<第190回国会 2016年3月16日 予算委員会>


東日本大震災5年/住まいの難民出すな/仮設住宅から恒久住宅へ/在宅被災者への支援

○平成2016年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成2016年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)
○平成2016年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 東日本大震災と福島原発事故から五年がたちました。改めまして、被災者の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、復興のために粘り強い努力をされている皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 今年二月に、参議院の復興・原子力特別委員会の委員派遣で、気仙沼市や南三陸町などを始めとする被災地に参りました。
 南三陸町の佐藤仁町長は、巨大地震の後、津波が来たので、十二メートルの屋上に避難したけれども、津波はその庁舎ものみ込んだ。非常階段の手すりに足が引っかかって流されなかった、九死に一生を得たと。犠牲になった多くの仲間たちのためにできることはこの町を復興させることだ、それが残された自分の使命だと言われました。
 今行うべき国の使命は何でしょうか。これまでの取組を検証し、課題を明らかにすることです。五年間を振り返ると、従来の枠組みでは解決できないことがたくさんあります。制度で被災者を縛るのではなくて、被災者に合わせて柔軟な運用と制度を変えていく、ここに国の使命があるのではないでしょうか。復興大臣、そして防災大臣、国土交通大臣の御認識をこの点についてお聞きいたします。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) まさに未曽有の大災害でございまして、もちろん制度というものはしっかりと進めなきゃなりませんけれども、これまでの五年間、弾力的に運用もしたというふうに思いますし、復興が進めば進んだで新たな課題も出てきておりますので、それに十分に対応していく。いずれにしても、一人残さずしっかりと復興の実感を持っていただける、そうしたようなことを進めていくべきだというように考えているところでございます。

○国務大臣(防災担当大臣 河野太郎君) 五年が震災からたちまして、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、いまだまだ避難生活の続いている方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 おっしゃられたように、これまでの五年間を振り返って、何ができたのか、また、どうした制度については改めるべきものがあるのかというところをしっかりやはり見ていかなければならないというふうに思っております。五年というのは一つの大きな区切りだと思いますので、ここのところはしっかり振り返っていきたいと思います。

○国務大臣(国土交通大臣 石井啓一君) 東日本大震災はこれまでに日本が経験したことのない未曽有の大災害であることから、その復旧復興に当たっても、これまでの従来の枠にとらわれない措置を講じてきております。
 国土交通省といたしましては、被災者に寄り添って、この四月から始まります復興・創生期間に当たっては、被災者の皆さんが実感できる復興、これを実現するために全力で取り組んでまいりたいと存じます。

○紙智子君 仮設住宅から自宅や災害公営住宅などに移り、日常的な暮らしが始まってこそ街も復興されると思います。
 そこで、現状についてお聞きします。
 現在の避難者の数、原発事故による自主避難者、応急仮設住宅等の入居状況、被災三県の恒久住宅の現状、そして完成戸数、進捗率について御説明をお願いします。

○政府参考人(復興庁統括官 吉田光市君) お答え申し上げます。
 まず、東日本大震災の避難者の数でございます。現在、約十七万人となってございます。また、福島県から県外へ避難されている方、約四万人ございます。また、いわゆる自主避難と言われている方が、福島県の調査によりますと一万八千人ほどおられると、こういった状況でございます。
 また、恒久住宅の整備状況でございます。二十八年一月末時点で、災害公営住宅、計画戸数二万九千九百九十七戸のうち一万四千四百六十六戸、計画戸数に対しまして四九%、高台移転、計画戸数二万三百三十八戸のうち六千五百三十四戸、計画戸数に対しまして三二%が完成しているところでございます。なお、来年春までに、災害公営住宅の八五%、高台移転の七割で工事が完了する見込みとなってございます。

