<第196回国会 2018年5月31日 農林水産委員会>


◇加計学園問題について、真摯に疑惑の解明をするよう求める/土地改良法の一部を改正する法律案について/熊本地震における農地・農業用施設の被害復旧に努力するよう農水相に求める

○土地改良法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 加計学園についてお聞きします。
 五月二十九日の質疑で、参議院予算委員会が要求をして愛媛県が提出した文書について質問をいたしました。二〇一五年の四月二日に柳瀬首相秘書官が愛媛県側に対して、官邸には内閣参事官として農水省と文科省から出向している者がいるので必要に応じて相談してはどうかといって、この参事官が状況は常に本省にも説明しているとありましたので、参事官は連絡を取り合っていたんじゃありませんかというふうに聞きました。そうしたら、池田消費・安全局長は、本人に確認したというふうに答えられたんですね。本人は、四月の面談前に柳瀬秘書官に、獣医師の需給状況について、手元にあった資料を基にして説明したと、これ以外の記憶は残っていないと、大変不思議な答弁をされました。なぜ手元にこの獣医師の資料があったのか不思議なんですけれども、四月の面談前というのはいつなんでしょうか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) その点につきまして、本人の方からは明確にいつかというようなことについての記憶はあるというふうには聞いてございません。

○紙智子君 四月の面談前というのは、四月当日なのか、それともその前なのか、いつ、どこで説明をしたのか。そして、そのときにはほかに誰かいたのか。これ、どうですか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 先ほどと同様でございますが、そういった点につきまして、ヒアリングの中では得られておらないところでございます。

○紙智子君 聞かれていないんですか、それとも本人は答えられなかったんですか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 先ほどの二つ合わせまして、具体的にはそういったことについての記憶はないということでございます。

○紙智子君 本当に都合のいいところだけ記憶がないと言うんだけれども、これ、問題がないという結論を出すための調査では意味がないんですよね。しかも、この獣医師の需給状況を説明したことだけは記憶に残っていて、ほかは記憶がないって、これ、信じなさいと言われても無理じゃないでしょうか。
 もう一つ、常に説明していたというふうにあります。常にというのはどういう意味なんでしょうか。これ、聞かれましたか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 常に本省にも説明をしているということにつきましては、これ愛媛県の文書にもあることでございまして、当人にヒアリングをした結果、四月二日につきましては、事前に秘書官の求めに応じまして需給状況等についてお話を申し上げたという記憶があるということでございます。

○紙智子君 常に説明していたということは、常にというのはどういうことですか、聞かれていますかと聞いたんです。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) ただいま申し上げましたように、この常にという部分につきましては、愛媛県側の文書でございますので私どもの方からコメントをするということはできませんが、ただ、この件につきまして、本省に連絡をしたということでありますれば、この件につきまして、事前に柳瀬秘書官の方から求めに応じまして需給状況等についてレクをしたということを記憶が残っているということでございます。

○紙智子君 愛媛県の文書にあったからということじゃなくて、愛媛県の文書にあるから、そういう本省に常にやっていたというのは本人に確認したんですか、していないんですか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) これ、この点につきましては前回の紙委員の質問のときにも御指摘をされていましたので、この点について、状況は常に本省にも説明しているという点について、実は改めて私の指示で当該職員に確認をいたしました。これはそのときのお話でありますが、面談に先立って、先ほどありましたけど、獣医師の需給状況などを柳瀬秘書官から聞かれたので、手元にあった資料を基礎に、農林水産省にも客観的な見方を問い合わせたことは記憶をしていると。それからまた、獣医学部の新設に関連して、面談の前後でこれ以外に農林水産省と連絡を取ったことはないと記憶しているというのがこの当事者へのヒアリングの結果でございましたので、そのまま報告させていただきます。

