第177回国会 2011年3月22日 予算委員会


震災対策 個人補償を含め従来の枠にとらわれない対策を要求。「ご指摘の通り。認識は共有」と答弁

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 この度の東日本大震災で犠牲になられ、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表したいと思います。同時に、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 今回の大地震、そして津波、そして原発事故は、これまでで大変大きな未曽有の災害だというふうに思います。そういう中で、私ども、国民の皆さんと一緒になってこの苦難を乗り越えるということでは、本当に全力を挙げて頑張らなければいけないということでは共通の認識とするものであります。
 地震の翌日から私も福島そして仙台へと被災地に入りました。本当に目の前に広がる惨状に胸がふさがれる思いがいたしました。その現場で寄せられた声と、それから今もずっと被災地で一生懸命頑張って救済活動をやっておられるその現場から毎日のように声が上がってまいりますので、それらに基づいて質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、防災大臣に対して伺います。
 この大震災から十一日が過ぎました。被害は実情が明らかになるにつれて拡大をしております。第二次被害などこれ以上の災害をつくらないという確固とした決意で臨むと同時に、個人の補償についても従来の枠にとらわれないと、そういう対策が必要だと思いますけれども、まずこの点での政府の基本的な立場を伺います。

○副大臣(東祥三君) 紙委員にお答えさせていただきたいと思います。
 御指摘がありましたとおり、今回のこの災害というのは国内観測史上最も高い、ありとあらゆる点において高い数字を示している、ましてマグニチュード九というこの数字を聞いただけで跳び上がるほどの災害だった。それと同時に、地震だけではなくて、それに伴う大津波によって刻々と、御指摘ありましたとおり、死亡者の数、さらにまた傷つけられてしまった数、どんどん増えております。今朝発表した死亡者の数も、現時点においては更に増えているという、そういう現状でございます。
 さらに、それに加えて、御指摘ありましたとおり、同日、その津波による影響によって原発が起きてしまっていると。こういうことを前提に考えたときに、御指摘のとおり、今までとは想定できないそういう災害に対して国としてどういうふうに取り組んでいくのか、まずその認識は共有させていただきたいというふうに思います。
 政府においては、震災発生直後から、災害対策基本法第二十八条の二に基づいて、内閣総理大臣を本部長とする緊急災害対策本部を法制定以来初めて設置させていただきました。また、地方自治体としての機能を十分に発揮することが困難となっている岩手県、そして宮城県、福島県について、三月十四日、予備費の使用を閣議決定し、国が物資の調達、搬送にかかわる経費を全額国費で支援するというこれまでにない取組を行っているところでございます。
 現在は物資の輸送、補給、避難所生活の在り方等の被災者支援に重点を置いて取り組んでいるところでありますが、今後の被災地の復旧復興も含め、未曽有の災害であることを踏まえ、国の取り得る政策手段を最大限に活用しながら対応していく必要があると、このように認識いたしております。

○紙智子君 被災者の生活再建に対する公的支援について、南三陸町の町長さんが被災者生活支援の支援金の支援額を増額してほしいなどの要望をしておりますけれども、これなどは直ちにこたえるべきだと思いますが、これについていかがでしょうか。

○政府参考人(小滝晃君) 被災者生活再建支援法に基づく支援金は、住宅が全壊等の被害を受けるなど一定の要件に該当した場合に被災世帯に対しまして最大三百万円が支給される制度となっているところでございます。
 支援金額の見直しについて、今回の東北地方太平洋沖地震が前例のない大規模な災害で被害が大きいことなどの状況はあるものの、個々の被災者に着目した場合、新潟県中越沖地震や豪雨などの災害で被害を受けられた方々との公平論が課題になることなど、検討されるべき課題も多いものと思っております。
 被災者への支援につきましては、他の様々な支援制度との総合的なバランスにも配慮しつつ慎重に対応していく必要があるものと思料しているところでございます。

