<第165回国会 2006年10月26日 農林水産委員会 第2号>


○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。十五分という時間、制限がありますので、前置きは省きまして早速質問に入らせていただきます。
 まず、災害についてなんですけれども、六月の六日から北海道、東北を襲いました低気圧の影響で各地で災害が、被害が相次いでいます。先ほどもお話がありました。水産被害も非常に深刻だということで、我が党も地元議員とも協力しながら現地の調査をしてまいりました。
 北海道は、漁連ですとか信漁連含めて水産団体が、激甚災害法に基づく支援対策、それから漁港や海岸施設の災害復旧事業の早期実施と、それから被災を受けた漁業者に対する特別支援、円滑な金利対策と漁場の資源回復の対策ということで、三本柱で十二項目の緊急要求をまとめて、国にも要求しています。現地の関係者からは、早く対策を取ってもらわなければ来年のやはり漁の計画も立たないということで、声が寄せられております。
 今日はちょっと時間短いので、次回詳しくはやりたいと思うんですけれども、是非地元の声をよく聞いていただいて、手厚い対策を取っていただきたいということをまずお願いをしておきたいと思います。答弁は要りません。
 今日は、大臣の政治姿勢について中心的に質問をしたいと思います。
 まず、問題になっています松岡大臣のパーティー券の購入の記載漏れの問題です。先ほども出されていましたけれども、WBEFと密接な関係にあります資産運用コンサルティング会社エフ・エー・シーですね、これが全国の約八千人から百三十億の出資金を集めたということで、福岡県警から出資法違反容疑ということで家宅捜査を受けているわけです。
 大臣、この家宅捜査を受けた企業の関連団体にパーティー券を購入してもらったということについて、先ほどのやり取り聞いていますと知らなかったということなんですけれども、パーティー主催の主催者は大臣なわけですから、そのことも含めてどのように責任を感じておられるのか、まず御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(松岡利勝君) これは誤解になってはいけませんので、きちんと御理解をいただくために事実関係をまず申し上げたいと思うんでありますが……

○紙智子君 短めにしてください。

○国務大臣(松岡利勝君) いや、御質問でありますから。
 まず、事実関係についてでありますが、私の励ます会といいますか、二十一世紀を語る、ちょっと正式には今持ってきていませんけど、このパーティーは、主催者はその語る会、励ます会でございまして、私が主催者ではございません。たしかそのような形であると思います。もし私の今、そういう質問があるということを具体的な詳細分かっておらなかったものですから、その今形、きちんとした中身は持ってきておりませんが、そうであったと思っております。
 それから、事実関係ですが、九月二十五日、午後、夕刻にこのことが私としてははっきりと認識ができた。それまでは全く寝耳に水で分からなかった。先ほど小川先生からもそれはおかしいんじゃないかと指摘をされましたが、しかし事実でございまして、事実以外のことは私も申しようがないものですから、そういうことでございます。
 それは何によって分かったかといいますと、あるマスコミの方から、何月何日郵便振り込みでこういうことの事実がありますことを確認していますよということがあって、それで、郵便振り込みというのはほかの銀行預金と違いまして……

○紙智子君 短めにお願いします。

○国務大臣(松岡利勝君) 銀行預金と違いまして、ぱっと通帳見たら分からない形で、一々振り込み通知書を一枚一枚確認しないと分からないものですから、それを言われて探し出して、一々確認をしてみましたらそれがあったと。そのとき初めて、ああ、こういうところからそういうことがあったんだという認識で、直接知らないものですから、まあ今までお付き合いがあったとか何らかの関係があったということであれば、それは当然相手のお名前とかも知っておったわけでありますが、全くないものですから、それは初めてそのとき分かった、これが事実関係でございます。
 そこで、五十人分お願いしたんだから……

○紙智子君 短めにお願いします。限られた時間です。簡潔にお願いします。

○国務大臣(松岡利勝君) ということで、五十人分のお願いということでございましたので、それを記入するときに先方に、お願いした方に、第三者の方ですが、WBEFの組織の方ではありません、第三者の方にお聞きしたら、まあ一人で二十万以上というのはないからいいんじゃないですかというふうな形で言われたことを、こちらとしては、まあ安易だったと言えば正に安易だったわけでありますが、そのまんま、じゃ、要らないものと思って記載をしなかった、これが事実関係でございました。
 それが、振り込みを見てみましたらWBEFという名前だったものですから、これはやっぱり一つの組織として一括して振り込んであるような形だなと。であれば、やっぱり本来どおり、これはきちっと届け出るべきだということで、もう二十六日の朝しかございませんので、速やかに、分かった時点で可及的速やかにということで二十六日の朝一番に届け出て訂正をして、法に基づいて訂正をしたと、これが事実関係でございます。

○紙智子君 答えはできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。
 それで、結果責任は、やはり励ます会にしても大臣がかかわっているわけですから、やっぱり何らかの結果責任というのはあるわけです。
 今回の問題に関連しまして、私、大臣の資金管理団体であります松岡利勝新世紀政経懇話会というのありますね、それから大臣が支部長になっています自由民主党熊本県第三選挙区支部、この政治資金収支報告書を見せていただきました。これ見てびっくりしたんですね。農水大臣が所管する公益法人等々からの献金が非常に多いんですね。
 具体的にお聞きしたいんですけれども、大臣は東京林業土木協会という社団法人から、二〇〇五年の八月三十日、去年ですね、あなたが支部長になっている政党支部が百万円の寄附を受けています。この団体とはどのような関係を持たれているんでしょうか。