○紙智子君 ですから、ちょっとその記憶をはっきりしているところがあるんだけど、それ以外は記憶していないというのは、どう考えたってやっぱり不自然なんですよね。
 それで、やっぱり疑惑の解明、真相究明を求めているわけですから、ここはそれでよしとしないで、是非真相を、拒否しないで、深めてちゃんと追及してほしいんですよ。
 農林水産省は加計学園のこの獣医学部の新設をいつ知ったのかって前回もやりましたけれども聞いたら、二〇一五年の六月だというふうに言ったわけです。四月の時点で本省に常に説明しているということになると、これ農水省が知ったのは四月以前になるんじゃありませんか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 農林水産省といたしましては、平成二十九年一月十二日に開催されました第二回の今治市の分科会、ここで加計学園が提案者として応募しているということが紹介されました。したがって、事業者の候補と明確にその時点で認識をいたしました。
 ただ、今治市は平成十九年度から構造改革特区における獣医学部の設置を提案してきておりまして、その説明資料に加計学園が設置主体として記載されており、その旨公表されておりました。したがって、今お話ございました農林水産省としても、平成二十七年六月に今治市が国家戦略特区に提案を行った時点では説明資料に加計学園の記載はございませんでしたが、事業者としての可能性を想定し得る状況にあったものと考えております。
 同様に、今御指摘のありました平成二十七年四月でございますが、この時点でもそのことにつきましては認識できた、そういうような状況にあったものと考えております。

○紙智子君 要するに、この前は六月の時点だと言っていたんだけど、この文書新たに出てきて、そこでは本省に常に説明している、四月ですから。だから、四月の前から知っていないと本省に常に説明できないと思うんですよ。四月以前に認識していたということになるんじゃないかと聞いたんですけど。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) これは、四月十九日に委員から御質問がありまして、私もお答えしておりますが、そのときも四月の時点のことについてお尋ねがありまして、「当時でございますが、同学園が獣医師養成系大学の設置を考えているということは認識できたものと考えております。」とお答えをしております。これは、先ほど申し上げましたように、今治市が平成十九年度から構造改革特区における獣医学部設置の提案をしておりまして、その説明資料に加計学園が設置主体として記載をされてございまして、その旨公表されてございました。したがいまして、加計学園がこういった獣医学部設置の主体ということにつきまして想定し得るということを申し上げたところでございます。

○紙智子君 ということは、この前までは六月の時点で認識したと言っていたけれども、四月前からそうだったというふうに認識変わったということですか。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) これは四月十九日の段階でございますが、委員の御質問にお答えして、この四月の当時でございますが、同学園が獣医師養成系大学の設置を考えているということにつきましては認識できたものと考えておりますと申し上げてきたところでございます。

○紙智子君 つまり、四月二日のときに、その実際には来てやっている前から農水省は分かっていたということになるんですかね。そこをちょっと聞いたんです。そこを確認したい。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 平成十九年の段階から構造改革特区で獣医学部の提案をしてきてございますので、そういう意味から同学園が獣医系大学の設置を考えているということは四月の段階でも認識できたものと考えます。

○紙智子君 だから、四月二日前から分かっていたということなんじゃないですか。何でそういうふうにちゃんと、そうかどうかということを、前から。

○政府参考人(農林水産省消費・安全局長 池田一樹君) 農林水産省といたしまして、今治市が国家戦略特区に提案を行ったということが公になりましたのは平成二十七年六月でございますから、それ以前につきましては、国家戦略特区の提案を行ったということは知ってございません。
 したがいまして、国家戦略特区の事業者ということではなく、加計学園が獣医学部設置の意向を持っているということについての認識があったということでございます。

○紙智子君 同じ答弁繰り返さないでほしいんですよ。やっぱりここに至っては、農林水産省自身の説明責任が求められていると思うんですよ。大臣、この内閣府の出向者は本省の誰に説明していたのか、それが本省でその状況がなぜ共有されなかったのか、それを解明しないと、やっぱり農林水産省を挙げて疑惑を解明する立場を示さなければ、農政に対する信頼が揺らぐんじゃありませんか。