○紙智子君 従来の枠を超えてやはり対策をしていくということを考えるならば、要望されていることというのは枠の中の話であって、是非積極的にこたえていただきたいというふうに、調整をしながらこたえていただきたいというふうに思います。
 それから、東副大臣に伺います。
 第一回目の実務者会合で我が党の穀田国対委員長が、ガソリンや食料、それから水、物資ですね、必要としている全てのものを被災者に届けるのが国の責任なんだということを述べたわけですけれども、これに対して、政府として現場で必要なものが手に入るようにするのが目標なんだと述べられました。
 そういう立場でよろしいですね。改めて確認をいたします。

○副大臣(東祥三君) 基本的に同じことを言っているんだと思います。

○紙智子君 そこで、まずガソリンについてなんですけれども、これ、被災地に燃料や支援物資を届けるためにも、医療支援を行うためにも、肝心のガソリンがないということが共通して出されていて、今も届いていないという声が上がっているわけです。
 最初、現状について報告をいただきたいと思います、どこまで行っているのか。

○大臣政務官(中山義活君) 今御心配のとおり、大変、一昨日ぐらいまでは本当に悲鳴に近い声がありまして、私たちも個別に対応いたしておりました。でも、これでは駄目だと、もっと全体像を描いてしっかりやっていこうということで、日本海側から船で行く、太平洋側も塩竈が今度は開港できましたので、そこに船で持っていく。また、栃木の宇都宮の方に交通機関を使って、鉄道を使って持っていく。これで拠点にどんどん供給ができると同時に、元では二十五日間の石油備蓄の民間の取崩しを行いました。これによってある程度石油というものが確保されるということはできたわけです。
 しかし、最終的にガソリンを得るためにはサービスステーション、ガソリンスタンドに行ってもらわないと困るわけですね。タンクローリーから直接渡すことはできません。私たちは今、三百台を、このローリーを増加して何とか東北地方に送ろうということで、西の方からも今タンクローリーを増やしております。私たちは石連とも話もしました。会長にも、是非ここは本当に、被災者から聞いているのは本当に悲鳴のような声なんだ、何とかしてくれ、こういうことで、全体像を描いて大分供給が港にできるようになりました。
 あとは、タンクローリーからガソリンスタンドに行くという、末端に供給することに今全力を尽くしているところでございます。この一日ぐらい、何とか供給ができるというふうに私たちは思っております。

○紙智子君 今、タンクローリーも増やしてそういう全力を挙げているという話あったんですが、現場に届くことが大事なんですね。
 そうすると、例えば陸前高田市のようにガソリンスタンドそのものがもう破壊されてしまっていると。そこから先どうするのかということがやっぱり問われているんです。その点ではどうでしょうか。

○大臣政務官(中山義活君) 私たち、自衛隊の皆さんにもお願いをしたり、ただ、タンクローリーが直接行って、そこでパニックが起きて取り合いになったというふうな事例もありまして、そこは警察官にもお願いをしてそういうことのないようにやっておりますし、いろんな意味で、自衛隊の皆さんが一生懸命灯油とか重油に関しては、これ特に発電に使うものでございます、地域が大変寒いわけですから、それを補うためにも自衛隊員の皆さんにもきめ細かくお願いをしているところでございます。

○紙智子君 例えば、自治体なんかも機能が壊れてしまっているところもあるわけですよね。ですから、どういうふうなルートで最後まで行き着くかというところをやっぱり手のひらに乗せて、どこで滞っているのかということを手のひらに乗せて、そこをやっぱりつなげるということが必要だと思いますが、いかがですか。そこまでやっていらっしゃいますか。

○大臣政務官(中山義活君) 私たち経済産業省ですが、国土交通省の政務官が各地域に寄りまして小まめに報告をしていただいております。宮城の方も大分、今ガスの復旧まで手を着けたそうでございまして、日々いろいろ情報が入ってまいります。ですから、情報をできるだけ現場から聞いてくると。で、ないところには個別にそこは対応していくと。
 全体像としては、先ほど申し上げましたように、大分供給は大きくなってきていると思うんですね。ですから、あとは本当に今言ったような、先生御指摘のようなやっぱり個別の例をしっかり受けて、それをすぐに指示をするということが大事だと思います。一生懸命やります。