○政府参考人(内閣府政策統括官 加藤久喜君) お答えいたします。
 お尋ねの応急仮設住宅の入居者数でございますけれども、本年二月一日現在、建設仮設住宅に五万八千人余、建設仮設住宅以外のいわゆるみなし仮設住宅に八万三千人余、その合計で十四万二千人余となってございます。

○紙智子君 進捗率はおっしゃいましたか。

○委員長(岸宏一君) ちょっともう一回。ちょっと聞こえなかったんですが。

○紙智子君 民間住宅用の宅地二万八千戸で、その進捗率。

○政府参考人(復興庁統括官 吉田光市君) 失礼いたしました。
 高台移転の関係だと思いますけれども、計画戸数二万三百三十八戸のうち現在六千五百三十四戸、三二%が完成しているということでございます。来春には七割で完成する見込みということでございます。

○紙智子君 今御報告がありましたように、五年たつわけですけれども、まだ多くの仮設住宅に入居されているわけです。
 そこで、災害公営住宅についてお聞きします。
 被災者から災害公営住宅に入居できないという悲痛な声を聞きました。私たちの新聞ですけれども、しんぶん赤旗で被災地を継続的に取材していますけれども、例えば石巻のある男性は、賃貸アパートが津波で大規模半壊になって大家さんが改修したものの、悪臭や畳が浮いているという状況で住める状況じゃなかったために一旦避難したと。しかし、現在でもアパートが解体されたわけじゃないので災害公営住宅には入れないというふうに言われたと。災害公営住宅になぜ入居できないのか。こういう実情について把握しているかどうか。
 石巻では、災害公営住宅を希望しながら様々な理由で入居資格がないとされた世帯が四百世帯以上あるというふうに言われているわけです。石巻で四百世帯ということですから、ほかの被災地も見れば、もっと膨らむんじゃないかというふうに思うんですけれども、この実態を調査すべきではないでしょうか。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 国は、災害公営住宅の入居資格として、災害により住宅を失った者と定めているところでございまして、しかしながら、自治体においては、例えば保証人を求めたり、あるいは市税滞納者をお断りしたりするということで、独自の要件を課しているところもございます。
 復興庁としては、自治体に対し、入居資格について弾力的に運用して、柔軟に対応していただけるよう働きかけているところでございます。いずれにしても、被災者の方々の避難生活が一日も早く解消されるよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。
 また、実態の数把握という話でございますけれども、これは数の問題ではなく、いずれにしても、最後のお一人まで避難生活が解消できるよう、被災者に寄り添ってしっかりと支援していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。

○紙智子君 数だけじゃなくて実態もということを言ったんですけれども、実際にそういう把握をされるということですか。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 先ほど申し上げましたけれども、自治体においてそういったような状況を把握をしていただくと、そしてまた、国としてはそういった被災者の方々がしっかりと対応していただけるように支援をしていくということかというふうに思います。

○紙智子君 市町村に把握してもらうということじゃなくて、国も把握しなきゃ駄目だというふうに思うんですよ。実態つかまないと、今被災者が求めている支援はできないというふうに思うんですね。
 災害公営住宅の入居対象として、滅失した住宅に居住していた者というふうになっているわけですよ。この滅失したというのはどういうことでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 滅失につきましては、住宅の損壊あるいは焼失、流失した部分の床面積がその住宅の延べ床面積の七〇%以上に達した程度のもの又は住宅の主要な構造要素の経済的被害が住宅全体に占める損害割合の五〇%以上に達したもの、これをまず全壊というふうに言っております。
 それから、それ以外の大規模半壊あるいは半壊に当たるものにつきましても、通常の修繕では居住することができないなどの理由によりまして解体することを余儀なくされたものは滅失というふうに捉えているところでございます。
 以上でございます。

