<第183回国会 2013年2月27日 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会>


水メジャーの進出に疑問! 湖沼での放射能の除染を!

参考人
独立行政法人国際協力機構地球環境部長  不破 雅実君
日本ポリグル株式会社代表取締役会長ポリグルソーシャルビジネス株式会社会長  小田 兼利君
公益財団法人ケア・インターナショナルジャパン常務理事・事務局長  武田 勝彦君

○紙智子君 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
 まず、小田参考人にお聞きしたいと思います。先ほどお話を伺っていて、非常に驚いたというか、すごく簡単に言ってみれば飲める水を造れるということですから、お金も掛からずにこういう形でできるということはすごいことで、利用できるんじゃないかなということを思いながら聞いたんですけれども。最初に配付されていた資料で、参考人の資料が配られているんですけれども、これを読ませていただきますと、きっかけは一九九五年の阪神・淡路大震災だったと。それで、非常に水が大事だということを認識されて始められたということなんですけれども、今回の東日本大震災でもやっぱり水というのがまず真っ先に大事だったわけで、そこに例えば公務の皆さんが届けるということも、命の水ということをやることもできたんだけれども、世界の中にはそういうことすらなかなか厳しい国もあるということで、取り組むことをめぐってはいろいろな工夫が要るんですけれども、ボランティアに任せるというだけでも駄目だと。ボランティアは大事なんだけれども、やっぱり自分たちで回せるように、自立ということが大事だという話もされていて、その辺は私も本当共感をするわけですよね。
 そこにやっぱりいかに役立つようにするかということが大事だというふうに思っていて、それでちょっとお聞きしたいのが、例えば水メジャーなどがやっぱり進出をして、例えば水道料金を高騰させるがために逆に貧困層の皆さんの反発を得るということがあるわけで、水を商品ととらえる問題についてどのように考えられるのかなと。水ビジネスという、今回のテーマにはなっているんですけれども、それについてのお考えをお聞きしたいと。同じ質問を不破さんにもお聞きしたいと思います。
○参考人(小田兼利君) いい質問をしていただきました。
 私は、ボランティアじゃ世界の課題というのは解決できないと思っています。なぜかなら、永続性がない。だって、水にしても、私がボランティアで、じゃ国から助成金をもらったりしてボランティアで一年やった、本当は今まで汚い水を飲んでいた人たちがおいしい水を分かり出した、次に供給できなかったらどうなります。結構それ多いんですよ、世界を回っていますと。セーブ・ザ・チルドレンなんかが災害地で水を供給していた、じゃ次の月からはもう引き揚げた、こういうことだったら、いっそのことやらぬ方がいいんじゃないかななんて思ったりします。
 そこで、私は日本の全てが高いと、日本の常識は海外では通用しないと言っていますけれども、日本で幾ら掛かるから幾らで売らないといけないというような考え方はやめなきゃ途上国ビジネスできません。幾らだったら買えるから、住民も納得するから、じゃ、そのためにはどういうふうにすべきかということをまず考えるべきであって、私はそのやり方しています。
 それで、今、月に二十リットルずつ毎日配達してやって、月に二ドル、USドル、これみんなもうほとんどが賛成してくれます。最初はただがいいとみんな言うんですよ、もらいつけていますから、もらい慣れているから。でも、みんな納得します。
 それで、本当は私のところはもうからぬのですよ、もう借金ばかり、安いから。でも、バングラデシュで起きていること、どういうことかというと、最初は十リットル、飲み水だけしか買いません、これまでただだったんだから。ところが、一月もしないうちに増えてきます。料理するのも使う、ついにはシャンプーまで使うようになる。もう本当にまさに水商売なんですよ。
 本当に、そういう意味で、これ大事なもので、私は自分の水がある面での安全保障なんかにつながるなんて最近は大それたことも言っているけれども、本当に私が行くところ大阪弁がはやっているんですよ。それで、どこへ行ったって、中国と日本のもめ事を仮に知ったら、理由も聞かず日本が正しいと言ってくれますよ、私が行っているところ。本当に、まさにこういうのは日本の中小企業の持つ誠実さ、こういうのは安全保障にもつながるなという気がします。
 だから、私の水技術だけでなくて、日本の中小企業なんてたくさんありますよ、役立つのが。是非是非そういうのを取り立てていただきたいですね。
○参考人(不破雅実君) 水に対する料金ですね、それの支払の意思みたいな話なんですが、ちょっと経済学の話ではなくて、やっぱり小さい規模で水を何とか確保してみんなで使っていこうというようなコミュニティーであれば、それに必要な維持管理にどれだけのお金が必要で、それをみんなでどうやってやりくりしなければ先に続いていかないかというのは見えやすいので、そうすると、それぞれのコミュニティーのメンバーの方々としてこのぐらいは払って協力しないとやっぱりいけないなという話に多分なっていくんだろうと思うんですが、規模が大きくなるにつれてそれが見えなくなってきて、そうすると、あたかもその水料金というものが一体何に使われるんだろうと、そういうようなことが納得感が得られなくて、結局は、今まで水はただだったんだからただというふうになってしまう傾向もあるのかもしれません。
 したがいまして、こういう問題につきましては、やはりいきなり施設をぼおんと投入して大きいものから始める前に準備することはいろいろあるのかなという感じをちょっと思いました。水道会社をつくって、そこが料金徴収に行く、メーターを付けるというものだけでは多分うまくいかない部分というのは恐らくあるんではないかと。それは、日本における経験でもかつてそうだったんじゃないのかなというふうに思います。
 多分、水道よりもよりその運営が難しいのがかんがいにおける水の料金だろうなというふうにちょっと思いますけれども、まずは水道料金に関しては、皆さんが納得して、このように使われていく、そのために維持管理費というものをこのように捻出する必要があるんだと、それを料金によって回収することが持続的には必要なんだということを皆さんに理解していただいてやっていくというのを起こしていくのが一番大事かなというふうに思いました。
 以上です。

