日本共産党参議院議員 紙智子
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高病原性鳥インフルエンザ対策に関する申入れ

2004年度畜産・酪農対策およびBSE、
高病原性鳥インフルエンザ対策に関する申入れ

 山口、大分両県につづく京都での高病原性鳥インフルエンザ発生は、感染の隠蔽にくわえ行政対応の不備により、感染鶏の大量出荷、感染拡大を許すことになり、最悪の事態をむかえている。アメリカでのBSE発生問題とあわせて、日本の食の安全と国民の健康確保のための取り組みの強化が必要となっている。同時に、畜産農家および外食、食肉加工、観光業界など、広範な関係者の経営に多大な影響をあたえ、改めて、輸入依存政策を続けてきた政府の責任が問われている。
 食料自給率の大幅引き上げは圧倒的国民の声であり、国内生産を拡大するための支援措置をとるとともに、計画的に自給率を引き上げ、国内需要に応じた供給体制を確立できるように畜産政策の転換が求められている。
とくに、高病原性鳥インフルエンザの発生により、多大な被害をうけた関係者に対し、損失補償をふくめた万全の対策をとることが緊急に求められている。2004年度畜産・酪農対策決定にあたり、以下申し入れる。

一、畜産・酪農対策の強化について
(1) 安定的な国内生産を維持するためには国境措置は不可欠である。WTO農業交渉、自由貿易協定(FTA)交渉にあたっては、国内生産に壊滅的打撃をあたえる関税引き下げ・撤廃は、拒否すべきである。
(2) 酪農・畜産物の国内生産を拡大するために、再生産が確保できるよう、加工原料乳補給金単価、肉用子牛保証基準価格を引上げること。
(3) 本年11月から家畜排泄物法の完全施行にあたり、ふん尿処理施設整備の必要なすべての農家に対応できるよう、二分の一補助付きリースの予算枠の拡大、助成率の引上げ等、農家負担軽減措置を大幅に拡充すること。家畜排泄物法による罰則の適用を延期すること。
(4) 新たな「酪農肉用牛近代化計画」にあたっては、競争力強化、規模拡大重視の政策を転換し、地域の実情にあった適正規模の飼養頭数で牛の生理を大切にする経営、低投入型、粗放的酪農の普及、育成、自給飼料拡大のための具体的支援策を示すこと。

二、BSE対策について
(1) アメリカでのBSE発生を踏まえ、アメリカ産牛肉について、全頭検査、特定危険部位の除去など、わが国と同等の安全対策が確立されるまで、輸入を再開しないこと。牛肉トレイサビリティーの対象に、輸入牛肉を加えること。
(2) 米国産牛肉の輸入停止によって打撃を受けた流通・外食関係中小企業に対する経営支援に万全を期すこと。
(3) 死亡牛検査については生産者に輸送費等の経費負担がかからないよう、国が全額助成すること。BSE発生農家経営再建支援事業や肉骨粉処理対策等のBSE関連対策を継続すること。

三、高病原性鳥インフルエンザ対策について
(1) 搬出・移動制限区域および移動自粛区域内の養鶏農家および食肉処理場等に対し、@鶏卵および鶏肉等の価値減少、A鶏卵等の保管経費、B廃棄経費、C鶏糞処理経費、D自衛殺および消毒等の防疫対策にようする経費について、国が完全な補てんを行うこと。
(2) 周辺農家が安心して防疫対策に協力できるよう、家畜伝染病予防法を改正し、移動・搬出制限にともなう生産者の損失にたいする補償を制度化すること。また、家畜所有者の通報を制度的に義務化すること。
(3) 高病原性鳥インフルエンザ発生にともない打撃をうけた、ホテル、旅館、飲食業、食品加工、小売店など中小業者に対し、実情に応じた経営支援をおこなうこと。
(4) 地方自治体が独自に行う高病原性鳥インフルエンザ対策に要する経費について、特別交付税によって財政措置を講じること。
(5) これまでの防疫対応をふまえ、都道府県が行うモニタリングの対象拡大、死亡鶏の検査の実施、家畜所有者の報告の強化など、有効な蔓延防止策を徹底するために、『高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアル』を見直すこと。
(6) 家畜保健衛生所の職員の増員や臨時対応もふくめ、体制を強化すること。病性鑑定等を行う検査機関の体制を強化すること。
(7) 養鶏農家が行う鶏舎への野鳥侵入防止対策に対し、助成をおこなうこと。

2004年3月11日

日本共産党国会議員団

農林水産大臣 亀井善之 殿
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