<第156回国会 2003年3月25日 農林水産委員会 第3号>


平成十五年三月二十五日(火曜日)
   午後一時一分開会
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (平成十五年度の農林水産行政の基本施策に関する件)
 (WTO農業交渉に関する決議の件)
○水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、まず最初に大島大臣に質問いたします。
 私は、昨年の十一月の七日に、農水委員会で大臣に秘書の口利き問題で質問いたしました。八戸市民病院の建設にかかわって受注企業の献金が急に増えたというのは、これは口利きをしたお返しではないかというふうにお聞きしました。それに対して大臣は、九六年に、この答えですね、このときの議事録で見ますと、二十一社のうち指摘の九六年に献金が増えているのは四社でありましたと。そして、政治活動が活発になった日にはパーティーやその他において増えている、二〇〇〇年もやはり増えていると。そういうふうな政治活動が活発ということは、選挙が近くなって政治活動が活発になるということでございますということをお話をされています。
 このお答えの中で、この四社というのはどこどこでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) その前に、紙先生、十月二十四日の衆議院の予算委員会で、御党の佐々木委員が既に何か御自身で資料持ってこられまして、そして私に示してどうだと、こう言われたんです。そのときに、今もありますが、こういう資料なんですね。紙委員も多分これを持ってやられたと思うんでございますが、資料提出、もう佐々木先生が私に示しました。市民病院の工事を請け負う業者のうち、九五年から九七年まで自民党青森県第三選挙区支部等、私の資金管理団体に献金していただいた企業の一覧として、先生からこういうふうなことを御指摘をいただいたわけでございます。
 このため、私どもの方でもいただいた資料をよく精査させていただいた結果、一部は収支報告書の保存期限が過ぎているのもあるわけですね。そこで、正確なところが分からない部分もありましたが、いろいろせっかく、本当にさすがに共産党だなと私思いました、保存期間がないあれまで取ってありますので。そこで、平成八年に百万円を超える献金をいただいた企業を挙げて、私どもとしては四社と、こう申し上げたわけでございますが、改めて強調させていただきますけれども、それは政治資金規正法にのって適正に処理されたものであって、工事をめぐっての見返りとかということは一切ございません。
 私は、あたかもそのような観点からの御質問に対して、善意で献金をいただいた企業の具体名を挙げることは差し控えたいと思います。委員がどうしても知りたいというのであれば、既に佐々木先生が御提出された資料をよく御参照いただければ御理解、分かると思います。
○紙智子君 この資料は予算委員会の委員会として提出してもいいということで、合意の上で出されたものです。既に明らかになっているわけで、やっぱりそれにこたえるべきだというふうに思います。
 今おっしゃいましたように、御自身ではおっしゃりたくないということでしたら、私もその資料に基づいてお話ししますけれども、元請でこの中で四社というのは大館建設工業、村田興業、そして川本工業、溝口電気工業所、この四社ということですね。間違いないですね。
○国務大臣(大島理森君) この中には、そう、今おっしゃられた名前が書いてありますね、はい。
○紙智子君 それで、その中で大館建設と村田興業、この二つについては、我が党の筆坂議員が三月六日の予算委員会で大臣に質問いたしましたように、国からの公共事業を受けている期間、筆坂議員が質問した中で、大館建設工業の方は二〇〇〇年の三月十四日から二〇〇一年の二月十八日まで国土交通省の仕事を受けていると。それから、村田興業についても二〇〇〇年の二月二十五日から二〇〇二年の二月二十八日と、これは防衛庁・施設庁からの仕事を受けているということで、国からの公共事業を受けている期間なので、この二〇〇〇年の六月十三日は選挙の公示ですけれども、この期間に献金をしてはいけない企業になっているということを指摘しましたけれども、そうですよね。
○国務大臣(大島理森君) 政党活動として政治資金規正法にのっとって御芳志をいただいたものとして報告をさせていただいているところでございます。
○紙智子君 今聞いたのは、選挙で献金をしてはいけない企業になっているということなんですよ。
 それで、どうしてこういう企業が献金が増えたのかということで、この企業からの献金の話は、昨年の私の回答に対して、大臣は、それは選挙の年だったと、九六年と二〇〇〇年も選挙の年であり、特別な御支援をいただいたと。活動が活発になればどなたでもそういうお願いをしながら、志をいただいて活動するものというふうに述べられたわけですよね。これは議事録に残っていますけれども。つまり、選挙があるから献金が増えたと大臣自ら認めているわけです。
 この二社については、筆坂議員が指摘した六社からの献金のうち、少なくともこの二社の献金については、言ってみればこれは公選法違反の疑いがますます濃厚になったということじゃありませんか。
○国務大臣(大島理森君) 政党活動、政治活動として私どもはちょうだいしたものと。したがって、そういうふうに御報告をさせていただいているところでございます。
○紙智子君 ちょっと答えになっていないと思うんですね。
 結局、昨年、口利きの見返りじゃないかというふうに私が聞いたときに、そうじゃないということを否定する余り、選挙があったからだということを言って、逆に窮地に陥ったということだと思うんですよ。去年の段階では、大臣はこの政治資金規正法との関係についてはまだ深く認識されていなかったんだと思います。だから、正直にそういうふうに答えたんだと思います。
