<第164回国会 2006年2月3日 農林水産委員会 第1号>


平成十八年二月三日(金曜日)
   午前九時三十分開会
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○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初にちょっと大臣にお願いをしておきたいんですけれども、答弁はできるだけ簡潔にお願いをいたします。
 最初に、事実関係について確認をしたいと思います。
 先ほどもお話しになっていました十一月十八日のBSEの質問主意書の答弁書で、輸入再開以前に現地調査が必要というふうになっていたわけですね。で、中川大臣は、それが農水省の当時の考え方だったんだと。で、後から状況が変わったというふうに説明をされています。
 しかし、十月三十一日の石原農水事務次官の記者会見で、このBSEの問題で記者から聞かれて、輸入再開の前に査察することもあり得るのかというのに対して、査察を再開前にやるということは、まあやっても意味がないと。で、担当者が前に行って査察の手順とか、そういうことは当然アメリカ側と協議しながら決めるけれども、あくまで査察というのは輸入が行われてからの問題ですというふうにはっきりおっしゃっているわけです。
 それで、私は、この次官のこの発言が当時の農水省の考え方だったんじゃないかというふうに思っていたわけですけれども、大臣の説明は違うわけですよね。で、本当はどちらが農水省の当時の考え方だったんでしょうか。

○国務大臣(中川昭一君) 十一月一日に、私は、前も後も含めて決めておりませんと言い、その次の日に石原次官もそういうふうに言っております。前の日の次官の発言と私の発言とどちらが最高責任者の発言かは、おのずから御判断いただけると思います。

○紙智子君 それは、後から言った方の発言になるんですか。

○国務大臣(中川昭一君) 前後の問題じゃなくて、大臣と次官とのどちらが最終責任者かということであります。

○紙智子君 まあしかし、本当にその直前の三十一日のときに、正式な記者会見として次官が述べていたと。で、私は、これは石原次官自身の個人的な発言ではなくて、やっぱり農水省を代表しての発言だったというふうに思うんですよ。
 で、それが、事前の審査はしないという考え方できたわけだけれども、しかし質問主意書が出されて、その答弁を準備する過程で、まあ厚生労働省も一緒に議論をしてきたと。で、その過程で変わったんじゃないんですか。で、石原次官の考えをまあ言ってみれば変えさせて、答弁書にわざわざ輸入再開以前に現地調査ということを書かせたということでいいますと、これ、やっぱりそれをやることができたのは、事務次官以上の実力者でなかったらできないということですから、そうするとやっぱり中川農水大臣がそのことを指示されたってことですよね。

○国務大臣(中川昭一君) 何を指示されたんですか。

○紙智子君 ですから、答弁書の中身ですよ。次官そのものは、今までは輸入再開前はあり得ないって言っていたわけですけれども、しかし、議論の結果、そこを変えさしたわけですから、それは大臣がそういうふうに判断をしてやったということで、責任を持ってやられたということですよね。

○国務大臣(中川昭一君) 私も、公式の場で農林水産大臣として発言を十一月一日にやっているわけでありますから、少なくとも十一月一日時点においては、あるいはそれ以降においてはどちらとも決めていないと。やれることは何でもやることが目的達成であるということになったわけでありますから、次官がそれ以前に何を言おうと、たまたま私が就任したのは十月三十一日でございますけれども、私の判断が農水省の判断であります。

○紙智子君 よく分かりました。農水大臣の責任においてこういう判断をしたということですよね。で、中川大臣の責任でわざわざ変えさして答弁書をそういうふうに書いたといって閣議決定もやったと。
 ところが、実際にはその中身についてはやらなかったというのは、これはやっぱり大きな責任だと、重大な責任だというふうに思いますけれども、いかがですか。

○国務大臣(中川昭一君) 政府統一見解で、あの閣議決定は、食の安全を万全を期すために輸入再開前にも現地視察をやる考えであるという考え方、認識について、厚生労働大臣並びに私の考え方を内閣として認めたわけでございまして、その後、その状況が変わったということでございまして、答弁書の趣旨に反していないと。そしてまた、我々も目的の達成のためにより効果的にやるためには、再開後にやった方がより分かりやすいという判断に変わったわけであります。

