<第186回国会 2014年4月21日 決算委員会>


JR北海道がコスト削減のために外注企業に丸投げしている実態を告発し、政府の責任を追及

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、JR北海道の問題について質問いたします。
 脱線事故や火災事故が相次いだ上にレールの検査データの改ざんなどの不正が相次いだJR北海道に対して、国土交通省は今年の一月に事業改善命令と監督命令の二つの命令を出しました。一日も早く安全優先の公共交通機関として再生してほしいというふうに思っているわけですけれども、同時に国の責任がやはり十分果たされていないというふうに思っております。
 そこで、今日は幾つかの問題について質問いたします。
   〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕
 二〇一一年の五月に七十九名が負傷しました石勝線の特急脱線炎上事故、これを受けて運輸安全委員会が勧告を出しました。踏面擦傷、ちょっと難しい字なんですけれども、踏面擦傷、剥離の長さの範囲が使用限度を超えているということで整備不良を指摘しました。JR北海道は、安全最優先の鉄道会社に生まれ変わるんだということで、安全基本計画、安全性の向上のためにも行動計画ということで作成しましたけれども、事故はその後続いたと。
 それで、昨年七月に発生しました車両事故はまだ調査中ということなんですけれども、九月のJR函館線の大沼駅構内の列車の脱線事故について運輸安全委員会が今年二月に報告書を出していますけれども、軌道変位、これについて整備が行われていなかった、過去三年間にわたり整備が行われていなかったと、またこの整備不良を指摘したわけです。
 石勝線の事故が教訓にされずになぜこの整備不良が続くのか、まず大臣の御認識を伺いたいと思います。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 事実関係について御説明申し上げます。
 石勝線の脱線事故については、委員御指摘のように、運輸安全委員会の勧告で、JR北海道に対しまして、車輪の踏面、レールに接する面でございますが、この状況を把握するために適切な検査時期及び検査手法を確立し、この車輪踏面の状態の管理を徹底しろと、こういったような勧告が出ております。
 これにつきましては、JR北海道は、例えば特急車両では七十二時間ごとに行うことになっております仕業検査というものがございますが、この仕業検査においても車輪踏面の状態を把握するための検査を行うことといたしました。もちろん、検査の結果、基準値を超えているような傷があったといったような場合につきましては、当然のことながら運用を止め、車輪を削ると、削正と言っておりますが、真円にするために削るといった作業を行うといったような対策を講じているところでございます。
 一方、昨年九月の函館線大沼駅での列車脱線事故については、委員御指摘のように、運輸安全委員会の経過報告が出ております。ポイントは、軌道に関する検査データを正確に記録し、管理し、それに基づいた整備を確実に実施すべきといったところにございます。
 これにつきましては、私ども、昨年九月十九日の大沼におきます脱線事故以降、三回の特別保安監査を実施いたしておりますが、その結果を一月二十四日に、鉄道事業法に基づく事業改善命令及びJR会社法に基づく監督命令という形で命令を出しております。その中に、記録を重視するルールの策定及びその徹底ということで、必要な措置を講ずるよう命じておるところでございます。いずれも整備ということでございますが、車輪の整備ということと、それから軌道の整備、それぞれやや異なった側面があろうかと思っております。
 一方、私どものこの一月二十四日の事業改善命令、監督命令というのは、これまで過去に指摘された問題を含め、JR北海道に対し安全な輸送の確保のために求められる総合的かつ抜本的な措置を確実に実施することを求めているというものでございまして、これをしっかり実行していくようにということを指導監督してまいりたいというふうに思っております。