○紙智子君 それじゃ、具体的にお聞きしますけれども、先ほど紹介しましたように、住んでいたアパートが解体されていないと。それで、災害公営住宅にそういう場合、入れるんでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 今お話しになりましたのは、災害公営住宅の入居資格につきましては、公営住宅法上、災害発生の日から三年間の間は、当該災害により住宅を失った者ということにされております。この者に当たるかどうかというお尋ねかというふうに思います。
 御指摘のケースにつきましては、大規模半壊いたしましたアパートの家主から退去を求められている、しかも自己都合によらず住宅を失うことになるということから、この住宅を失った者というふうになっておりますような災害公営住宅に入居することは基本的に可能だというふうに考えております。
 また、災害発生から三年が経過、既に現時点ではいたしておりますので、こうした三年が経過した時点におきましては、地方公共団体の判断により、一般の公営住宅と同様に、住宅に困窮する低額所得者に御入居いただくということは法律上可能ということになっているところでございます。
 以上でございます。

○紙智子君 もう一つ、宮城の県民センターも相談活動しているんですけれども、仙台市のある女性は、一部損壊判定だったので災害公営住宅の入居要件を満たさないというふうに言われたと。一部損壊判定だった被災者は、これは災害公営住宅に入れないのでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、三年間の間、住宅を失った者ということになっておりますので、先ほど申し上げました滅失に当たる場合に災害公営住宅に入居するということになっているところでございます。
 御指摘のケースは、現時点、先ほど申し上げましたように、災害発生から三年以上が経過をいたしておりますので、一般の公営住宅と同様に、地方公共団体の御判断によりまして、住宅に困窮する低額所得者、通常の公営住宅の要件に該当する場合には、法律上入居いただくことは可能であるというふうに考えております。

○紙智子君 可能であると言うんだけれども、自治体からは入れないと、満たさないと言われたということなんですよ。その場合、一体、被災者はどうしたらよろしいんでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 基本的には、事業主体でございます地方公共団体の御判断に尽きるということかと思います。恐らく、先ほど申し上げましたように、災害公営住宅は、被災によりまして滅失した住宅に居住をされていた方々に整備をされる住宅であるということに鑑みますと、まずはそうした方々の避難生活の解消を優先して地方公共団体が考えておられるということではないかというふうに推察するところでございます。
 以上でございます。

○紙智子君 災害公営住宅に入居できる対象者というのは、今もおっしゃいましたけれども、全壊、全流出、それから全焼又は半壊又は大規模半壊であって、解体を余儀なくされたものだというふうになっているわけですよね。この滅失した住宅というふうになっているために、住宅がなくなっていない人というのは対象から外れると。
 実際には、誰が見ても住めない状況なんだけれども、結局なくなっていないということで、戻ることを基本にしているために災害公営住宅に入れないんじゃありませんか。だから、実態から見るとこの基準を変えるべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、三年間の間に入る住宅を災害により失った者という要件、それから滅失という要件につきましては、法律上、公営住宅法上規定をされておりますので、法律の範囲で、書かれております範囲でどこまでそれを読めるかどうかという問題かと思います。実際にどこまで適用しているかというのは、先ほど申し上げました範囲の中で、個別に事業主体である公共団体が判断して対応しているものというふうに考えております。

○紙智子君 自治体が個別に判断しているんだろうというんだけれども、結局書いてあることが、法律上書かれているということですよね。
 それで、整備戸数を造るときにその滅失ということが入っているわけですけれども、造るときの基準ということが実質上入居の基準になってしまっているということがあるわけですよ。自治体の判断というのであれば、この滅失した住宅に居住していた者の次に実情に応じてという言葉を入れると自治体も非常にやりやすくなるんじゃないかと思うんですけれども、これ、ちょっと大臣に伺います。そういうふうに実情に合わせていくということが必要だと思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(国土交通大臣 石井啓一君) 災害公営住宅は、公営住宅法第八条の規定に基づきまして、地方公共団体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸するため整備するときに、補助率を通常の場合よりも引き上げて国が地方公共団体を支援するものであります。これは、災害で住宅を失い、自ら住宅を確保することが困難な者に対して、地方公共団体が災害公営住宅の整備を緊急に行うことを支援するためのものでありまして、補修により住宅が使用可能な一部損壊についてまで対象とするものではございません。
 なお、従来、滅失については全壊のみを対象としておりましたが、東日本大震災の被害に鑑みまして、大規模半壊又は半壊であっても解体を余儀なくされたものを追加したところでございます。