○紙智子君 先ほどもこのやり取り、昨日もありましたし先ほどもやり取りありましたけど、やっぱりその責任というのは免れないと思いますよ。まあ、いろいろ説明されるけれども、これはやっぱり国民が聞いても納得できない話だというふうに思いますよ。
 それで、この問題のやっぱり重要なかなめとなる査察に関してお聞きしたいというふうに思います。
 それで、今日資料をお配りしておりますけれども、ちょっとごらんいただきたいんですけれども、まずこの二〇〇五年の十二月十二日に日米合意した中身ですね。(資料提示)
 これ、米国から日本向けに輸出されている牛肉及び牛の内臓の家畜衛生条件ということで、消費・安全局長がこの動物検疫所長にあてた文書ですね。その中の、実は抜粋してあるんですけれども、十六項のところにある「日本政府による査察」っていうものです。
 それで、この文面を見ますと、「日本政府は、指定施設の代表的なサンプルを通じて米国農務省のシステムを評価し、」と、米国農務省の規制条件及びEVプログラムにより定められた条件のシステム査察の一部として、HACCP及びSSOPの記録原簿を査察することができるというふうになっているわけですけれども、結局、これは米国が指定するところだけを見てシステムを評価しなさいと、記録原簿、つまり台帳を見て判断しなさいということなんじゃないんですか。査察って言うんですけれども、査察の内容というのはこの程度のものなんですか。

○国務大臣(中川昭一君) 査察をすることができる、あるいはまた原簿をすることができる、この場合、査察というのは、この家畜衛生条件においては原簿を査察することができる、さらには十一月二十二日段階で現地を査察することもできる、どちらも日本の権利としてできるということであります。

○紙智子君 ちょっと聞いている趣旨、御理解いただきたいんですけれども、私が指摘していることは、要は米国の側が指定したところだけを見て評価しなさいと言われているんじゃないんですかっていうことですよ。それでいいのかということなんですよ。

○政府参考人(中川坦君) 米国政府が指定したっていうところでありますけれども、これは、先ほどから申し上げておりますが、アメリカ側から日本に牛肉を輸出できる施設というのは輸出プログラムの下でアメリカ政府が指定した施設に限られております。現在ではそれは三十八か所ということになっています。その指定したというのは、その三十八か所が対象ということですので、アメリカ政府が指定したといっても、それ以外の施設は日本向けにアメリカから輸出する資格のないところでありますから、査察をする対象としてはそのアメリカ政府が指定したということで十分だと思っております。

○政府参考人(中川坦君) オーディットの意味の前に少し申し上げたいことがございます。
 立入検査ということでありますけれども、このアメリカとの間で衛生条件として合意しております、それに基づきますこの査察でありますけれども、輸出プログラムで認証されました各施設について、まず、午前中も申し上げましたが、書類などの調査もいたしますけれども、書類が整っているかどうかという意味での査察もいたしますけれども、その肉を処理している実際の処理現場に立ち入りまして、それぞれの各工程を現実に行った専門官が査察をしております。そういうことで実際、全部点検をしている、査察をしていると。
 それから、そこでもって重大な違反があった場合には、それはアメリカ政府に通告をいたします。そうしますと、アメリカ政府が輸出プログラムの下で認定をしているこの認定が取り消されるわけでございます。
 そういう意味では、オーディット、あるいは表現はどうであれ効果として、不正があったり不適切なことがあれば、それが重大であれば指定が取り消されるという意味で、効果として何ら問題はないというふうに思っております。

○国務大臣(中川昭一君) 今の御質問の冒頭部分ですけれども、先ほどの私のあるいは中川局長の答弁を踏まえて、たったその指定された場所だけだったら危なくてしようがないじゃないかという御趣旨の御発言ございましたが、これが正に国民に誤解を与えるような御発言でございまして、アメリカの中に何百何千とある食肉処理施設の中で、きちっとした日本向けに基準を持ってクリアされた四十しかないものについてだけ日本にしか入ってくることができないわけでありますから、その四十について自由に日本が査察ができるんでありまして、ほかのところがどうなっていようと、それはそれとして、日本として入ってこないわけでありますから関係ないわけでありまして、四十についてきちっと査察をする権利が日本が持っているということで十分だというふうに考えます。

