう被害を受けたかというところが非常に大事なことだなというふうに思っております。
 今回の被害に際しましては、まず、共済の支払をスピーディーにやろうということで、損害評価が完了したものから順次共済金の支払に努めているところでございます。また、融資の問題につきましても、政策金融公庫の長期低利の融資による支援をさせていただくべく対応しております。
 また、今回の被害を契機として、収益力強化に取り組む産地に対しましては、産地パワーアップ事業により、パイプハウスの導入に必要な資材に要する経費を支援をするということが可能でございますので、そういう対応もさせていただきたいというふうに思っております。
 こうした対応を通じまして、被災産地における速やかな営農再開を図ってまいりたいと考えております。

○紙智子君 近年、異常気象が言われて、大雪だけじゃなくて、竜巻の被害なんかも局地的にそれこそ出ている、発生しているわけです。それで、激甚災害でも局地激甚というのもあります。
 前回の被害で農林水産省がつくったいい制度があるわけですよね。それで、発動条件で被災者を縛るということではなくて、やっぱり被害の実態に合わせて、せっかくつくっている制度があるわけですから柔軟に活用するようにすべきじゃないのかなというふうに思うんですけれども、もう一回、大臣、いかがでしょう。

○政府参考人(農林水産省経営局長 奥原正明君) 災害対策につきましては、それぞれの災害ごとにやはり被害の対応等もいろいろ異なってまいりますので、その災害の特性を踏まえまして適切な対策を講じてまいりたいと考えております。

○紙智子君 やっぱり今ある制度を被災者に合わせて柔軟に発動すべきだということを再度求めておきたいというふうに思います。
 それで、今のままでいきますと、やっぱりもう二重に被害を受けている方もいらっしゃるわけで、産地の縮小も懸念されるわけです、もう続けられないと。地域農業を支える農家が再建できるように、地方自治体あるいはJAなんかもそういう意味では何とかしなきゃいけないということで支援も始めているわけですよね。
 産地パワーアップという話も先ほどされたんですけれども、これTPP対策の目玉ですよね、言ってみれば。そうすると、TPP対策が自然災害対策と一緒なのかなと、一緒でいいのかなというのもあるわけで、やっぱりそういう意味では、今ある制度を柔軟に活用して産地の縮小を防いで、地域の農業を支えるということを強く要求しておきたいというふうに思います。
 それから次に、TPP協定による農林水産物への影響試算と食料自給率についてお聞きをいたします。
 農水省の試算の結果なんですけれども、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じる、国内対策により国内生産量は維持される、食料自給率もカロリーベースで三九%、生産額ベースで六四%が維持されるとしております。国内生産量が維持されるということですから、これ国産が輸入に置き換わることはないけれども、安い輸入価格に引きずられて価格は下がるんだというふうに言うわけですよね。
 国産と置き換わらないから輸入量は増えないということなんでしょうか。

○政府参考人(農林水産大臣官房総括審議官 佐藤速水君) お答え申し上げます。
 今回の農林水産省の試算におきましては、交渉で獲得した措置とともに、体質強化対策、経営安定対策などの国内対策によりまして、先生御指摘のとおり、国内生産量が維持されると見込んでおります。
 一方で、内閣官房が行いました今回の経済効果分析におきましては、農林水産省の試算で得られました国内生産の変化率、すなわち国内生産量が維持されるとの結果を外生投入をいたしまして、経済全体の内外の需要増加ですとか貿易変動も含めて推計をしたというふうに承知をしております。
 このGTAPモデルの中におきまして、実質GDPの増加等によりまして需要拡大から輸出入の増加もあり得ますけれども、そのことは農林水産物の国内生産量が維持されるという前提に影響を与えるものではないというふうに承知をいたしております。具体的に申し上げますと、国内生産量が維持される中にあっても、GTAPモデルにおきましては、品目によってはTPPによりまして実質GDPが増加することで需要が拡大し、輸入が増加することはあり得るというふうに考えてございます。

○紙智子君 輸入量は増えないんですか。

○政府参考人(農林水産大臣官房総括審議官 佐藤速水君) 今回のGTAPモデルにおける経済効果分析におきましては、農林水産省で分析をいたしました、国内生産量は変わらないと、こういう分析結果をこのGTAPモデルの方に外生投入をいたしました。
 それで、内閣官房の方でこのGTAPモデルを回して計算をした結果でございますけれども、そのモデルの中で、実質GDPが増加いたしまして需要拡大がいたします。そうしますと、輸出入の増加もあり得るということではございますが、今回のGTAPモデルでは個別の産業ごとに輸出入がどうなるかというような分析はいたしておりませんので、輸出が増加するかしないかはこのGTAPモデル上からは今回は分からないということでございます。