○紙智子君 追加をして広げたんだという話なんだけど、現に救われていない人がいるわけですよね。だから、やっぱりそこを現状に合わせて、実情に合わせて変えられるようにするべきじゃないかと。なぜ、それできないんですかね。

○国務大臣(国土交通大臣 石井啓一君) 先ほどから住宅局長御説明させていただいているとおり、災害発生から三年以上が経過した時点では、地方公共団体の判断により住宅に困窮する低額所得者に災害公営住宅に入居いただくことは、公営住宅法上は可能でございます。ただ、そうした場合でも、まずは、震災により滅失して避難されている方々の避難生活の解消を最優先で災害公営住宅の入居を進めることが適切と考えておりますけれども、その上でも、さらに、災害公営住宅の一部に空き室が生じている場合などには、地方公共団体の判断によりまして広く住宅に困窮する低額所得者に入居していただくことは可能でございます。

○紙智子君 繰り返しになっているんですけど、やっぱり柔軟に対応してもらうんであれば、やっぱり国が書いているところを若干変えると。それを是非やって、その縛りをなくすべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、仙台市ですけれども、当初の計画から大幅に建設計画減らしたということもあり、災害公営住宅が足りないと。民間賃貸住宅も活用するというふうになっているわけです。しかし、被災者は家賃が払えないという事態になっていると。こういう状況についてはつかんでいるでしょうか。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 被災者の災害公営住宅の入居資格の話でございますか。ではなくて……(発言する者あり)家賃補助の。ああ、分かりました。
 民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げまして住宅を失った被災者に災害公営住宅として提供することは制度的には可能でありまして、したがいまして、住宅を失った被災者が現在入居している民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げて災害公営住宅として提供することとなれば、当該被災者の家賃負担が軽減されるということになります。

○紙智子君 今の借り上げの公営住宅としてできるというのは、それはいいと思うんですよ。ただ、やっぱり広さとか耐久性とか、構造的な基準があると。それから、入居資格も限られているわけですよね。資格のない人は入れないと。
 仮設住宅の退去の期間が三月末、それから五月末、七月末ということでもう通知が行っているわけですよ。借り上げ災害公営住宅では間に合わないという人たちもいて、そういうときに民間に入るということになるんですけれども、このみなし仮設の居住者が、子供の学校のこともあるので、みなし仮設としてそのまま今入っている民間のところを災害公営住宅にしてほしいという要望も出ているんですけれども、このような場合、家賃補助をすべきではありませんか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 現在、民間賃貸住宅を地方公共団体が借り上げて住宅を失った被災者に災害公営住宅として提供することは制度的に可能であるということは、先ほども復興担当大臣の方からお答えがあったとおりでございます。
 その際の家賃の減額につきましては、住宅を失った被災者の方が現在入居をされておりますいわゆる民間賃貸住宅を事業主体でございます公共団体が借り上げて災害公営住宅として提供することになれば、公営住宅としての当然家賃減額の措置が適用されることになります。したがいまして、被災者の方の家賃の減額ということが普通の公営住宅並みには取られることが可能であるというふうに考えているところでございます。

○紙智子君 それは、今入っているところのみなしを借り上げというふうにできるということですか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 あくまで事業主体である公共団体が他の被災者とのバランス等の中で判断をされるべきことではございますが、制度的には可能でございます。

