<第180回国会 2012年3月27日 沖縄北方特別委員会>


「TPPで沖縄のサトウキビは壊滅的になる」として担当相の認識ただす

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 沖縄の主要作物であるサトウキビの生産について質問します。
 昨年は、春先の低温と、それから五月から八月にかけての度重なる台風被害で、沖縄県のサトウキビの生産量は復帰後で最低となったということです。八十万トン以上が、通常で八十八万トンとかいうことで、もっと多いときもあったと思うんですけれども、二〇一一年産は三月一日現在で五十五万三千トンにとどまったと。それで、生産農家にとっては大変な打撃です。これ、連動して製糖工場なんかも稼働率が極めて低くなって、生産そのものが六割を割ったところが半分というようなことも言われているわけです。
 それで、肥料代金も高止まりしているということで、農業関係者は交付金五百円の引上げを要求しました。沖縄県も要求したわけです。ところが、トン当たりで一万六千三百二十円が一万六千円と、逆に三百二十円下げてそれを据置きということになっているわけです。生産者からは落胆の声が上がっているんですけれども、これなぜ引き上げられなかったんでしょうか。

○政府参考人(今城健晴君) お答え申し上げます。
 甘味資源作物交付金、これはサトウキビに交付されるものですが、この単価につきましては、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づきまして、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を基本として算定しております。
 昨年末にお決めしましたのは今年産、今年作付けを行います二十四年産の甘味資源作物交付金単価ということで、十二月に決定させていただいたところでございます。単価につきましては、一昨年、四年ぶりに改定をしたというところでございまして、二十四年産は生産者の経営の安定を図る等の観点を踏まえて据置きというふうにしました。
 しかしながら、今、紙委員おっしゃるとおり、二十三年産につきまして、非常に数々の影響があって不作が深刻だというような状況が当時もう見て取れましたので、今後の所得を回復させるというためにはその収穫量を一刻も早く回復させるということが肝要でございますので、その不作の主要な要因でございますメイ虫等の病害虫被害に対応するということで、二十四年度の予算、今御審議していただいております二十四年度予算にサトウキビの病害虫防除予算というものを、これを七億円盛り込んでおります。こういうことを含めまして、サトウキビの生産回復対策に緊急に取り組むということとしているところでございます。

○紙智子君 もちろん対策としてはないよりあった方がいいんですけれども、それでもまだまだ厳しいというのが現地の声なんですね。それで、生産農家は高齢化している上に甚大な被害を受けたということで、交付金の引上げも必要なんですけれども、今年一月に現地に行きまして、現地で大体平均の年収ってどれぐらいかといったら、百万ぐらいだという話でした。ですから、共済の対応ということも言われるんですけれども、この共済に加入者も、結局掛けられないものですから、大体本島で六割加入していないですよ、未加入ですよ。だから、打撃を受けたらそのままもろになっているということでは、本当にそこに対応した温かい施策が必要だと。
 それで、やっぱりかつてやられていたサトウキビ増産プロジェクトを是非またやってほしいという声も上がっているんですけれども、一言これを。

○政府参考人(今城健晴君) おっしゃるとおり、沖縄の今年の生産キビの窮状というものについては、私どもも現地に課長等の職員を派遣しましてつぶさに現地の声を聞かせていただいております。その中で、やはり委員おっしゃったとおり、非常に、共済の対象にもなっていない、そういう方々もいらっしゃるということでございます。
 特に今現地から要望が強い春植え用苗の確保ですとか、それから作付けの状況、それから今先ほども御答弁申し上げました病害虫防除に向けた今年の取組ということについてきめ細かく現場の声を聞きながら、なるべく二十四年産の、予算が成立しましたらすぐさまにその対応ができるよう、体制を取るよう、沖縄県等関係者とも連絡を取って対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