 私は、このことからも、大臣の答弁からも、これ公選法違反だということはますます強まったというふうに言えるというふうに思うんですよ。それでもそうじゃないというのであれば、そうじゃないという証拠を示すべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 紙委員にもお答えしておりますように、政治活動が活発という、政治活動が活発になっているというふうに言っているわけですね。ですから、何かせっぱ詰まってあなたおかしいじゃないかというんじゃなくて、政党活動の政治活動が活発になるのは共産党さんだってそうではないでしょうか。
 その資金の、財源の在り方は共産党さんと私どもとしては基本的に質が違います。私どもは個人の芳志あるいは企業の献金、それは当然に許される範囲の中でのそういう献金をいただいて活動しているわけです。そういう政治活動が活発になるということは、私は、どの党も、どの個人もどの政党も私はそういう状況になっていく、そういう中で御心配をして頑張れよと言ってくださる、そういうふうな志をいただいて政治活動として使わせていただく、それを収支報告に載せているというふうにお答えをさせていただきます。
○紙智子君 一般的な政治資金ということではないじゃないかということなんですね、申し上げているのは。結局、今まで寄附をしていない業者が、正に、していたとしてもわずかですね、そういう業者が選挙の公示の日、それから前日、三日後、この資料の中にもありますけれども、正にそういう本当に選挙を始まると同時に何百万という寄附をすると。これが選挙の寄附でなくて何なのかということですね。
 そうでないと言うんだったら、一体どういう状況の中でもらったのか。場所がどこでもらって、そして何と言って集めて、相手は何と言ってそれを寄附したのか、こういうことを調べないで、明らかにしないで一般的な政治資金だというふうに言っても、これは通用しないと思うんですよ。選挙の寄附でないというふうにやっぱり納得できるような、そういう解明をこの委員会でしていただきたいと思うんですね。どうでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 選挙の費用は選挙の収支報告書として出させていただいております。政党は選挙のとき、政党の活動は選挙のときだけやるものでなければ、また選挙のときもやっちゃいけないということでもないと思います。それは共産党も選挙中に共産党活動を党活動として大いにやっておられるのと同じだと思うんです。だとすれば、それらの経費は後で払うこともあるかもしれません。
 したがって、私どもは、政治活動が当然に民主主義の最も根本である、そういうときには党活動がどの政党も非常に大きく僕は活発になっていくものだと思うんです。したがって、そういうものに御寄付をいただき、そういう形で使わせていただくということをそのまま収支報告に載せて、そしてやっているということでございます。
○紙智子君 同じような繰り返ししかされていないんですけれども、結局、選挙のときに公共事業を、国の公共事業を受けてやっている企業は献金しちゃいけないということを決まっているところからも受け取られているわけですよね。これはやっぱり明らかに法に違反するじゃないかと。そして、そうじゃないということでもって証明されるんだとすれば、今、私言いましたけれども、場所についてどこで受け取ったのかということや、そういうことを含めてやっぱり明らかにするべきだと思いますよ。そうしなければ、私は、やっぱり幾ら同じことを繰り返されても疑惑は晴れませんし、その意味では、このまま本当に大臣のいすにとどまっていることが認められるのかどうかという、そういう問題だというふうに申し上げたいと思います。
 それで、ちょっと繰り返しになると思いますので、この後、この質問はここまでにして、次の質問に移らせていただきたいと思います。それで、本当はそういうことを言いますと質問できないというか、本当にしたくはないわけですけれども、しかし疑惑はこの後も続けて追及させていただきたいと思います。
 そして、WTO問題の問題では直接大臣が交渉されてきたわけですから、そのことについて、この後、移らせていただきたいと思います。
 それで、今日からジュネーブで農業会合が始まっていると。それで、先日、議長からモダリティーの一次案ですね、改訂版というものが出されたわけです。内容は一次案と全然変わらないようなものだと。米だけではなくて、日本の畑作や酪農、これも壊滅的な打撃を受けるということですね。今回の案は我が国の農業の存続を否定するに等しいというふうに思いますし、さっき大臣も言われましたけれども、たたき台になるようなものでもない、これはそもそも、という話もされたわけです。その点では断固としてやはり拒否の態度を貫くということですよね。
○国務大臣(大島理森君) 先ほど来、和田委員にも、また日笠先生にもでしたか、あるいは加治屋先生にもお答えをしてまいりましたが、ハービンソン議長の一次案、総体としてのめないと。その改訂版も、もちろん一部改正されたところもありますよ、発展途上国に対する点については改訂をされたところがありますが、基本論として私どもは総体として受け入れられない。基本は堅持して、これからの議論、会議の場における交渉に当たらせていくつもりでございます。
○紙智子君 改訂版について拒否するというのは当然だと思います。
 それで、問題は、EU案の支持、これについて大臣は表明されています。二月三日の衆議院の予算委員会で我が党の中林議員の質問に対して、EUのその上に立った数字、三六、一五、四五、そういう数字を目指して全力を尽くすことが私の責務だというふうに答弁をされているわけです。
