<第164回国会 2006年5月23日 外交防衛委員会 第19号>


○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 基本的には大臣にお答えいただきたいと思っています。
 まず、中央即応集団についてですけれども、この中央即応集団の司令部については、米軍再編の最終報告で二〇一二年までにキャンプ座間に移転するということが明記をされました。ところが、法案では今年度末までに部隊を立ち上げるというふうになっていて、防衛庁は司令部を朝霞に置く方向だというふうに聞いていますけれども、これ間違いありませんか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 司令部は朝霞に当面置きます。

○紙智子君 米軍再編でキャンプ座間にこの中央即応集団司令部をつくることが決まっていると、いながらそのまま朝霞に司令部をつくらせてほしいと、予定どおりに今年度末に部隊を立ち上げたいというのは、これ通用するんでしょうか。本当だったらですね、本当だったら朝霞の司令部の庁舎の建設は中止をして法案も出し直すというのが当然じゃないですか。いかがですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 中央即応集団というのは、もう委員も御承知のとおり様々な能力を持つ自衛隊の機能でありまして、テロだとか災害だとかあるいは国際協力活動とか、そういうことに、今我々が対応していることに即応していく、あるいは機動的にどう展開しているかということが直面している課題でございますので、これをできるだけ効率的につくっていくということで、朝霞にまず司令部機能を持たして全体的な統率を図っていきたいということでスタートさしていただいたわけでございます。

○紙智子君 司令部をしかし座間に移すというわけですよね。じゃ、座間に司令部を移した後、朝霞につくった司令部の庁舎というのはどうなるんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) 朝霞に司令部をつくった後については、後の庁舎についてはまたいろいろと自衛隊の機能をそこで活用させていただくように対応していきたいというふうに思っております。

○紙智子君 そういう予算の使い方というのは認められていいんでしょうか。七億五千万も掛けて朝霞に司令部をつくると、つくりたいということで予算を付けながら、結局この座間に移転するということになると、これは元々の目的外使用になるんじゃないですか。そもそもこのキャンプ座間に米軍と自衛隊の司令部を一緒に置くというのは、これ日米どちらから出された話なんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これはもう米軍再編に伴ってお互いの、日米間の情報共有とか運用とか訓練だとか様々の抑止力、能力向上のために協議している過程で、我が国も我が国の主体的な形で自衛隊の改革を行っているわけでありますから、我が国の考え方でこういう陸上自衛隊の中央即応集団司令部の新編を考えさせていただいたということでございます。

○紙智子君 我が国の主体的なというお話されるんですけれども、防衛庁は朝霞に置くということで予算要求したと。朝霞に置くということで予算要求しているけれども、同時に座間に置くことを考えたんですか。そんなことないと思うんですけれども。結局、アメリカから自衛隊も離れたところにいないで座間に持ってこいというふうに言われて、後になって配備先変えたということなんじゃないんですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) この問題については、仮に中央即応集団司令部がキャンプに移転した場合には、今後も東部方面総監が陸上自衛隊として、海上自衛隊とかあるいは航空自衛隊とか、これからは統合運用が非常に大事なことでございますので、そういう場所に利用するとか、様々な新しい自衛隊の活動に対応した形で考えてまいりたいというふうに思っております。

○紙智子君 おかしいですよね、当初言っていたことがそういうふうに変わって、予算も要求していたのに今度は移ることを前提にいろいろ考えてやりたいというような話なわけで。
 じゃ、中央即応集団司令部がキャンプ座間に移転する際に新たな施設を建設することになるんですか。どういう施設を造ることになるんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 中央即応集団は二〇一二年度までにキャンプ座間に移転することとしておりますけれども、その際はこの司令部用の庁舎が要るというふうに考えております。

○紙智子君 ちょっと、ちょっともう一回、はっきり、ちょっと聞き取れないので、はっきり答えてください。

○政府参考人(大古和雄君) 座間に移転する際にはこの集団の司令部用の庁舎が必要であると、必要になると。

○紙智子君 司令部用、庁舎ですか。

○政府参考人(大古和雄君) はい。庁舎が必要になると。

○紙智子君 それだけですか。

○政府参考人(大古和雄君) 基本的には庁舎ということになります。

○紙智子君 中央即応集団の司令部は今約二百人というように聞いているんですけれども、それだけの人員を収容できる自衛隊の施設がキャンプ座間にあるんですか。

○政府参考人(大古和雄君) キャンプ座間については米軍が今活用していますので、中央即応集団司令部が入れるような司令部用の庁舎が今あるわけではございません。

○紙智子君 いずれにしても、また新たに予算が必要になってくるんじゃないですか。
 じゃ、米軍の方はどうなのかということなんですけれども、米軍の方は第一軍団の移転に伴ってキャンプ座間に米軍のどういう施設が必要になるんですか。それは日米のどちらの負担で造ることになるんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 米軍が必要とする施設については、まだ細部は聞いておりませんけれども、新しい司令部用の庁舎だとか、それから特段に聞いていますのは相模総合補給廠に訓練センターその他の支援施設を設置するということで聞いております。この経費につきましては、先般発表したロードマップの中で、米軍の負担であるというふうに聞いております。