○紙智子君 私は、多くの国民の皆さんが不安に思っていることを代弁して言っているんですよ。それを、そういうふうな開き直りを言ってほしくないというふうに思いますよね。
 それで、今、そのオーディットの言葉はどうとしてというふうに言いましたけど、これがやっぱり肝心なことだと思いますよ。もしそうでないと言うんだったら、もっと言い方変えたらいいじゃないですか。オーディットという意味じゃなくて、そうじゃない査察というふうに変えたらいいじゃないですか。
 で、初めからアメリカのえらなところだけ見ていて、やっぱり安全を確認できるのかという問題が非常に重大な問題だと思いますよ。だって、子供だって分かると思いますよ。こっちの方は駄目です、こっちの方はいいですよと。そっちの方だけ見て安心できるのかという問題は、これはもう本当に簡単な問題だと思いますよ。
 やっぱり、そういうふうに事前に例えば査察に入るということが分かっていたときは、それは査察の効果ということにはならないでしょうし、立入検査ですとか、それからもっと日本の主体的な検査ということでやらなければ意味を成さないというふうに思います。
 二十か月齢以下の牛かどうかという話もそうだし、それから危険部位除去という輸入条件が守られているのかどうかということを判断する場合も、やっぱりこれアメリカ任せでは意味を成さないというふうに思うんですよ。こういうやり方が査察なのかと。
 そういう査察なんだということが事前に食品安全委員会に伝わっていたんでしょうか。報告してたんですか、どうですか。

○政府参考人(中川坦君) 平成十七年の五月二十四日に米国及びカナダからの輸入牛肉につきましてのリスク評価を食品安全委員会にお願いをいたしました。その際の諮問の資料の添付資料といたしまして、今アメリカについて申し上げました輸出プログラムの、まあその当時は案でございますけれども、案を添付いたしまして、きちっと一定の上乗せ措置、こういう上乗せ措置をした場合のリスク評価ということでお願いしてありますから、こういった措置というのは輸出プログラムでございます。
 その輸出プログラムの中身について十分食品安全委員会で御審議いただけるように必要な情報はあらかじめ提示をいたしておりますし、また審議の過程で食品安全委員会プリオン専門調査会の各委員の方々から要請のありました資料につきましては、アメリカ側にも伝達をし、要求されたもの、もちろん存在しないものも幾つかありましたけれども、最大限情報提供には努めたところでございます。

○紙智子君 そういうふうにおっしゃいますけど、実際に食品安全プリオン専門委員会の吉川先生はそういうふうに言っていませんよ。オーディットということで、これ結局形式的なものにすぎないと、きちんとした査察を示すインスペクションに変えるべきだって言っていますよ。
 そして、この食品安全委員会自身がそういう中身だということを実際に知らされたのは、今年一月二十六日に、結局この、今度の危険部位が見付かって、その後の説明でもって初めてそのことが分かったという、明かされるということ、まあ認識をしているというわけですから、これは非常に私は重大な問題だというように思いますよ。
 二〇〇四年の日米合意のときに既に決めてきたことなわけですけれども、そのこと自体をこれまでずっと日本の国内、国民には知らせていないし、食品安全委員会にも知らせないで、それで諮問させてきたというのは、本当にこれは国民に対しての背信行為だと私は言わざるを得ないと、許されないことだと思うんです。
 しかも、再びちょっと資料の方を見ていただきたいんですけれども、もう一つの方は、これカナダの方ですね。同じ動物検疫所長にあてたカナダからの輸入牛肉についての文書を見ますと、こちらの方は、線引っ張ってありますけれども、「立入検査を実施し、」と「記録原簿等の調査ができる。」というふうになっているわけですよ。カナダの方が厳しい内容ですよね。
 なぜ米国の査察とカナダの査察と違うんですか。これについて説明をしていただきたいんですが。

