1 安全な牛肉のみを市場に流通させる万全の対策と体制を |
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消費者の信頼と安心を得られなければ、狂牛病問題は解決しない。そのためには、なによりも、流通している食肉、食肉製品、食肉関連商品が安全であることが確保されなければならない。疑わしきものは流通させない万全の対応をとること。 |
A |
全頭検査の際は、検査結果がでるまでは、と畜場に留置することを徹底し、その施行状況を厳重に点検し、公表すること。また、全頭検査の信頼性を担保するために、検査状況の点検を行うこと。 |
B |
消費者に対し、検査結果を含む情報の公開を正確かつ迅速に行うとともに、関係省庁に、狂牛病に関する相談窓口を設置すること。また、消費者に科学的な情報を積極的に公開し、風評被害を極力防止しなければならない。 |
C |
安全確保のための、と畜場設備の変更に必要な費用を支援すること。また、全頭検査の開始に伴い新たに必要となる、と体および危険部位を保管するための冷蔵施設などの増設にかかる費用を支援すること。さらに、と畜場での全頭検査を円滑に進めるために、検査員を大幅増員すること。 |
D |
狂牛病の感染経路となる肉骨粉の輸入の全面禁止、国内流通の停止は、当然の措置であるが、すでにある肉骨粉の管理に万全をつくして、二度と混入が起こらないようにすること。 |
E |
牛の個体識別システムを早急に導入し、牛の流通を透明化し、消費者の信頼を確保すること。 |
F |
消費者の不信は、政府に向けられている。事実の解明とともに、政府の責任を明確にし、体制を一新することが、消費者の信頼と安心を確保する上からも不可欠である。 |
2 政府の責任で万全な支援と被害補償を |
狂牛病問題は、政府が万全の対策をとっていれば、防止できた問題であり、その被害補償は政府の責任で行うべきである。EU(欧州連合)においても、牛の買い上げなどの被害補償を行い、その予算は三千三百億円にものぼっている。日本においても万全の対策をすべきである。 |
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(1)肉牛生産農家、酪農家への支援・補償 |
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【牛肉価格下落に対する対策】 |
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農畜産業振興事業団による牛肉買い上げをただちに行い、価格下落を防止すること。また、生産者団体の調整保管が行われるときは、政府の責任で資金的な援助を行うこと。 |
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A |
肉牛肥育経営安定制度について、緊急に加入する農家に対しては、生産者積立金相当額を政府が立て替え払いし、経営が安定するまで支払い猶予とすること。また、政府の基金拠出額を増額し、補填(ほてん)率をこれまでの八割から十割まで引き上げ、経営支援すること。また、支払いを四半期ごとから、一カ月ごとにすること。 |
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B |
初生牛の価格下落の対策のために、緊急に肉用子牛生産者補給金制度の対象とすること。 |
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【全頭検査による出荷抑制による被害補償】 |
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出荷抑制によって、畜産・酪農家の経営サイクルは大きな打撃を受けることとなる。畜産経営を維持させるために、政府として、二歳以上の牛一頭五万円の被害補償を行うこと。えさ代助成は、三十月齢未満の牛も対象とすること。 |
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A |
大家畜経営維持資金については、利子助成を行い無利子とすること。 |
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(2)卸売業者、販売店、飲食業者への支援・補償 |
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販売不振、出荷繰り延べなどで経営に影響を受けた卸売業者、販売店、飲食業者に対して、損失補償を行うとともに、現在行われている食肉処理販売等特別資金およびセーフティーネット貸付について、無利子とすること。 |
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A |
仮に「背割り」が中止となる場合、これまでのような枝肉流通から、と体ないし部分肉流通になる可能性がある。解体方法の変更に伴って肉の評価方法や商習慣も変更の可能性があることから、混乱を防ぐための万全の対策を講じること。 |
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(3)レンダリング業者への支援および、肉骨粉処理について |
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肉骨粉の使用全面禁止によって経営に打撃を受けるレンダリング業者に対し、国の責任において支援措置をとること。 |
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A |
都道府県の肉骨粉の焼却処理能力に差があり、国の責任で県間調整を行うこと。また、県間移送のための運送費用を含め、万全の対策をとること。 |