○紙智子君 分からないというふうにおっしゃるわけですよ。もう聞いていても全然分からないですよ。だって、言う人自身が分からないと言うわけだから。
 それで、輸入量は増えないなんというのは本当おかしい話で、大体、オーストラリアにしてもニュージーランドにしてもアメリカにしても、日本に輸入を増やせるから、輸出いっぱい出せるから、だからTPPに合意したんだと思いますよ。実際に報道でも、アメリカの畜産業者は今回のTPPで日本に輸出を増やせるといって歓迎しているわけです。
 そこでなんですけれども、過去に締結したEPAにおいて、関税削減、関税割当て設定を行った品目の輸入金額や輸入量がどうなっているかということなんですが、日本が過去に締結したEPA、十四ありますよね。例えば、二〇〇八年に発効しているEPAは日本とインドネシア、ASEANなど四つあるんですけれども、輸入額で見ると、発効前は、二〇〇七年は一兆八千八百八十七億円だと、二〇一四年には二兆二千三百五十七億円ということで、三千四百七十億円増えているわけですね。十四のEPA全体で見ても全て輸入額が増えていると。
 国別で言いますと、メキシコですけれども、輸入額は五百六十七億円だったところから一千四十四億円に増えています。関税割当てとなっている牛肉で見ると、牛肉の輸入量は、EPA発効前は、二〇〇四年のゼロだったのが、二〇一五年には一万二千トンに増えていますし、豚肉は、二〇〇四年、三万二千七百トンだったのが、二〇一五年には六万九千六百トンに増えていると。
 業者や事業者から見ると、牛肉や豚肉を輸入するときに、一ドル九十円とか百円とか前提にして経営戦略や営業の戦略を立てると思うんですね、業者は。関税割当て数量だとかその枠内の税率を見ながら調達する国を選ぶんだと思うんですよ。どこが自分にとってもうけになるかということで国を選ぶと思うんですね。
 過去のEPAを見ると、市場取引の結果、輸入額、輸入量は増える傾向にあるんじゃないですか。

○政府参考人(農林水産大臣官房総括審議官 大澤誠君) 事実関係につきまして、まず御説明させていただきます。
 過去のEPA、先生のおっしゃるとおり十四ございますけれども、それぞれにつきまして我々もいろいろと調査をいたしておりますけれども、特に、まず輸入額につきましては為替の影響というのが非常に大きくございます。為替も、二〇一五年ベースでいきますと、日銀の資料によりますと百二十一円ということでございますけれども、例えば二〇〇九年では九三円、二〇一〇年では八十七円七十七銭、二〇一一年には七十九円と、二〇一二年も八十円を切っているということでございますので、この影響というのをまず見なければいけないというふうに思っております。
 それから、基礎的な農産物につきましては特にそうですけれども、二〇〇八年に非常に食料価格の高騰というのがございました。それから一旦落ち着きは見せておりますけれども、基本的に二〇〇〇年代の前半に比べますと、押しなべて基礎的な食料品の国際価格は上がっているという状況でございます。ですので、同じ量を買っても、それは金額ベースでいきますと高く付いてしまうということも考慮しなければいけないというふうに考えてございます。
 我々もいろいろ、どう評価するかというのは難しいんですが、輸入額につきましては、まず十四のEPAにつきまして、直近五年間、二〇一〇年と二〇一四年を比べて、それぞれの国のシェアが増えたか減ったかというのを調べてみました。増えた国が七か国・地域、それから減った国も七か国・地域ということでございまして、増えたところだけを見ればそれはやっぱり増えたんじゃないかというような考えもあろうかと思いますけれども、同時に、同じ数の国だけその国のシェアが減っているということで、いろいろな状況が関係しているのではないかというふうに考えております。
 それからあと、輸入量につきましても、これも国によりいろいろでございまして、先生の御指摘のとおり、増えている国もございますけれども、例えば豚肉についていいますと、これまでメキシコ、チリ、ペルー、豪州との間で一定の関税割当てを設定してございますけれども、メキシコからは増えておりますが、チリ、豪州は、同じ仕組みを取っているにもかかわらず、輸入量は締結以降減少しております。それから、ペルーのように動物検疫の問題がありまして関税設定をしても変わらないという国もあります。
 そういうような問題も関係するのではないかというふうに思っておりまして、我々といたしましては、輸入量、輸入額共に、景気の動向、為替の変動、毎年の生産状況などいろいろな要因で変更するということで、一律に判断することはできないのではないかというふうに考えているところでございます。