○紙智子君 米軍の負担というふうに今言われましたね。
 最終報告では、これらの案の実施における施設整備に要する建設費その他の費用は、明示されない限りは日本政府が負担するものであると述べていますよね。キャンプ座間の施設については、これ、今言われたこと以外のことというのはどういうふうになるんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 米軍の事情により施設が再配置される場合については、今までも米軍が負担するということで日米で話し合ってきた経緯がございます。それから、ただし、例えば先ほども言った中央即応集団の司令部が座間に行くというようなことになれば、既存の米軍の施設を移して敷地を確保してそこに新しい庁舎を建てることになりますので、そういう部分については日本側の負担になるということになります。

○紙智子君 ちょっと確認しますけれども、日本の自衛隊をそこに移した場合には、そこに新しく庁舎を造ると、それはどっちの負担なんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 元々あった米軍の施設を移す部分とそれから自衛隊の施設を造る部分、これについては両方とも日本側の負担になるということでございます。

○紙智子君 結局、両方とも日本の負担になるということですよね。
 様々なそういう変化というか、そのことに基づいて造らなきゃならないものというのは、またそうすると新たに日本の出費でもって、負担でもってやるということになるのはおかしいんじゃないですか。何か米軍が言われることに振り回されて、出す税金については、日本が負担すると、これおかしいんじゃないですか。

○国務大臣(額賀福志郎君) これは、先ほど言ったように我が国の戦略、戦術に基づいて、自衛隊の改革の中で中央即応集団というものをつくり、そして最終的に座間に移転をするということでございますから、これが日本の防衛、抑止力の維持、日米同盟関係の信頼関係、総合的に考えてこういう対応が必要であるというふうに考えたわけでございますので、我々は朝霞に造った庁舎についても、これをそのまま何も使用しないわけではないんで、不用の庁舎ではないんでありまして、しっかりと自衛隊の機能強化のために、あるいは統合運用を更に強化していくために活用していく等々のことを考えてまいりたいというふうに思っております。

○紙智子君 だんだんそうやって際限なく増やしていくわけですか。結局、書かれていないものについては、明示されていないものについては日本が負担すると。中身が具体的にどういうもの、どういうものが必要なのかということがはっきりされないで、しかし負担だけは日本側に出すということが決まっていて、ところがもう一方では、米軍の負担、米側の負担ということがはっきりしているものもあるわけですね。
 最終報告では、司令部の在日米軍、陸軍ですね、司令部の改編に伴って、戦闘指揮訓練センターその他の支援施設が米国の資金で相模総合補給廠内に建設されるというふうに述べていますよね。なぜこれらの施設というのは今度はこれ米側の負担ということになったんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 従来から、在日米軍の施設を建設するに当たって、米側の事情でその施設建設をする場合については米側が資金を負担をすると。それから、地元の負担の軽減なりで、日本政府の要請で米側が移設したりするような場合に、施設建設を伴うわけですけれども、その場合については日本側が負担するということでやってきた経緯がございます。今回も日米の話合いの中で今までのやり方で基本的に整理したということでございます。

○紙智子君 戦闘指揮訓練センターというのはどういう施設なんでしょうか。これ日本で造ろうと思ったら造れるものなんですか。

○政府参考人(大古和雄君) このセンターにつきましては、いろいろ戦闘をするのに当たっていわゆるシミュレーションをする施設でございまして、日本の技術で造れるようなものかというか、アメリカにしても高度な技術を使ってやっていますので、日本の技術で造れるかどうかについては必ずしも承知しておりません。

○紙智子君 米軍は、現在この同様の施設を日本国内にほかに持っているんでしょうか。あるいは、国外ではどこかに持っているんですか。

○政府参考人(大古和雄君) 国外ではハワイにあるのは承知しております。
 ただ、日本の国内につきましては、いわゆる陸上戦闘用のこの種のセンターについてはほかにないと聞いております。

○紙智子君 もう一度、国外ではどこですか。

○政府参考人(大古和雄君) ハワイにあると聞いております。

○紙智子君 ハワイ。
 米軍再編に伴うこの施設整備というのは、原則日本負担というふうにされながら、わざわざそうでないものが幾つかあると。どういう理由でそうなったのか、何を基準にしているのか、これはどうですか。

○政府参考人(大古和雄君) 先ほど御説明したように、日本側の事情で地元負担の軽減のために米軍に移設する要請をした、そういうふうなものにつきましては日本側の負担ということでなっているところでございます。

○紙智子君 要請していないものだって、はっきりしていないものは日本の負担になっちゃうんじゃないですか。

○政府参考人(大古和雄君) 従来からいわゆる提供施設整備ということで、毎年予算計上させていただいていますが、個々の事案ごとに安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係等々総合的に勘案して、今までも日本側が米軍施設について負担した経緯がございましたところでございます。

○紙智子君 ちょっと言われていることがよく分からないんですけれども、いろいろ聞きまして答え聞いていますけれども、結局日本としても主体的に判断したなんていうふうに言われるんですけれども、実際には米軍が言われるままに、最初は朝霞なんだと言っていたのに座間に移すことになったり、結局それめぐって右往左往しているという状況なんじゃないんでしょうか。
 私は、結局この日米同盟の再編と言うんだけれども、これは国際平和のための協力活動のためだというふうに言うんですけれども、結局は米軍の側の世界戦略に基づいてそれを補完するために進められていると、そのために国民の税金を投入するということは、これは絶対に許されないということを最後に申し上げまして、質問を終わります。