第177回国会 2011年5月2日 農林水産委員会


○東日本大震災に対処するための土地改良法の特 例に関する法律案
○東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会の委員の選挙の臨時特例に関する法律案


○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 この度のこの土地改良法の特例に関する法律案については、土地改良に除塩事業を創設をして早期に営農を再開できるとするものということで、賛成できます。それから、海区漁業調整委員会及び農業委員会等の選挙の特例法についても、この大震災による甚大な被害の下で当然のことであり、これも賛成です。
 その上で、二、三、現地を調査をして寄せられている問題などで質問をしたいと思います。
 この間、宮城県の、私自身も名取市、それから亘理、それから山元町に調査に行きましたし、それから先日、当委員会で皆さんと一緒に東松島と女川にも行ったわけです。その中で、やっぱりいろんなことを考えさせられたんですけれども、本当に失うものが大きかったということもあり、被災地の避難所におられる皆さんはできるだけ早くやっぱり体を動かして仕事したいと。農地を作って野菜作っていた人は、早く野菜作りをどこかで農地が確保できればやりたいということですとか、先ほども話があったように、イチゴをとにかくまたすぐやりたいんだという声なんかも含めて、そういうやっぱり仕事の場を、本当に生活の糧となるということでつくっていかなきゃいけないんだろうと思うんです。
 それで、共通する話ではあるんですけれども、瓦れきの撤去と除塩の問題、やっぱり進まない理由のその一つに、そもそも海抜が低いのに更に下がってなかなか水が引いていかないということがあり、やっぱり急がれるということで、先ほども出ていたように排水機場の修繕という問題がありました。それで、私行った名取市の閖上のところを見たんですけれども、近場に四機あるんですけれども、全部駄目になっているわけですよね。それで、低くなっているものですからやっぱり排水できなくて、まだ遺体も捜し出せていないという状況なわけです。
 そういう中で、少なくとも国直轄のかん排事業を直ちにやってほしいと。それも、間もなく梅雨入りに入るので、その前にやってほしいと。簡易のやつは今造っているんですけれども、下がっているものですから吸い上げる力がないわけですよね。だから、能力もアップしないといけないという話なんです。しかも梅雨入りと、それから台風の季節になってきて、更に大潮だとかと重なってきますと、せっかく土壌がちゃんとなってきてもまた同じようなことの繰り返しになりかねないということで、そこをやっぱり早くやってほしいというのがすごく強く出されていたんですけれども、完成する予定というか見通しといいますか、それをいつまでに、どういうふうにできるのかということについて伺います。

○国務大臣(鹿野道彦君) 何とか、一刻も早く、早急に除塩なり、あるいは排水対策等について総合的な取組が必要だと思っております。
 そういう意味で、まず災害応急ポンプの集中的投入ということで排水路の瓦れき除去を実施いたしております。加えて、お話のとおりに、現在梅雨どきの二次災害の防止に向けて、四機場十六台の排水ポンプのうち各機場一台ずつ、計四台について機能回復のための緊急応急工事を実施し、遅くとも六月中に工事を完了する予定でございます。残る十二台の排水ポンプにつきましても、今回の補正予算成立後速やかに応急復旧工事に着手し、地域の排水対策にできるだけの努力をしていきたいと思っております。

○紙智子君 能力アップということも言われているんですけれども、その辺も考慮されていますでしょうか。

○国務大臣(鹿野道彦君) そういうことで取り組んでいきたいと思います。

○紙智子君 それから、除塩作業を進めるためには上流で水を流すことができないということで、本当でいえば作付けできるのに、そこをあえてやらずに、その除塩作業を進めるために協力する地域があるんですね。
 これもちょっと地図をもらって見てきたんですけど、こちらが海なんですけど、この赤で囲ったところが津波をかぶって塩害のところなんですよ。この青いところでくくってあるのが、今耕作できる土地なんです。この黄色いところが、向こうではイエローゾーンと言っているんですけど、要するに水流さないために作らない、自主的に自粛している地域なんです。そうすると、ここは収入がなくなってしまう、何とかならないかという話が出ていたんですけど、これに対しての対応策、ないんでしょうか、やっていただきたいということなんですけれども。

