<第179回国会 2011年12月8日 農水委員会>


TPP協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する決議案への反対意見表明

○紙智子君 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する決議案に反対の立場から意見を表明します。
 本決議案は、TPP交渉参加に向けた関係国との協議を行うことを認め、それを前提としていますが、我が党は、TPP交渉参加に向けた関係国との協議に反対するものです。関係国との協議自体、これはTPP交渉に参加するための必要な手続であり、この協議を行うことは交渉参加することと同じ意味を持っております。
 全国の農業関係者、林業・漁業関係者、北海道を始め全国の自治体、町村会、日本医師会を始めとする医療関係者は、TPP交渉に参加反対の断固とした決議を上げてきました。それは、被災地の復興にとって妨げとなることへの懸念、日本の食料と農業への破滅的打撃、食の安全、医療など、国民生活のあらゆる分野にわたって影響、地域経済社会の崩壊を招くおそれを抱いているからです。この国民の意思を尊重するならば、TPP交渉参加反対の決議をすべきものです。それをしないばかりか、本決議案にはTPP交渉参加反対が一言も触れられていません。
 さらに、関係国との協議は、国益を最大限に実現するためとしていますが、国益とは様々な取り方があり、通商を最大限にすることを国益とするならば、農業を犠牲にすることは国益に反しないことになります。このような決議案は何ら歯止めにすらなりません。
 さらに、決議案は、国内農林水産業の構造改革の努力を加速するとしていますが、これは農地を二十から三十ヘクタールに集約することを加速させるもので、全国の農業者の九六%を離農に追い込むものであり、とても容認できるものではありません。
 以上の点から、我が党は本決議案に反対をするものです。
 当委員会でTPP交渉参加反対の決議をこそ早急に決議されることを強く求め、意見表明とします。