○(水問題への取組の課題、在り方について)
○紙智子君 これまで参考人質疑などで伺った意見の中で、水道事業の海外展開について、維持管理に入っていってリターンがあるかといったらそんなにないという声とか、水ビジネスは大きくもうけるようなビジネスではないという発言もあったんですね。それで、政府の新成長戦略で位置付けているこの水道事業、水ビジネスの戦略は何なのかということで三点伺いますので、所管する分野の方で結構ですので、順次答えていただきたいと思います。
一つは、新成長戦略で、環境技術において日本が強みを持つインフラ整備をパッケージでアジア地域に展開・浸透させるというふうにあるわけですけれども、このパッケージを強調しているんですけれども、今のODAとどういうふうに違うのかということが一つ。
それからもう一つは、事業リスクを政策金融で支援する場合には、これは財源はどういうふうになるのかということですね。
それから三つ目は、官民パートナーシップということが強調されているんですけれども、自治体の水道局などの公益事業体の海外展開策を策定、推進する際の課題というか、どういった課題があるのかということで、三点それぞれお答えください。
○会長(藤原正司君) それぞれ担当する部門、一か所ずつお答えいただきますから、みんなが手を挙げる必要はありません。経済産業省。
○政府参考人(市川雅一君) 三つのうちのまず一点目のところでございますが……
○会長(藤原正司君) 一つだけでいい。
○政府参考人(市川雅一君) はい。
新成長戦略、パッケージというお話でございますけれども、これはいわゆる先ほど御説明いたしましたが、いろいろな技術を持っているそういう民間のメーカーと、あとオペレーション、事業運営のノウハウを持っている地方公共団体といったようなところがあるわけですけれども、つまりハードとそれからソフトのオペレーションというようなことのパッケージということで理解をしておりますので、そういうものをアジアに併せて展開していくということで、さっき申し上げたような官民の連携でやっていくというやり方ということでございます。
○紙智子君 ODAとどう違うんですか。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 実は、ODAと申しましてもいろんなパターンがございますけれども、一番典型的なODAと何が違うかということを御説明をいたしますと、ODAは基本的には相手に対してサービスを提供するわけですね。知識だとか、物もそうですけれども、物を通じたサービスを提供しているわけです。それに対してODAの場合には、基本的には掛かったコストを価格あるいは対価という格好でいただかないのがODAでございます。
海外ビジネスの展開の場合にはそこはやはり、何といいましょうか、投下コストをきちんと回収するような方法で皆さん事業を考えられると、ここが一番決定的に異なる部分ではないかと私は思います。
○政府参考人(篠田幸昌君) 実は私の方から手を挙げたんですけど、総務省さんのお答えが本来かと思うんですが、承知している範囲で申し上げるわけでございますけれども、要するに、本来されておられる地方公営企業さんが、地方公営企業さんの本来の仕事をおっぽり出してまで海外でやるということを進めているわけではもちろんございませんので、持っておられるノウハウでありますとか蓄積されたノウハウでありますとか経験でありますとか、そういうものを生かす道として海外にそういった点を供与することはできるんではないかということでございますので、本末転倒はよろしくないということだと思います。
○政府参考人(藤森祥弘君) 成長戦略との関係についてお答えをしたいと思います。
国土交通省といたしましては、上下水道一体、また上水道、下水道だけの運営管理を長期にわたって受託をすることによりまして、現地にSPCを、プロジェクトのための会社をつくるわけでございます。それにつきまして日本の企業が投資をする、また日本の政策金融で投資をしたお金が運営管理によって利益が出た場合に日本に配当として返ってくるというのが、一つの日本に入ってくる、外貨が入るという意味で成長戦略の一部を成すのかなと思っております。
また、運営管理をする段階でいろいろな資機材が出てまいります。ランニング、途中で消耗品が出てまいります。そういったものを日本から輸出ができるということができて、それによって日本の製品が海外に展開できる。また、日本の企業が開発した技術、海外で生産されたものにしても、そこで使うことによってロイヤルティー等が入ってくるという、直接、間接的な収入が日本に入ってくるという意味で経済成長に貢献するものだというふうに考えている次第でございます。
以上です。
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○会長(藤原正司君) 理事会でも確認いたしましたように、調査会報告の作成に当たって、それぞれの会派から、是非こういうものを載せてもらいたいと、こういう報告をしたいという御希望がございましたら聞かせていただいて、あと、どういうふうにまとめていくかは事務局と私と両筆頭にお任せ願いたいというふうに思いますので、フリーにお手を挙げて意見を表明していただければ結構かと思います。