○国務大臣(農林水産大臣 齋藤健君) 先ほどの本省の説明しているという件につきましても、この文書が出たものですから、私の方から指示をして、その当該職員に確認をしたら、先ほども答弁申し上げたとおりで、面談の前後、ですから前においてもということだと思いますが、これ以外に農林水産省と連絡を取ったことはないと記憶をしているというのがきちんとヒアリングをしろと指示して出てきた彼の見解でありましたので、これにプラスすることもマイナスすることも私としてはここで御答弁できないということでございます。

○紙智子君 ですから、問題ありませんでしたという結果のために聞いてもらっているんじゃなくて、やっぱり真相をはっきりさせるためにとことんちゃんと聞いてほしいんですよ。しっかりと解明させてほしいんですよ。
 それで、加計学園の問題というのは、やっぱりこれ総理の腹心の友のために行政をゆがめたという疑いが持たれている問題ですよ。安倍政権になって以降、行政への信頼や農政への信頼が壊れつつあると。法案だけをどんどんと処理するんじゃなくて、やっぱりちゃんと真摯にこの疑惑の解明をなされるように、重ねて求めておきたいと思います。
 それで、土地改良法についてですけれども、土地改良区のこの組合員の高齢化や離農や農業経営の規模拡大が進む中で、一九九〇年度に八千百三十二あった土地改良区が二〇一六年には四千五百八十五に減少したと。組合員数も四百六十六万人から三百五十九万人に減少したということですよね。
 それから、土地改良区の事務体制、これはその半数において専任職員を置けない状況にあるという実態です。今後、施設の維持管理、更新に支障を来すおそれがあるということなんですね。
 それから、土地持ち非農家が組合員になっているために耕作者の意見が事業運営に適切に反映しにくいということも課題になっているというふうにお聞きをしているわけですね。今回の改正案は、そういう点では実情に合った改正案になっているんだろうというふうに思います。
 そこで、改正内容について幾つかお聞きするんですけれども、組合員の資格を交代するに当たって、この費用をどちらが負担するのかが課題だと。先ほど来質問も出されているんですけれども、改めて確認の意味で、法案概要では、組合員と准組合員の間での賦課金、夫役の一部を分割して負担するというふうになっているんですけれども、組合員と准組合員の調整をどのようになされるんでしょうか。

○政府参考人(農林水産省農村振興局長 荒川隆君) お答え申し上げます。
 准組合員制度につきましては、累次御答弁を申し上げさせていただいてきたとおり、任意の制度として入れさせていただくということを考えております。
 准組合員制度をその土地改良区において導入されるかどうか、それから導入された場合に准組合員として組合に加入されるかどうか、それから組合へ准組合員として加入されることとなった場合においても、正組合員との間で賦課金、夫役を分担するかどうか、これ、いずれも任意の、まさに当事者が判断をすることということになります。
 先生から御質問ございましたその賦課金、夫役の分担関係につきましては、特にその正組合員と准組合員の間で納得ずくでお話合いをしていただいて、合意が得られた場合には土地改良区に申し出ていただいて、その後に土地改良区から両正組合員と准組合員に債権が発生するといったような形になるところでございまして、基本的には両当事者間の合意によりまして決定されるということでございます。

○紙智子君 当事者間の合意が大事ということですから、是非不満が残らないように調整をしていただきたいと思います。
 それから、利水調整のルール化についてもお聞きします。
 農業経営の規模拡大に伴う農作業の長期化や気候変動が進む中で、米の作付け品種も多様化しています。埼玉県では、栽培技術が進化をして、コシヒカリもあれば、高温に強い品種を植えると。収穫時期が八月から十一月に広がっていますから、水の管理が大事だというふうにお聞きしました。
 水管理は収穫時期にも影響します。今回の改正でどういうメリットがあるのか、端的にお話しください。