○紙智子君 阪神・淡路大震災のときは、やっぱり滞っているところをちゃんとはっきりさせてやるという、人まで配置してやったという話も聞いていますので、そういう手当ても含めてやっていただきたいと思います。
 次に、避難所の問題です。
 避難所におられる方で今問題になっていることは、十一日目になっているというんでストレスも非常に大きくなっていると。プライバシーについても守られていなくて限界になっています。それから、高齢者にとっては特に負担が大きいと。低体温で亡くなるという痛ましいことも起こりました。それから、乳幼児、子供たちも含めて、体力が落ちているところにインフルエンザが発生しているというのも心配です。
 こうした問題への短期的、長期的な対策をどうするのかということについて、防災担当大臣、それから厚生労働省、それぞれお答えください。

○政府参考人(小滝晃君) 緊急災害対策本部の下に被災者生活支援特別対策本部というものを立ち上げまして、避難所生活の在り方を含めまして、被災者の生活全般への支援により一層強力に取り組む体制を整えさせていただいたところでございます。
 避難所の生活につきましては、地震直後の水、食料の確保から、医療、温かい食事の提供、入浴、感染症の防止、御指摘のプライバシーの確保やストレスの軽減など、時期に応じて様々な課題が生じてくるものと認識しております。このため、的確な救援物資の供給でありますとか保健医療等の専門家などによる対応など、避難所に避難されている被災者の方々の生活をできる限り改善するよう、この被災者生活支援特別対策本部を中心にきめ細かな対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○紙智子君 もう一人ですね。

○国務大臣(細川律夫君) 避難所などでの医療などの問題でありますけれども、これにつきましては、私どもとしては、岩手、宮城、福島県から医師不足の状況などについてのいろいろな情報を求めたり、あるいは被災地の市町村に直接電話をするなどして情報収集に最大の努力をいたしております。そして、その情報に基づいて、私どもとしましてはいろんなところに医師団の派遣も要請をいたしておりまして、今、国立病院機構の医療班十六チーム、それから日本赤十字社三十八チーム、日本医師会四十三チームなど、そういう医療班の方々に支援をいただいているところでございます。
 また、避難所などでは、健康相談とかあるいは感染症の予防対策、こういうことも含めまして、全国の自治体に保健師などのチームを要請をいたしておりまして、今そのチーム、七十七チームが現場で働いておられます。
 あるいはまた、保健所では、インフルエンザがはやっているというような情報もありまして、それに対しては、新型インフルエンザの、あのときのタミフル、リレンザ、これを備蓄をしておりましたので、それを使用するということも認めまして、それらで対応するように指示もさせていただいているところでございます。

○紙智子君 もう一つ、障害者、特に精神的な障害を持っておられる方への配慮も必要で、この点についてきめ細かい対策を求められていると思いますけれども、これについてはどのように対応されているでしょうか。

○副大臣(大塚耕平君) 先生御指摘のような要請も各自治体から受けておりまして、これは各自治体の協力を得まして、精神科医、看護師等から構成される心のケアチームというものを派遣をさせていただいております。
 現在、各都道府県から三十チームの登録がありまして、現在宮城県で八チーム、仙台市で二チーム活動中ですが、今後避難生活が長引くにつれ、こういったニーズが増えてくると思いますので、しっかり対応させていただきたいと思います。

○紙智子君 それと、避難所を出て生活されている方も今いらっしゃいますし、元々自宅で生活している人もいるんですけれども、そこで問題になっているのは、ガスや水道などのライフラインが被害を受けていて復旧までは数か月掛かるということが一方であるわけです。
 そこで、これが回復しなければやっぱり日常生活が大変であると。特に高齢者や生活困窮者は水の配給や食料の買い出しもなかなか行けない、灯油も切れるということで、ここへの対策もどうするのかということが求められていると思います。
 経済産業省と厚生労働省、それぞれお願いします。

○副大臣(大塚耕平君) ライフラインのうち水道は厚生労働省の所管でございます。
 これは、復旧作業は今鋭意続けておりまして、現在断水戸数は、昨日の十三時現在の一番新しい数字で、十一県で少なくとも八十八万戸。しかし、これまでの間に既に復旧した戸数が百十九万戸でございますので、できるだけ早く復旧をさせるということでございますが、万が一復旧作業が長引くような場合には、給水車であったり、あるいはペットボトルをしっかりと確保して支給申し上げる等の代替策を講じてまいりたいと思っております。