○国務大臣(松岡利勝君) 御支援をいただく団体のうちの一つだと、そのように認識いたしております。

○紙智子君 この東京林業土木協会というのは、国有林の土木事業を行う一都六県の業者で構成していますよね。例えば、関東の森林管理局内の建設工事やる場合に、その競争入札の参加資格を申請するその書類の頒布先として指定されているところですよ。そうですね。言うなれば、農水省とは密接な関係にある団体なんです。
 そもそも公益法人ということでいいますと、一九九六年九月の閣議決定の中で、公益法人の設立許可及び指導監督基準というものをここで決定しています。その中で、「積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とするものでなければならず、」と、特定じゃなくて不特定多数ですよね、というふうになっていると。閣議決定の趣旨から見ても、この公益法人が寄附をするということは問題だと思います。ましてや農水省と密接な関係にある公益法人からの寄附というのは、これは大臣、辞退すべきではないでしょうか。

○国務大臣(松岡利勝君) 去年の八月、私は農林水産大臣ではございません。前から御縁があるというか、応援をいただくという形でそういう献金をいただいたものと思っておりますし、それと何か私どもは国会で制定をされました政治資金規正法に基づいて法律の範囲の中で、定められた中で適法、適正に行っておるわけでありますので、それ以上のお答えはいたしかねます。

○紙智子君 まあ適正にやっているという御認識だということですね。公正なやはり行政をつかさどる大臣としては今の答弁というのは私問題だというふうに思いますね。
 更にお聞きしたいんですけれども、大臣の収支報告書を見ますと、公益法人の役員、所在地が同じの政治連盟から多額の寄附を受けています。
 お配りした資料を見ていただきたいと思うんですが、まず一つ目に、民有林整備懇話会、この政治連盟から三年間で総額九百八十二万円。この政治団体というのは社団法人全国森林土木建設業協会の専務理事が代表者です。所在地も同じです。それから次に、林業経営者林政会、一年間で総額百六十二万円。この政治団体も社団法人日本林業経営者協会の理事が代表者で所在地も社団法人と同じ場所です。それから、全国木材産業政治連盟、三年間で総額六百十万円。社団法人全国木材組合連合会の会長が代表者で所在地も社団法人と同じです。それから、民有林振興会、三年間で総額五百四十万円。これは社団法人日本治山治水協会の専務理事が代表者で所在地も同じ場所です。それから、林土連懇話会、三年間で総額八百三十万円。この団体も社団法人日本林業土木連合協会の会長が代表者で場所も同じと。この五つの団体から三年間で総額三千百二十四万円の寄附を受けておられるわけです。
 これらの政治団体というのは、大臣が所管しますこの公益法人という、メダルでいえば、実態は同じ一つのものだけれども、裏と表の関係にあるというふうに思うんですが、これ問題あると思いませんか。

○国務大臣(松岡利勝君) 先ほども申し上げましたように、法律に定められた範囲の中で私どもは適法、適正にこれは行っていただいていると。逆に、なぜこの法律で定められた中でやっておるのが問題と言われるのか、その点について私は理解ができません。

○紙智子君 そこの大臣の御認識が私は非常にやっぱりおかしいと思うんですね。今までだって適正だって、法律には従っているというんですけれども、これまでも例えば日歯連の事件ですとかKSDの事件ですとか、結局公益法人が政治連盟をつくって言わばそれを隠れみのにして献金を行うということが大問題になったわけですよ。ですから、大臣が所管するこの公益法人に関連する団体からの献金なわけですよね。
 で、大臣は本当にこれ問題がないということで、全く反省がないということなんでしょうか。

○国務大臣(松岡利勝君) 今、日歯連とかいろいろおっしゃいましたけれども、それとこれとを何でここで混同されるのかよく分かりませんが、あくまでもやっぱり政治献金というのは政治資金規正法がきちんとあるわけでありますから、それに基づいてその範囲の中で行われるということであれば私は適法、適正なものと、このように判断していいと思っておりますし、またそのとおりだと思います。

○紙智子君 ちょっとやっぱり驚くべき認識なわけですよね。日歯連の問題にしてもKSDにしても、やっぱり実態は同じ一つのものであったわけですよ。ですから、本当にちょっとした意識がそこに働きますと、すぐにやっぱりそういう不法な関係というか結び付きが出てくるということがあるわけで、そういう意味では私はやはり今度、来年になりますか、森林・林業基本法がいろいろとその関連法案なども含めて、基本計画の改正や関連法案を含めて改正されるという時期にも入ってくるだけに、やはりこの公的な役に就かれておる農水大臣が指導監督する公益法人等々から献金を受けるというのは、これ少なくとも大臣の在任中は献金を辞退すべきだと思いますけれども、どうですか。

○国務大臣(松岡利勝君) それは適切に判断して対処したいと思います。

○紙智子君 適切な判断というのは、要するにやめるということも含めてということなんでしょうか。

○国務大臣(松岡利勝君) 読んで字のごとく適切に対処したいと思います。

○紙智子君 まあ、まだまだ実は、今回触れられなかったんですけれども、疑問が多々ありますので、この次についてまた引き続きこの問題をただしていきたいと思います。今日はこれで、ちょっと時間にもなりましたので、質問を終わります。