○紙智子君 お聞きしたことが、個々別々のこれについてこうだということではなくて、なぜ整備不良という指摘が繰り返されているのかということをお聞きしたわけですよね。それで、この整備不良の問題というのは、レールや車両だけではないわけです。
 私、実は北海道で学習会やシンポジウムや鉄道関係者からの話を聞く機会がありまして、いろいろ訴えをお聞きしました。少し紹介したいと思うんですけれども、まず路線の現状なんですが、釧路に行ったときには、路線が草ぼうぼうだ、木の枝が路線にかぶっている、だけどなかなか処理されていないという話なんですね。それから、函館に行きますと、分割・民営化で他社に飛ばされた社員がまた退職して北海道に戻ってきて、路線の荒れを見てびっくりした、もう非常に荒れているということを言われました。それから、保線で働く方からは、排水溝が整備されていず泥で埋まるので、雨が降ると路線に水が出ると。枕木は、多くは今コンクリートに切り替えてきているんだけれども、中には一部ラワン材が使われていると言うんですね。ラワン材というのはすごく腐りやすくて、くぎを打っても抜けてしまうという話で、枕木が足りないから交換したいんだけれども、なかなか足りなくて交換できないという話なんです。なぜこういう状況になっているというふうに思われますか、局長。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 軌道の問題につきましては、今回の九月十九日の大沼の脱線事故以降、私どもの特別保安監査の一つの大きな問題意識を持って対応してきたところでございます。
 今回の私どもの改善命令の中にございますが、一つには、現場が、特に保線関係の現場ということでございますけれども、やるべきことをやっていなかったといった面があろうと思います。これには安全を確保するという、そういった意識が乏しいといったような面も一方ございますが、現場においてやるべきことが社内のルールで明確に決められていない、基準であるとかマニュアルであるとか幾つかのレベルのそういったような規程などがあるわけでございますが、そういったところできちんとまとめられていないといったような面もございました。
 例えば、委員御指摘の木の枕木については、老朽化いたしますと当然替えるという必要があるわけでございますが、その木の枕木につきましてどういったような、現在の状況についてどのように判定をするのか、そしてこういった場合には交換をするといったような、その辺りの社内のルールというのが明確でなかったというような問題がございます。ある意味では現場任せになっていたということでございます。こういったことを、今回の改善命令の中でも社内ルールを徹底をするようにということを命じているところでございます。
 一方、木の枕木が多いという問題がございます。これについては、例えば函館の大沼辺りに砂原線というところがございますが、これについては今年度中に全てPCというコンクリートの枕木に替えるということで、JR北海道、精力的に取り組んでいるところでございます。

○紙智子君 現場においてやられていなかったという、現場が悪かったという話になるんだけれども、私はやっぱりその原因についてどうだと思うかということをお聞きしているのであって、これははっきりしているんですよね。
 現場に行っていろいろ聞くと、やっぱりマスコミも指摘していますけれども、出てくることは資金不足だと、替えなきゃいけないことは百も承知だけど、そこにお金がないために替えられないんだということが出てくるわけですよ。
 それで、外注化についてもお聞きしたいと思うんですけれども、以前は直営で行っていた作業が、業務量が増えたときは外注企業、協力会社に仕事を出していたということなんですけれども、今は外注が主流になっているわけですよね。それで、改善命令のJR北海道が講ずるべき措置というのがありますが、その中に、業務の外注に係るメリット、デメリットを整理した上で外注の活用について検討するというふうにあります。コスト削減をするために外注化を進めているんじゃないんですかね。違いますか。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 三回にわたりますJR北海道に対します特別保安監査を通じて、現場の業務実施体制、特に軌道などの場合の業務実施体制というのがどのようになっているかということについて監査を行ったところでございます。その結果、特に軌道部門において工事施工能力が不足しているのではないかといったことが確認されております。いわゆる業務実施体制が不十分ではないかといったような問題でございます。
 このような背景の一因といたしまして、JR北海道においては、職員全体に占める四十代の割合というのが非常に低くなっております。こういったような、いびつないわゆる年齢構成ということが言われておりますけれども、このいびつな年齢構成のために世代間の技術の伝承というものがうまくいっていないといったような問題があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 このような問題のある業務実施体制を改善するための方策といたしましては、言うまでもなく、社内における技術習得のための教育体制というものをしっかり見直していくという必要があるわけでございますが、一方で、業務を外注をするということも有効な手段ではないかというふうに考えているところでございます。このため、今回の改善命令等につきましては、先ほど委員御指摘のように、外注をした場合にどのようなメリット、デメリットがあるかということを検討の上、必要な対策を講ずるようにということを命じたところでございます。