○大臣政務官(中山義活君) 先ほど来から燃料のお話をさせていただいておりますが、水を運ぶにしても、又は寒いからどうしても発電をして暖かくしようとか、又はストーブにしても、全部燃料が鍵でございます。そういう意味では、ライフラインを絶対に切らないように我々は全力を今投入してやっている次第でございます。

○紙智子君 次に、原発事故とのかかわりについてお聞きします。
 福島を中心に県外に避難する人が急増しています。双葉郡八町村は役場の機能の一部を福島県内の他の自治体へ、それから他県に移転しているところもあります。南相馬市の住民は新潟県に避難をしています。
 こうした人々への対応について、国の人的あるいは財政的な支援がどうなっているのかということについて総務省にお聞きします。

○大臣政務官(逢坂誠二君) お答えいたします。
 ただいま、今回の震災に際しまして全国の自治体あるいは様々な団体からいろんな支援が広がっているということに対しまして、総務省の立場としても感謝申し上げたいと思います。
 その際に、人命救助ですとかあるいは避難者の保護を始め被災地への様々な支援について財政負担がいろいろ出ようかというふうに思っております。これらにつきましては、特別交付税で所要額を措置して財政運営に支障のないように対応してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、人的な面でございますけれども、私自身も自治体の首長の経験から判断しますと、こういう場合には役所の縦割りの組織の枠を超えて資源を震災対策に集中投下することが非常に大事だというふうに思っております。
 しかしながら、その際に必ずしも十分な人の手当てができないということ、あるいは、被災地においてはもとより人的にも相当失われているというようなこともありますので、人の応援をしていくということは非常にこれ大事なことだと思っております。
 そこで、その際に、自治体の首長としては、一体どこへどう相談をしたらいいんだなんということはこれ非常に大きな問題になるわけでございます。そこで、総務省では、震災の翌日、三月十二日に市町村行政機能サポート窓口というようなものを設置いたしまして、国の職員の派遣でありますとか、あるいは関係府省との調整でありますとか、さらにまた関係団体との連絡調整、こういうものを相談に乗っていこうということで機能をさせてございます。そういったことをやる中で人的なサポートもしてまいりたいと思っております。
 以上です。

○紙智子君 これは自治体任せにせず、国が本当に責任を持ってやっていっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、放射能被害についてなんですが、放射線のモニタリング、水道水の検査、それから被曝状況検査の体制を強化すること、モニタリングの箇所を大幅に増やして一元的に公開すべきだということで提案したことに対し、観測体制を強化するというふうに約束されているんですが、これについてはモニタリングの基準や方法がどういうふうになっているのかということと、それからどういう範囲で行っているのか、これについてお答えください。文科省よろしくお願いします。

○副大臣(笹木竜三君) お答えします。
 モニタリングについて文科省としてどういうことをやっているかということですが、いろんな手段を駆使して総合的な放射線モニタリングをやっておりますが、まずは全都道府県に設置されているモニタリングポスト、ここに委託をしまして空間の放射線量率を計測をしております。これは一時間ごとの計測値を一日に二回公開をしております。
 その次が車、モニタリングカーを用いた、福島第一原発から二十キロメートルよりも離れた、二十キロメートル以遠のモニタリングを実施をしています。これについても一日四回、一覧表と地図上でのこのポイントでどのぐらいの数値が出たか、分かりやすいようにそれも一日四回公開をしております。
 さらに、全都道府県に依頼をして、水道、上水道、蛇口水、それと大気中から地上への降下物、これを収集して沃素ですとかセシウムですとか、その他の核種の分析調査を実施をしています。新たに、更に空気中のダスト、あるいは地表面、土壌のサンプリング、特に放射線が高く測定された場所でサンプルを採取して核種分析を行う、これも予定です。
 いずれにしても、全てホームページで今言ったペースで公開をしております。