○政府参考人(農林水産省農村振興局長 荒川隆君) お答え申し上げます。
 水の用水の配分につきましては、従来、先生からもお話ございましたが、均一的な農家の方々が同種の品種のものを作付けをするということで、水需要につきましては基本的に同じような、公平に分配をするということで足りていたわけでございます。しかしながら、今御指摘ございましたように、品種の多様化等で作期も拡大をしている中で、非常に組合員の方の水需要が多様化をしているという状況でございます。さらに、出作、入り作の進展もございまして、この地区に外から入ってこられた方につきまして、耕作者につきましては、従来ですと、そこでの所有者の方が正組合員のままですと、その方は土地改良区に対して、ここの土地改良区の水配分について何の意見も申し上げられないというような状況があるわけでございます。そういうことに鑑みまして、今般、准組合員として入っていただくことで、総会での意見の申出なりその利水調整規程を総会で決めることで、その場で水管理なりに透明化が図られるということを期待しております。

○紙智子君 総代会制度の見直しについても聞きたいんですけれども、今回の改正は総代会の設置要件などを見直すものですけれども、特に選挙管理委員会の廃止についてお聞きします。
 そもそも、総代会の選挙を選挙管理委員会による管理で行ったのはなぜで、それを廃止するのはなぜかということを端的にお願いします。

○政府参考人(農林水産省農村振興局長 荒川隆君) この法制定当時、昭和二十四年でございます。農地解放の直後ということもございまして、まさに民主的かつ公正な選挙ということが求められていた時代背景にあったんだと思っております。そういう中で、中立第三者機関である選挙管理委員会がきちんと管理の下で実施をするということで導入されたところでございます。
 しかしながら、その後、土地改良区の民主的な運営が定着をしておりまして、同種同様のこういった団体につきましても選挙管理委員会での選挙が行われている事例はだんだんだんだん少なくなってきておるところでございまして、先ほど来申しておりますような土地改良区側の費用の問題、それから手続の問題、いろいろございまして、今般、現場の御要請も踏まえてこういう改正提案をさせていただいたところでございます。

○紙智子君 あと一問、是非お聞きしたいんですけれども、二〇一六年四月の熊本地震から二年になります。熊本、当時を思い出すのは、のり面が崩れて水路が泥で埋まった中山間地の水田で、人の背丈以上に陥没した水田があったわけです。阿蘇市の土地改良区では、直後から自分たちでパイプラインを点検したり漏水箇所を探したら百五十か所ということで、電気が復旧して使えないポンプもありました。それから、大雨とかその後のいろんな自然災害もあって、農業の再建にそんな中でも苦労されているんですけれども、現在の農地災害復旧事業の現状、そして検査、査定件数、復旧完了済みの状況を説明をしていただきたいと思います。

○理事(舞立昇治君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。

○政府参考人(農林水産省農村振興局長 荒川隆君) はい。
 二十八年四月に発生しました熊本地震によりまして、農地、農業用施設につきましては合計七百二億円に上る甚大な被害が発生をしたところでございます。
 農林省といたしましては、この復旧に当たりまして、激甚災害の指定によります補助率のかさ上げですとか査定前着工制度の導入、それから被災市町村への農業土木技術者の派遣といったようなことを通じてしっかり支援をさせていただいてきたところでございます。
 本年四月末時点で、災害復旧事業の査定件数二千二百三十件のうち、九割に当たります二千五件で工事に着手済みであります。うち、九百四十三件では既に事業完了をしたところでございます。
 なお、残りのものにつきましても、大規模なため池が一件ございまして、これを除きますと、残りの全ての案件につきまして今年度内での災害復旧事業の完了を予定しておるところでございます。

○理事(舞立昇治君) 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にまとめてください。

○紙智子君 時間になりましたので、それで山間地がまだもうちょっとということなので、是非、鋭意御努力、大臣、最後一言だけお願いします。

○理事(舞立昇治君) 大臣、簡潔にお願いします。

○国務大臣(農林水大臣 齋藤健君) 発災時、副大臣として、(発言する者あり)発災時、副大臣として陣頭指揮執った人間として、最後の最後までしっかりやっていきたいと思います。(発言する者あり)