○紙智子君 次に、川端大臣にお聞きします。
 この沖縄におけるサトウキビの重要性について大臣の御認識はいかがでしょうか。

○国務大臣(川端達夫君) サトウキビは沖縄の全農家の八割が栽培しておられると。作付け延べ面積、農業全体の五割、農業産出額の約二割ということで、基幹中の基幹農業産物であることは間違いがないことだというふうに思います。
 また、この製糖業を始めとした周辺関連産業への波及効果も大変大きくて、特に沖縄の中でも、離島の振興において大きな役割を担っているというより、振興というよりも、離島で暮らしていける経済基盤の根幹をサトウキビが支えていると。したがいまして、サトウキビが大変厳しくなると離島に生活することが困難になるという状況を来す。これは、国土保全、いわゆる国の安全保障から見ましても、無人島をつくることになってはいけないという観点も含めて、大変重要ないろんな要素を持つのがサトウキビ農業であると認識をいたしております。

○紙智子君 この一月に私たち行ったときにも、改めて非常に印象に残ったのが製糖工場の社長さんの話で、サトウキビという作物は、これは優れた作物なんだと、すばらしいものなんだと。つまり、一〇〇%使えるという話ですよね。しかも、ずっと作り続けることで地力を維持することができると。いろんな肥料とか堆肥とか入れなくても地力を維持することができるんだと。搾って糖にする分はなるけれども、バガスということで、かすになったやつは今度エネルギーに転換することができると、捨てるところが何もないんだと。そういうすばらしいものをやっぱり続けていくということが経済にとってどれだけ大事かと。いろんな今おっしゃったようなことも併せてお話をされて、なるほどなというふうに思ったわけです。
 そういうときに、やっぱり主要作物というだけじゃなく、沖縄そのものにとっても大事だということなんですけれども、それが今TPPの問題では非常に大きな不安を与えているわけですね。このTPPが沖縄産業にとっても壊滅的な打撃を与えるということについては大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(川端達夫君) 内外価格差は多分三倍ぐらいあるというふうに思いますので、全く無条件にTPPで、サトウキビというか砂糖に関して何もしない、国境措置をしないということになればもう恐らく成り立たない産業になり得るという、大変このTPPの部分においての状況というのは厳しい局面を想定せざるを得ないというふうに思っております。

○紙智子君 当委員会でも参考人質疑のときに知事自身が、壊滅的な打撃を受けると、もしTPP参加となったら。
 そういう意味では、ほかに代替できないものとして、断固としてやっぱり守り抜くという立場で頑張っていただきたいと、主張していただきたいということを最後に申し上げまして、質問にしたいと思います。○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 沖縄の主要作物であるサトウキビの生産について質問します。
 昨年は、春先の低温と、それから五月から八月にかけての度重なる台風被害で、沖縄県のサトウキビの生産量は復帰後で最低となったということです。八十万トン以上が、通常で八十八万トンとかいうことで、もっと多いときもあったと思うんですけれども、二〇一一年産は三月一日現在で五十五万三千トンにとどまったと。それで、生産農家にとっては大変な打撃です。これ、連動して製糖工場なんかも稼働率が極めて低くなって、生産そのものが六割を割ったところが半分というようなことも言われているわけです。
 それで、肥料代金も高止まりしているということで、農業関係者は交付金五百円の引上げを要求しました。沖縄県も要求したわけです。ところが、トン当たりで一万六千三百二十円が一万六千円と、逆に三百二十円下げてそれを据置きということになっているわけです。生産者からは落胆の声が上がっているんですけれども、これなぜ引き上げられなかったんでしょうか。

○政府参考人(今城健晴君) お答え申し上げます。
 甘味資源作物交付金、これはサトウキビに交付されるものですが、この単価につきましては、砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づきまして、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を基本として算定しております。
 昨年末にお決めしましたのは今年産、今年作付けを行います二十四年産の甘味資源作物交付金単価ということで、十二月に決定させていただいたところでございます。単価につきましては、一昨年、四年ぶりに改定をしたというところでございまして、二十四年産は生産者の経営の安定を図る等の観点を踏まえて据置きというふうにしました。
 しかしながら、今、紙委員おっしゃるとおり、二十三年産につきまして、非常に数々の影響があって不作が深刻だというような状況が当時もう見て取れましたので、今後の所得を回復させるというためにはその収穫量を一刻も早く回復させるということが肝要でございますので、その不作の主要な要因でございますメイ虫等の病害虫被害に対応するということで、二十四年度の予算、今御審議していただいております二十四年度予算にサトウキビの病害虫防除予算というものを、これを七億円盛り込んでおります。こういうことを含めまして、サトウキビの生産回復対策に緊急に取り組むということとしているところでございます。