○紙智子君 今お聞きしたのは、やっぱりコスト削減のために今やもう外注が主流になっているんじゃないかというふうにお聞きしたんですけど、それに答えられていませんよね。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 現在のところ、いわゆる国鉄分割・民営化によってできましたJR北海道、四国、九州という三島会社の外注状況を見ますと、JR北海道の軌道部門における外注状況というのは他の二社と比べて決して高くないというふうに考えております。

○紙智子君 ちょっと質問したことに答えられていないんですけれども、要するに外注化がどんどん増えていると、最初は一部だったんだけれどもどんどん増えていると、それは結局コスト削減のためにこういう形になったんじゃないかということを聞いたんですよ。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 一つのやり方といたしまして、社内にない技術を、社内にないといいますか、技術伝承がうまくいっていないために現場においてその業務が的確に行うことができないといったような問題については、外部にそのような技術がある場合にはこれを活用するというのは一つのやり方だろうというふうに考えております。全てコストのためというよりは、社内の中に必要な技術がない場合の対応として外注ということも十分考えられるというふうに考えております。
   〔理事熊谷大君退席、委員長着席〕

○紙智子君 非常によく分からない答弁なんですね。
 それで、本当に技術を伝承しなきゃいけないということになったら、やっぱり直営でやるのが一番いいわけですよ。もちろん外部に委託するということも必要だけれども、それだってちゃんと伝承できているかどうかということは必要なわけですよね。
 それで、外注でどんなことが起こっているかということを紹介したいと思うんですけれども、保線の業務というのは、JR北海道が発注をしますと、今、札建工業と北海道軌道施設工業が請け負うと。それが更に孫請に出されるわけですね。どこに行っても出てくる話としては、例えば札建工業がピンはねをしているという話が出てくるわけですよ。例えば、レールは一本八万円が五万円前後になるとか、それからレール交換費用が一メートル五千円が二千五百円前後になるとか、それから枕木の交換費用が一本六千五百円が半分以下になる、砂利交換は一メートル四万三千円についても半分以下になると。孫請に出されているという話を聞いたわけですね、こういうふうに下げて。
 こういう実態については、私も聞いてびっくりしたんですけれども、御存じですか。つかんでいますか。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 外注に出した場合に、全て当該業務はまず一次的に外注をした当該企業において行われているというわけではないということについては承知をいたしております。一方、JR北海道が外注をする場合の単価などについてJR北海道に実は確認をしたことがございますが、それぞれの単価について、他のJRの三島会社二社と比べて特段高い価格を設定するということはないというふうに承知をいたしております。

○紙智子君 今私が紹介したようなことというのはつかんでいないわけですか、御存じないんですか。それもほかと同じような、大して違いはないということをおっしゃりたいんですか。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 外注を受注した企業からそれを実行するためにどのような体制で行うのかということにつきましては、発注をしたときの基本的な要件に合致しておけばそれは認められることでございます。したがって、それから更に孫請に出すということも実は否定はされておりませんので、したがって、そういったこと、実態があるということについては承知しておりますが、それぞれの具体的な孫請に出す単価等については承知をいたしておりません。

○紙智子君 要するに、細かくつかんでいないということですよね、国は。
 それで、コストを削減したために孫請で働く労働者がどんな状態で働いているかということを御存じかどうかというふうに思うんですけれども、線路の修理は、昼間というのは列車が通るので、危ないのでなかなかできないわけですよね。それで夜間になるわけです。労働時間は夜の十時から朝方の五時と七時間。その後、後片付けも含めると大体朝の十時近くになることもあるということなんです。それで、会社は夜間の手当を付けたくないということで、コスト削減ですから付けたくないということで、時間契約にその部分だけするという現状があるわけです。十二時間働いて一万二千円程度だということなんですよ。
 ちょっと大臣に伺うんですけれども、これが夜間、夜中の仕事ですけれども、夜中の仕事で重労働ですよね、全部取り替える作業ですから。この重労働で働く労働者の現状なんですけれども、人間として正常だというふうに思いますか。