○紙智子君 何回聞いても、EPAによってどういうふうに日本が影響を受けているのかなという、聞いても全然分からないわけですよね。やっぱり一般論的にやるんじゃなくて具体的に検証することが必要だと思うんですよ。
 過去締結した十四のEPAで輸入額も輸入量もこれは増えている、これ資料をもらったのを見ますとそういうふうになっていると。今度は、TPPの場合は関税削減ですから、関税削減の結果、日本の業者は安い牛肉や豚肉を調達しやすくなると。一方で、アメリカやオーストラリアの業者は輸出しやすくなると。それなのに生産量は維持される、食料自給率は維持されるというふうに言われても、これ全然理解できないんですね。
 関税の引下げが農林水産業の生産量や食料自給率にどう影響するのか、この今の説明だったら全然検証できないじゃありませんか。本当、検証しないでいいんですか。

○政府参考人(農林水産大臣官房総括審議官 大澤誠君) 先生、農水省からの資料で増えているということでございますので、数字を幾つかだけですけれどもお示ししたいと思いますけれども、例えば豚肉でいいますと、二〇〇五年に協定が発効したわけですが、そのときの輸入量は三万五千トン、現在は七万トン弱ということで確かに増えてございます。

○紙智子君 全体、一般的にじゃなくて、具体的に。さっき言ったじゃないですか。

○政府参考人(農林水産大臣官房総括審議官 大澤誠君) 具体的に申し上げているつもりなんですが、先ほどお話ししたチリにつきましては、協定発効時が二〇〇七年で四万六千トンですが、現在は二万二千トンということでございます。
 そういう形で、資料で数字で判断いたしましても一概には言えないというのが我々が考えているところでございます。

○紙智子君 一概には言えないということで、そのまま、全然影響分からないまま来ているということが問題だというふうに思うんですよ。
 それで、為替の動向の話もあるんだけど、為替の動向によっても輸入額、輸入量は変動するというわけですよね。影響試算の輸入価格の取り方なんですけれども、牛肉だったら二〇一三年度の輸入価格と、豚肉だったら二〇〇九年から二〇一三年の五中三ということで、この取り方が違うわけですよね。なぜこれ違う取り方なんですか。

○政府参考人(農林水産省生産局長 今城健晴君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、影響試算において、豚肉を含め基本的には平成二十五年度から過去数年間、基本的には五中三とかそういう数字を用いております。
 しかしながら、牛肉については特殊事情ございます。おっしゃるとおり、二十五年度の単年度価格というものを試算の前提にしておりますが、これは、輸入牛肉につきましては、平成二十五年二月にいわゆる米国からの輸入条件、これが二十月齢以下というものが三十月齢以下というふうに緩和されまして、その条件が変わっておることでございますので、二十四年以前の価格を将来の試算の前提に加えるのは不適当というふうに考えたところでございます。
 具体的には、米国産牛肉の平均価格が豪州産より一割から三割高いというようなこと、それから当然月齢緩和に伴って、豪州のシェアを多かったところを米国産に多くなるということで平均価格の取り方が当然変わってまいりますので、そういうことからも二十五年を取った方がより正確な前提になるというふうに考えたところでございます。

○紙智子君 よく分からないです。
 それで、二〇一〇年の円相場で、対米ドルでいうと八十七・七五円、二〇一三年は九十七・七一円、二〇一四年は百五・七九円。牛肉の国際価格というのは、二〇一〇年のときには四百四円、二〇一三年は五百八円、二〇一四年は六百三十三円ですよ。ですから、四百四円から六百三十三円ということは二百円の開きが、幅があるわけですよね。関税相当額も変わると。
 ほかは五中三などなんですけれども、牛肉の試算で使っている輸入価格というのは、これ二〇一三年ということになっているのは何でなんですかね。

○政府参考人(農林水産省生産局長 今城健晴君) 繰り返しになりますが、これから試算をするというときには、やはり具体的な輸入価格のどこのところを前提にして試算をするかということになるわけでございます。
 その際に、輸入価格というのは当然国と国との価格が違う等々によりまして状況が変わるわけでございまして、したがって、豪州産よりアメリカ産の方が、二十五年度から輸入条件が変わることによって当然米国産の方が豪州産よりも緩和されると、緩和されるというか、元のシェアに戻っているという状況が見て取れますので、それ以前の平均価格よりは二十五年度の価格が、状況がその後も続くわけでございますので、したがいまして、そこを前提に平均価格という方を試算する方が適当であるというふうに考えた次第でございます。

○紙智子君 やっぱりこの試算の取り方というか、いろいろみんな疑問を持っているわけですよ。業者は為替相場を見ながら調達先を変えるというふうに思いますので、一つの影響試算だけではなかなか納得できないというふうに思います。
 それで、本当はちょっとこの後食料自給率の話も併せて聞きたかったんですけど、時間になりました。やっぱり、今各県でも独自の試算なんかもやっていて、それをやっているというのは国がやった試算について納得できていないからだと思いますよ。
 そういう意味では、やっぱり試算も含めて、まだまだ国民の中では理解もできないし、こういう試算でもっていろいろ審議して決めるなんというのはならないということを最後に申し上げまして、質問を終わります。