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○紙智子君 ちょっと今のお話も聞いて、やっぱりすごい放射能を除去するというのは本当に切実ですよね。だから、そういうことでいうと、それで本当に、実験するということも含めて、いや、調査会としても政府に対して言ってもいいぐらいだなというふうにちょっとお話聞きながら思っていたということと、それから、私もあちこちで聞く話で、例えば湖沼、湖に結構濃い放射性物質ですか、あって、例えば日光の、あそこの中禅寺湖ですか、あそこもヒメマスとか観光のものがあるんだけれども、これがやっぱり影響を受けていて、それで、釣りはしていいけど持って帰っちゃ駄目と、また放すことというふうになっているとか、非常に影響があるということもあって、こういうことも含めて、何というかな、これも対応できるのかなということもいかがでしょうか。
○参考人(小田兼利君) 私のは、経済産業省でも実際、実験御覧に入れたんですが、原油流出とか、ああいうのにも対応できるんです。既にカナダでは一部使ってくれています。何度も言うように、日本だけが相手にしてくれないだけで、世界は結構注目してくれています。
 それで、今の湖沼の問題、下に沈んでいますよね。私の技術の特徴は、砂はそのまま残して、ヘドロですね、これだけ取る技術があるんですよ。それとか赤潮、これも除去できるんですよ。だから、そういうのも一度、もう小さい企業の技術というのは、それは金が掛かって、赤潮なんか私はやりましたよ。そうしたら、一日、小さい船でも十万円、船使ってやるのに掛かるんですよ。それは独自じゃできません。だから、私は、自分のところの技術というよりも、それはどこかにもう技術差し上げていいから、引き続きそういう開発やってほしいなと思っています。
 だから、今のおっしゃった、私は、まだ水技術といったら幼稚園と言ったでしょう。それに、自分たちの技術はもう唯一だと、こういう思い込んでいる愚かさがあるということです。上には上があるんです。私のもいつかは抜かれる。だから、是非こういうのを真剣に取り上げていただければと思います。