○政府参考人(中川坦君) アメリカにおきます査察とカナダにおきます査察は、具体的に日本の査察団が行ってやることについて何ら違いはございません。
 オーディットという言葉と、それからインスペクションという言葉がありますけれども、アメリカは輸出プログラムの下で認証されたその企業が輸出プログラムにきちっと沿って具体的な作業をやっているということが担保されることになります。ですから、アメリカの仕組みの中では、アメリカ政府が、USDAの担当官が認定した施設に調査に入る、査察に入る、その場合の言葉もオーディットという言葉が使われております。だから、日本が行ってそこで調べることも、アメリカ農務省が行って、担当官が行って調べることも、いずれもオーディットという言葉を使っております。
 それに対しまして、カナダでは、日本向けに輸出される牛肉の条件がカナダ政府の規則の中に書かれております。その規則に沿ったところがカナダから日本に輸出される資格のある施設として指定をされているわけです。こちらは、まあ言わば直接的な指定でございます。
 繰り返しになりますけれども、アメリカは言わば間接的に品質を保証するシステムとして輸出プログラムがあると。その中で要件を適したところがそのプログラムに沿っているということで認定を受けるということになります。ですから、そういうその指定の仕方が違うことが、まあオーディットという言葉と、それからインスペクションという言葉の違いでありまして、日本側から見ますと、日本に来る牛肉が必要な条件を満たしているということをきちっと念のため点検に行くという、それが査察の意味でありますので、不正が見付かった場合にはアメリカあるいはカナダの政府に対して通知をして、そしてそれでもってそういった指定を取り消すことができるというのは両方の国において何ら変わりはございません。
 そういう意味で、私、先ほどから申し上げておりますが、言葉は違っても日本から見た場合のその効果というものについては変わりがないということを申し上げております。

○紙智子君 言葉は違っても違いないと言うんだったら、じゃ、アメリカの方も名前、言い方変えたらいいんじゃないですか。その文書自身もね。
 結局、なぜこういうふうに違いになっているかといえば、事前の話合いの中で、恐らくアメリカはいろいろと要求されたことに対して、合わせてこれでどうかというふうに出したんじゃないですか。
 私は、日本から例えば牛肉を輸出する場合、他国から日本を逆に点検する場合どうなっているかということで、アメリカが日本の牛肉に対してどういう対応を取っているかというのを見たんですけど、本当びっくりしますよね。非常に事細かくその条件を出して、それで、本当に施設については、窓は床面から〇・九メートル以上の高さにして、窓枠は衛生保持のために四十五度の傾斜にするとか、光はどういうふうに取らなきゃいけないだとかですね、物すごく細かい中身で指示をしているのに沿って、日本の施設は四か所ですか、認められているのがあるわけですけれども。そういう厳しい厳しいアメリカの言ってみれば要求に基づいて日本は造っているのに、逆に、日本からは国民の目線に立ってこれは絶対必要だということを要求するんじゃなくて、そうじゃないアメリカの要望を取り入れて、もう大甘の対応になっていると。本当に、いかにもこれ弱腰じゃないかというふうに思うわけです。元々、やっぱり国民の安全よりもそういうふうに米国の再開要求を優先させて日米合意、輸出プログラムというのがあるということ自体が私は問題だと、これはやっぱり見直すべきだというふうに思います。
 今回の事態というのは、やっぱり日本国内と米国内のBSEの対策、そして検査の基準に大きな違いがあるからなんですね。だから、ちょっと手直しで、運用上の問題でちょっと手直しをして検査マニュアルを厳しくするだけのことでは解決しない問題だというふうに思いますよ。やっぱり、今、日本が行ってきた厳しい飼料規制や全頭検査や危険部位の除去やトレーサビリティーが必要だし、やっぱり輸入再開をしたいというんであれば日本と同等の基準を行うのが筋だというふうに思うんです。そのことを米国に対して、大臣、要求しますか。