○紙智子君 もちろん対策としてはないよりあった方がいいんですけれども、それでもまだまだ厳しいというのが現地の声なんですね。それで、生産農家は高齢化している上に甚大な被害を受けたということで、交付金の引上げも必要なんですけれども、今年一月に現地に行きまして、現地で大体平均の年収ってどれぐらいかといったら、百万ぐらいだという話でした。ですから、共済の対応ということも言われるんですけれども、この共済に加入者も、結局掛けられないものですから、大体本島で六割加入していないですよ、未加入ですよ。だから、打撃を受けたらそのままもろになっているということでは、本当にそこに対応した温かい施策が必要だと。
 それで、やっぱりかつてやられていたサトウキビ増産プロジェクトを是非またやってほしいという声も上がっているんですけれども、一言これを。

○政府参考人(今城健晴君) おっしゃるとおり、沖縄の今年の生産キビの窮状というものについては、私どもも現地に課長等の職員を派遣しましてつぶさに現地の声を聞かせていただいております。その中で、やはり委員おっしゃったとおり、非常に、共済の対象にもなっていない、そういう方々もいらっしゃるということでございます。
 特に今現地から要望が強い春植え用苗の確保ですとか、それから作付けの状況、それから今先ほども御答弁申し上げました病害虫防除に向けた今年の取組ということについてきめ細かく現場の声を聞きながら、なるべく二十四年産の、予算が成立しましたらすぐさまにその対応ができるよう、体制を取るよう、沖縄県等関係者とも連絡を取って対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

○紙智子君 次に、川端大臣にお聞きします。
 この沖縄におけるサトウキビの重要性について大臣の御認識はいかがでしょうか。

○国務大臣(川端達夫君) サトウキビは沖縄の全農家の八割が栽培しておられると。作付け延べ面積、農業全体の五割、農業産出額の約二割ということで、基幹中の基幹農業産物であることは間違いがないことだというふうに思います。
 また、この製糖業を始めとした周辺関連産業への波及効果も大変大きくて、特に沖縄の中でも、離島の振興において大きな役割を担っているというより、振興というよりも、離島で暮らしていける経済基盤の根幹をサトウキビが支えていると。したがいまして、サトウキビが大変厳しくなると離島に生活することが困難になるという状況を来す。これは、国土保全、いわゆる国の安全保障から見ましても、無人島をつくることになってはいけないという観点も含めて、大変重要ないろんな要素を持つのがサトウキビ農業であると認識をいたしております。

○紙智子君 この一月に私たち行ったときにも、改めて非常に印象に残ったのが製糖工場の社長さんの話で、サトウキビという作物は、これは優れた作物なんだと、すばらしいものなんだと。つまり、一〇〇%使えるという話ですよね。しかも、ずっと作り続けることで地力を維持することができると。いろんな肥料とか堆肥とか入れなくても地力を維持することができるんだと。搾って糖にする分はなるけれども、バガスということで、かすになったやつは今度エネルギーに転換することができると、捨てるところが何もないんだと。そういうすばらしいものをやっぱり続けていくということが経済にとってどれだけ大事かと。いろんな今おっしゃったようなことも併せてお話をされて、なるほどなというふうに思ったわけです。
 そういうときに、やっぱり主要作物というだけじゃなく、沖縄そのものにとっても大事だということなんですけれども、それが今TPPの問題では非常に大きな不安を与えているわけですね。このTPPが沖縄産業にとっても壊滅的な打撃を与えるということについては大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(川端達夫君) 内外価格差は多分三倍ぐらいあるというふうに思いますので、全く無条件にTPPで、サトウキビというか砂糖に関して何もしない、国境措置をしないということになればもう恐らく成り立たない産業になり得るという、大変このTPPの部分においての状況というのは厳しい局面を想定せざるを得ないというふうに思っております。

○紙智子君 当委員会でも参考人質疑のときに知事自身が、壊滅的な打撃を受けると、もしTPP参加となったら。
 そういう意味では、ほかに代替できないものとして、断固としてやっぱり守り抜くという立場で頑張っていただきたいと、主張していただきたいということを最後に申し上げまして、質問にしたいと思います。