○紙智子君 もう一つ、牛乳や野菜や、これも既にお話出ているんですけれども、農産物への放射能の汚染についてです。
 現時点で放射能濃度を測るモニタリングの基準と調査箇所を示してください。

○副大臣(大塚耕平君) 十七日に厚生労働省として食品衛生法に基づいて放射性物質の基準を公表させていただきました。この食品衛生法上の規制は全国を対象に掛かっておりますので、基本的には全国の自治体がそれぞれ検体を検査していただくことになります。
 さりながら、現下の情勢は福島の原発事故に伴っての動きでございますので、御承知のように、福島県、茨城県等ではかなりの検体の検査が進んでおります。もっとも、それにとどまらず、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県など、昨日までで全体で百八十五検体の検査が行われております。これは食品についてでございます。
 今後、更に検体検査を広く行っていくということが現状でございますけれども、それをどのようなポイントでどのような検体数行うかということは更に詰めてまいらなければならないと思っております。
 水についても、同様に福島で基準値を超える値が観測されたことは御承知のとおりでございますが、原発の事故の被災地周辺からその外縁にかけて幾つかのポイントで今後検査をしていくことになると思います。

○紙智子君 これから増やすということなんですけれども、やっぱりモニタリングの箇所についてはもっと増やすべきだというふうに私たちも思います。
 放射性物質の分析を進めて、やっぱり基準を明確にして対応すべきだと。基準値を超えて出荷できないものが出ているわけですけれども、これは生産者には何の責任もないわけで、収入が得られなくなる農家に、これは事業者である東京電力が補償責任を果たすというのは当然だと思いますけれども、これについていかがでしょうか。文科省ですかね。

○副大臣(笹木竜三君) 今お尋ねがあった件ですが、この原子力発電所の事故により生ずる損害についてですが、農作物の出荷制限によるものに限らないわけですが、事故との相当因果関係が認められるものについては、原子力損害賠償法に基づいて適切な賠償を行うということになります。お話にもありましたが、一義的には東京電力がその賠償責任を負うことになるわけですが、それがしっかりと全うされるかどうか、政府としても連携とか協力をしていくということだと思います。
 いずれにしても、一番大事なのは被害者の補償が適切に受けられること、これが一番大事だと思っています。全力を尽くす、そういうつもりでおります。

○紙智子君 今のお話で確認しますけれども、速やかにやはりきちっと被害者の方に補償がされるためには、滞っている場合には国自身もそれを担保するということですね。

○副大臣(笹木竜三君) まだ詰めを始めるところなわけですが、そういうことも含めてしっかり全力を尽くすということです。

○紙智子君 福島県が県としても生産者の自粛を指示したんですよね。これによって、汚染されていない区域まで出荷できないというようなことがあって収入の道が断たれるというところもあるわけです。そういう農家への補償も必要だと。
 それと併せて、広い範囲で風評被害、これを防止するための対策をどうされるのかということについても一言お願いします。

○副大臣(大塚耕平君) まず、対象地域に実際に放射性物質が検出されなかった農作物を作っていらっしゃる方々も含まれるという点についてでございますが、これは食品の、特に農作物の原産地表示が都道府県単位でございますので、現在起きているこの状況を考えると、都道府県単位で自粛の指示を原子力災害特別措置法に基づいて総理大臣がさせていただかざるを得なかったという点は御理解をいただきたいと思います。
 その上で、風評被害の対策という観点から見ますと、やはりこの暫定規制値は大変保守的な基準値でありますので、これを超えることによって必ずしも健康に被害があるわけではない中で、安全の上にも安全な措置をとらせていただくこと自体が、消費者の皆さんの安全を確保すると同時に、産地の皆さんの風評被害を最小限に食い止めるための一つの方策だというふうに私どもは認識をいたしております。
 今回の措置は、原子力対策特別措置法に基づく本部長の内閣総理大臣の指示に基づく対応でございますので、厚生労働省のみならず、関係省庁同様の認識を持っているものと思っております。

○紙智子君 時間が参りましたので、本当に今回の大変な大きな事態でもありますので、そういう意味で枠を超えた対策もしていかなければならないという点で、引き続き我々も全力で頑張りますので、是非政府の方も頑張っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。