○国務大臣(中川昭一君) オーディットかインスペクションかという、日本にとってカナダだけのインスペクションとそれ以外のオーディットとの違いから日米の間でいかに日本が甘くてアメリカの言いなりになっているかの御議論まで展開をされましたが、日本は、アメリカが主張しております三十か月、あるいはまた脊柱であってもいいではないかというアメリカ基準は、これは絶対にのむことができないということで、OIE基準、アメリカ基準よりはるかに厳しい日本基準をやったわけであります。
 他方、日本からアメリカに輸出が再開されたものについても日米で話合いをして、アメリカはこうしろというものについては話し合った結果、日本としてそういう条件でのんでいるわけでございますから、今回の、一月二十日に発生したこの事件につきましては、安全確保のためのシステム、とりわけアメリカ側の責任の元でありますEVプログラムのシステムそのものには問題はない、ただし運用において大きな問題が発生したので原因の徹底究明並びに再発防止を徹底的にやる報告書をまず出してください、それから日本側としてその後どうするか考えましょうということでございまして、大甘でもなければ、アメリカ側の言うことに屈してやったわけでも決してございませんで、日本側としては科学的で中立的な食品安全委員会のきちっとした専門的な御議論を踏まえてやっているところでございます。
 ちなみに、御指摘のえさの問題とか幾つかの問題、それから先ほどの査察に行く行かないにつきましては、いただいた報告書の中の結論へ向かっての議論の過程での附帯事項という中に御指摘されているものも幾つかございます。それにつきましては既にアメリカに要請をしておりますし、我々としてもそれをやった方がよりリスクが小さくなる、いい状況になるという安全委員会での御議論もあったということが報告書に書いてございますので、それも実現できるように私としても引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。

○紙智子君 厳しいことを日本としても要求しているんだって言いますけど、少なくとも、例えば混入しないような、ラインを別々に造らせるとか、あるいはトレーサビリティーなんかも、これ要求しないんですか。

○政府参考人(中川坦君) ラインを分けるか、あるいは一定の時間帯で日本仕向けの作業をするか、そういったことは、いずれにしても目的は日本仕様のものとそれ以外のものがきちっと混ざらないようにするということであります。その点は、前回査察に行きました際に、大方はそれぞれの作業が始まる一番最初のところで日本仕向けを分けて造っておりました。そのことをほかのところでもやるようにということで意見としてアメリカ側に伝え、そういった方向で通知をするというふうなことまで前回の査察のときに言ってきたわけです。で、それを今回、一月の二十二日から行く二度目の査察の際に点検をしようとしていたわけですが、二十日の日にああいう事故がありましたので、それはできておりません。これからも査察に行けば必ずそういったところの厳しい視点で問題があるかどうかというのは見ていくと、それは査察を行う上で当然のことだというふうに思います。
 それから、トレーサビリティーのお話も出ました。これは先ほども御質問がございましたけれども、トレーサビリティーそのものは、何か事故があったあるいは疾病が発生したといった際に、その家畜がどこの農場で飼われたか、あるいはどういうところ等経由してここまで来たかということを早くさかのぼって調べて、そして蔓延防止の対策を的確に打つということが基本的な目的でございます。
 したがいまして、肉が輸入する際の安全性ということとは直接の関係がありませんので、輸入する場合にトレーサビリティーまで完全に義務付けてしまうということを相手に要求するのはWTO上、特にSPS協定上問題がある可能性があるということで、そこは慎重に対応しなければいけないというふうに思っております。

○紙智子君 いずれにしても、小泉総理は、今度の日米合意、ルールを遵守しなかったアメリカ側のルール違反が、それが問題で責任があると。で、日本側の政府の対応は問題ないという言い方をしているわけですよ。しかし、今いろいろ指摘させていただきましたけれども、日本政府の対応自体にやっぱり責任を問われる大きな問題があるということは明らかだと思うんです。対応自体が、やっぱりこれまで国民が、国内の中でいえば、まだ駄目だと言って多くの人が批判をしているにもかかわらず、その声を無視して食の安全をないがしろにして要求を優先させてきたということがあるわけで、そして現に危険部位が入ってきたと。このことに対して反省せずに、日本の対応には何ら問題がないというふうに開き直っているということは、本当に無責任極まりないというふうに思いますよ。
 そういう意味では、私は、小泉総理も総理の資格はないというふうに思いますけれども、並んで農水大臣の罷免を求めて、質問を終わります。

○委員長(岩城光英君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十七分散会