○国務大臣(国土交通大臣 太田昭宏君)
 保線の作業が夜中に行われるということについては、私は実は、昭和四十年代から労働組合の全施労という全国施設労組、公明党は当時、黄害ということを、対応するということをやりまして、私は担当しました。いわゆるふん尿公害と。そして、夜働いているということについても私はよく分かっていて、今回のことについても、ただ現場が悪いんだとか、そうじゃなくて、零下二十度のところで夜中に働いている人ということの気持ちが分かって、しようがないじゃないかと、しようがないというのは、JR北海道は現場も現場だし経営者も経営者だというような話じゃないよと。零下二十度のところで働いている人の、夜中に、気持ちが分かった上で言うべきことは言うということでないと、ぬくぬくしたところで、東京であれこれ言うということはならないと、私はこのように言ってきました、また感じてきました。
 今も大変な寒さの中で、いよいよ雪が終わってということ、私は、その人たちがこうしてほしい、ああしてほしいということの要求が経営陣に伝わっていなくて、全体の経営ということの中での力の入れ方というんですが、特に安全、そして現場、現場の意見を本当に聞いて対応していかなくちゃいけないぞという最優先の予算というものの執行というのは大事だぞということを昨年から半年間にわたって私自身が言い続けてきたことでございます。

○紙智子君 今、大変重要な大臣の答弁があったと思います。外注の活用を検討するということがやるべきことの中に入っているんですけれども、検討するのであれば、やっぱり経営実態や雇用実態も含めてちゃんとつかんで検討すべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 人員が不足しているのに、この保線の整備が順調に進むかどうかということがあるわけです。JR北海道は、経営を維持するために経費を削減してきました。まずは人件費を削減するために社員の採用を抑制してきました。採用しても、優先されるのは運転手というふうになっていたそうですけれども、保線で社員の採用が進まないためにどんどん外注化が進んだと。一方、年齢構成もいびつになって、先ほど話がありましたけれども、技術の継承が困難になっていると。
 今度、国の対策の中で六百億円の設備投資資金の活用を前倒しするというふうにあるんですけれども、二点お聞きしたいと思うんです。これで本当に社員が増えるのかどうかということと、国土交通省は路線を整備し切る目標を持っているのかと、これについていかがでしょうか。簡潔にお願いします。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 この六百億円を使ってどのような安全な鉄道事業を実現するのかというのは、まず一義的にはJR北海道が考えるべき問題だろうと思っております。今、老朽化した施設が多いわけでございますので、先ほどお話をしたPC枕木化であるとか、あるいは老朽化したディーゼル機関車であるとか、そういったような施設整備が中心になって対応がなされるものだというふうに考えております。
 それから、一応私どもといたしましては、当面五年間ぐらいの間にこの現在の安全計画というものを見直す必要があるだろうというふうに考えておりまして、こういった中でしかるべき、これは必ずしも老朽化の問題のみならずいろいろな問題が含まれるわけでございますが、そういったようなことが検討されるだろうというふうに考えております。

○紙智子君 一義的にはJR北海道だという言い方をされるんですけれども、今質問したこととの関係でいうと、現場の労働者は人が増えるというふうに思っていないわけですよ。先ほども紹介しましたけれども、単価が安くて仕事をする人が実際にはいないと、募集するけれども応じる人が少なくなっているという話があるわけです。それから、現場工事をする外注企業も、今は新幹線の建設に取られているということも指摘をしておきたいと思います。
 車両の外注化なんですけれども、北海道の気温は冬場はマイナス三十度になるときもあるし、夏は逆に三十度を超えるときもあると。昭和五十六年までは北海道で試作車両の試運転をやって、安全を確認してから走らせたんだけれども、その後そういうことは余りやらなくなったということがありました。
 北海道新聞の一月二十四日付けで、日常的な車両整備も全て外部委託となって、この整備士も委託先の会社に出向するということが書かれております。JR北海道は日々の車輪の状況を見ているわけですけれども、車輪の取替え業務はしていない。JR北海道は直接はその作業はしていないわけです、見ているけれども。修理しても、修理済みの印鑑というのは押すけれども、検査はしていないわけです。この状態でどうなっているかというと、工場で修理を終えた車両が走らなかったという話もあるわけですよ。
 車両部門の外注化の企業もこれ監査すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(国土交通省鉄道局長 瀧口敬二君)
 私どもの監査は、安全に関わる外注先まで監査の対象とすることができるようになっております。現に私ども特別保安監査でも、あるいは今後の常設監査体制でも、そういったような監査をやっていこうというふうに考えているところでございます。