○国務大臣(鹿野道彦君) 今、紙先生からの御指摘の点については、実際に見ていただいて御要請もいただいたことだと思います。
 そういう意味で、私どもとしては、お尋ねのこの地域に対してどのような支援ができるかということについては、現地の農家や関係者の意見というものを伺いながら、それを受けて対応を検討してまいりたいと思っております。

○紙智子君 私は、できたらこの対策の中で被災者農家の経営再開支援事業の中に、要するに農業者が地域で行う復旧とか取組、土を作ったりとか、そういった作業をする際に支援できると、十アール当たり三万五千円出るというのがあるというふうに聞いているんですけど、これに含めていただいたら随分助かるんじゃないかなというふうに思ったわけです。
 何かちょっと最初にお聞きしていたら、麦とか大豆作ればいいじゃないかと、麦とか大豆に切り替えたらいいんだという話あったんだけど、今まで水田を作ってきたところで、そう簡単にできるかどうかということはありますし、それで取れない場合とか、それから機械も違うわけですよね、水田と畑とは。ですから、そういったことも考えると、いや、麦、大豆作ればいいという話はちょっとどうかなというふうにも思いまして、できればこういう対象にしてもらうと助かるんじゃないのかなということを考えました。
 それは地元の皆さんの要望を聞いてということなので、是非ちょっとそのことを踏まえて検討していただきたいということです。ちょっともう一言お願いします。

○国務大臣(鹿野道彦君) 今、先生からの地元のお考えの方々のお話でございますけれども、なかなか困難な状況にあるものと思っております。しかしながら、私どもとすれば、まあお願いというようなことで他の作物を作っていただくようなことも是非御検討していただけないかなと、こんな思いもいたすわけでありますけれども、地域の方々ともまたお話を伺っていきたいと思っております。

○紙智子君 ちょっと時間がもうなくなるので、あともう一つ、これも先ほど山田先生がお話しになっていて、私もそこに行ってきて、それでイチゴのブランドをやっていて、本当においしくてもう一つ食べたくなるので「もういっこ」という名付けをして、そういう品種ということで頑張って作ってきたということで、やっぱりイチゴを作りたいというふうに言うんですよね、本当に若い人たちもいる中でもう一回やっぱりやりたいということで。
 先ほどのそのプロジェクトという話があって、それに含まれているかどうかというのはよく分からなかったんですけれども、要するに今すぐやるということになると、津波でもってもう土はがちんがちんになっていて、これを掘り起こしてまたやるかとなるとすごく大変だというのがあって、時間が掛かると。そういう中で、今すぐにやれるとすると、水耕栽培方式で高く立てて地面から離れたところでやっていく仕組みで、施設にお金は掛かるんだけど、これに支援をもらえると何人か協力し合いながらすぐやれるんじゃないか、そういうことできないかと、それに対する支援できないかということを要望を出されたんですけど、これについてはいかがでしょうか。

○国務大臣(鹿野道彦君) このイチゴ農家の被災に遭われた方々は、もう一度、一刻も早く作りたいと、先ほど山田委員からもお話がありましたとおりに、クリスマスまでに間に合わせたいと。こういうふうな強い思いというふうなものにどうこたえていくか、非常に農林水産省としても大事なことだと思っております。
 そういう意味で、今後、東北の農政局の関係部局による支援チームを設置いたしまして、営農再開に向けた指導、助言を行うとともに、水耕栽培、今先生からお話がありました水耕栽培施設の導入等につきまして、関係者と連携を取りながら支援を検討してまいりたいと思っております。

○委員長(主濱了君) 紙智子君、時間が迫っておりますので、簡潔におまとめ願います。

○紙智子君 ありがとうございます。はい、終わりました。
 ありがとうございます。