○紙智子君 可能ということでよろしいですね。
 それでは、仮設住宅から自宅や災害公営住宅にスムーズに移れない事情というのを今紹介してきたんですけれども、被災地、被災者にとって必要なのは、やっぱり制度で被災者を縛るということではなくて、被災者に合わせて制度の縛りを、もう五年たっているわけですから、なくしていくことだというふうに思います。
 仮設住宅は、応急的、一時的な住まいの構造ですから、床なども相当傷みが出ていますし、ある男性は、私たちブルーシートで野外生活をすることになるんだろうかと痛切な思いを語られているわけです。あるボランティア団体は、住まいの難民は一人も出さないと頑張っておられます。
 被災者を路頭に迷わせないと、そういう決意でこれからも被災者の実情に合うように対策を取るように強く要望したいと思いますけれども、復興大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 先ほども申し上げましたけれども、時間が経過します。心と体、被災者は大変な状況であります。また、復興が進めば新たな課題というのは出てきますので、それに応じた、まさに被災者に寄り添った支援をやっていくということが大切だというふうに考えております。

○紙智子君 次に、在宅被災者についてお聞きします。在宅被災者という定義はあるのでしょうか。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 自宅が被害を受けながら仮設住宅へ避難せず自宅での暮らしを続けてこられた方々の中に、現在も生活環境が十分に整わない方がおられるという指摘がありますが、被災地の状況あるいは被災者というものは様々でございまして、国として一律に定義付けたものはございません。

○紙智子君 災害救助法に基づく住宅応急修理制度というのがあるんですけれども、これについて説明お願いします。

○政府参考人(内閣府政策統括官 加藤久喜君) お答えいたします。
 お尋ねの応急修理制度でございますけれども、災害のため住家が半壊し、自らの資力では応急修理をすることができない者又は大規模な修理を行わなければ居住することが困難である程度に住家が半壊した者を対象とするものでございまして、居室、炊事場、便所等、日常生活に必要な最低限度の修理を行うことで引き続き元の住家で日常生活を営むことができるようにすると、そういうものでございます。

○紙智子君 この住宅応急修理制度を活用した被災者は仮設住宅に入ることできないんですよね。
 国土交通省にお聞きしますけれども、滅失でない住宅に住んでいる被災者でも災害公営住宅に入居できるでしょうか。

○政府参考人(国土交通省住宅局長 由木文彦君) お答え申し上げます。
 災害公営住宅に入居できるか否かの基準については先ほどお答えしたとおりでございますが、お話のございましたケースで、御自宅が引き続き居住可能な場合におきましては、公営住宅一般の要件といたしまして住宅に困窮している者という要件がございます。これに一般的に該当するとは言い難いことから、公営住宅一般に入居するのはなかなか難しい問題があるのではないかというふうに考えております。
 なお、今後、御自宅が居住困難な状況になった場合におきましては、先ほども申しました基準にのっとりまして、公共団体の判断によりまして、住宅に困窮する低額所得者に入居いただくための公営住宅に入居いただくことは可能になることはあり得るというふうに考えております。

○紙智子君 震災後、経験したこともない大変な混乱だったと。その中で、ある男性は住宅支援だと聞いて応急修理制度を使ったわけです。しかし、この制度を使ったら仮設住宅に入れなくなるということを知らなかったわけですね。修理代の三十七万円返すので災害公営住宅に入りたいというふうに言ったら、これも拒否されたという話があるんですね。
 是非、こういう在宅被災者の実態調査をすべきだと思います。これ最後に、大臣、よろしくお願いします。

○国務大臣(復興大臣 高木毅君) 在宅の被災者の把握につきましては、先ほど申し上げたとおり、被災地の状況、あるいはまた被災者の状況がそれぞれでございますので、国として一律に調査することは難しいと考えておりますが、しかしながら、在宅の被災者を含めた被災者の実態把握や意向調査については、被災者支援総合交付金により自治体を支援していくこととしているところでございます。

○紙智子君 自治体支援というだけじゃなくて、国として調べていただきたいということを最後に強く申し上げまして、質問を終わります。