○紙智子君 私は、立ち入ってもっと国が掌握をして、丁寧にやる必要があるんだと思いますよ。誰が監督するのかというと、もちろんJR北海道がやるんだけれども、それを更に国が含めてやる必要があるし、やっぱり業者任せにしないということが本当の安全を確保する上では絶対必要だということを申し上げておきたいと思うんです。
 時間になりますのでちょっと飛ばしまして、国の責任の問題について最後申し上げたいと思うんですけれども、保線それから車両の外注化、各種規程の実態を紹介をしているわけですけれども、この改善命令、監督命令で国の責任がやはり掘り下げられていないと私は思うわけです。前任のJR北海道の小池代表取締役会長が今年年頭の挨拶の中で、現状を物語っているんですけれども、赤字を回避するためには合理化を推進し、新規の採用を極力抑制し、経費を圧縮せざるを得なかった、安全性を維持し向上させるための投資や修繕費用を十分確保し切れず、現在起きているいろんな問題を招くことになったのは否めないというふうに言っているわけです。
 合理化、効率化というのは常にこれ国が求めてきたものですよ。国の言うとおりにやってきたことが、今回の事態を招いたというふうに思うんですね。株主である国の責任をもっとやっぱり掘り下げる必要があるというふうに思うんですけれども、大臣にお聞きします、いかがでしょうか。

○国務大臣(国土交通大臣 太田昭宏君)
 安全を守るということについては国は責任を持つということだと思います。
 私は、新年冒頭の小池会長のお話はそのとおりだというふうに思います。なかなか、もう様々な、今日指摘されたようなことも含めて、外注の問題もあり、現場の技術力の問題もあり、人の問題もあり、賃金の問題もあり、会社全体の赤字体質という問題もあり、現場と経営陣との交流というものが本当にないという場合もあり、もっともっと私としては踏み込んで、話なんかを聞いている場合じゃないと、聞いたってしようがないんだ、自分で突然行ったり、様々なことをしてやらなくては駄目なんだということを言い続けて、相当厳しく私はJR北海道の幹部の皆さんにも申し上げて、半年間を経過して今日に至りました。
 国には、安全で、私はJR北海道がしっかりして初めて北海道が発展するというふうに思っておりますから、このJR北海道が安全と、安心して乗っていただいて、ポテンシャルを持っている北海道発展ということに大きく寄与するというところまでしっかり目を届かせていきたいというふうに思っているところです。

○紙智子君 是非、大臣の答弁を国土交通省としてもしっかり踏まえて、この後の対応をやっていただきたいと思うんです。
 何かというと、JR北海道がという形で、国がやっぱり更にそれに含めて責任があるわけで、JR北海道はまさに国が進めてきた方向だったわけで、やっぱり国の責任を掘り下げなきゃいけないと。そうでなければ、また同じ問題が発生するかもしれないと思うわけです。
 JR北海道は、国鉄の分割・民営化の当初から、利益を見込める路線が少なくて経営は困難だと言われていたんですよ、分かっていたんですよ。既に分割・民営化から二十年以上たっていて、そのことを含めてしっかり検証すべきだということを強く求めて、何よりも、今大臣がおっしゃったように、一日も早く安全が最優先される公共交通機関ということで再生することができるように強く願って、私の質問といたします。
 ありがとうございました。