 それで、EU案は関税率について最低一五%、平均で三六%を削減するというものですね。大臣はこの実現に全力を尽くすというわけですけれども、ということは、この数字が我が国の提案ということですよね。大臣は、この削減率が実施されて日本農業に影響がないということなんでしょうか。国内生産の維持発展や自給率の向上につなげることできるということなんでしょうか。その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) EU提案というのは、関税引下げについてのウルグアイ・ラウンド方式、国内支持削減については総合的なAMS方式という意味で、非貿易的関心事項を反映させるための柔軟性が確保されるということ、我が国と基本的に考え方が一致するということ。もちろん違うところもございます。違うところもございます。しかし、違うところもありますが、そういう基本的な考え方のところで一致しているということと、そういう中にあって、数字の部分では関税、国内支持のAMS及び輸出補助金のそれぞれの削減率が、今、先生がおっしゃられたとおりでございます。したがって、現実的で、我が国が主張している現実的で漸進的な支持、保護の削減という考え方には合致していると。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 そういう中で、我が国の自給率の目標とする姿や、あるいは今進めている米改革、あるいは農村農業の維持というものができるかといったら、私は可能な範囲だと、可能な範囲だという判断をして、そして支持をすると、こういうふうに申し上げたところでございますし、また一方、日本だけで孤独な闘いをしてこのマルチの交渉の場で私どもの主張を通すことはできるわけがございません。国会でも同じように、やっぱり一つの意思を国の意思として通すためには多くの皆さんの御理解をいただかなきゃならぬのと同じように。
 したがって、米国、ケアンズという非常に巨大な輸出国の力というものとの対抗軸を築くためにも、我々は、EU、日本とが基本的な考え方も一致し、そして進め方についても連携して対抗軸を形成していくことが重要であるということを改めて委員にも申し上げたいと思います。
○紙智子君 今、可能な範囲であるというふうにおっしゃいました。それで、お米については、先日、衆議院で中林議員が試算を示して、EU案でも輸入米が国内生産に打撃を与えるということを示しました。
 それで、EU案で打撃を受けるのは米だけではありません。ちょっとそのお配りした資料を見ていただきたいんですけれども、この資料の表は、畑作や酪農製品について全国一のシェアを持っている北海道産の価格と輸入品の価格の比較を試算をしているものです。北海道のJA中央会がやっている試算ですけれども。
 EU案の平均三六%を適用した場合、でん粉二十五キロ、これバレイショですよね、道産品で二千七百円に対して輸入では二千四百七十七円ということで、価格が逆転いたします。それから、小豆六十キロで一万八千九百五十八円が一万八千三百四十八円ということで、これも逆転します。それから、バター、これについては九百四十六円が一千五十四円と。脱脂粉乳は五百四十五円が五百九十六円と。大体、道産品と輸入品の価格がほぼ並ぶ形になります。
 これで我が国の食料基地である北海道農業、存続できると思いますか。
○国務大臣(大島理森君) 委員はどの程度それを分かって私に質問しているのか分かりませんが、ここで平均が三六ということであって、最低一五という数字もあるわけです。
 ですから、国内農業をそれぞれの国でどのように維持していくかというのは、正に、その国においてどういう作物、どういう生産物をどのように国民の需要にこたえて守っていくかということに非常に柔軟に対応できるということなんです。いきなり三六で計算するとと言われますと、これは、ちょっと誤解を与えるこれは数字になるわけです。
 だから、米、でん粉、様々な品目がありますよ。だから、どこをきちっと高く維持しながら、つまり最低一五ぐらいのところを維持しながら、高関税、今あるわけですから。だから、平均三六でと、こう言われますと、なかなか、それをすべてのものに当ててEU案では駄目よという議論ではなくて、そこは正に、もしEU案が、我々が主張している案が通ったならば、国内において皆さんと相談してやっぱり対応していくという柔軟性を持ち得る、こういうことで御理解をいただきたいと、こう思います。
○紙智子君 分かった上で質問をしています。
 それで、最低の一五%削減を適用しても、価格差は、この表でごらんになっても分かるように、でん粉で、でん粉それから小豆ですね、これで大体十数%から二〇%までその差が縮小するわけです。しかも、日本の農産物の場合、この全農産品が千七百七十二品目あるわけです。このうち、この下の棒グラフを見てほしいんですけれども、平均三六%、関税率〇%が二三%も占めています。で、資料のその中で一五%以下の品目というのは、実は六割にもなるわけですね。
 だから、全産品平均三六%の削減率を確保するということのためには、この一五%という最低の削減率をどれだけの品目で取れるのか。そして、三六%以上のものにも当然なるものも出てくるわけですけれども、それで取らなきゃならない、調整しなきゃならない農作物が広範囲に出てくるということでもあるわけですね。
 しかも、EU案であるこの最低一五%、平均で三六%の削減を支持したということで、この数字が交渉のスタートの地点になるということになりますと、今度そこから当然、そこから更に譲歩させようということでの動きが始まってくるということに、それが避けられないことになってしまうんじゃないかというふうに思うんですよ。そのこと否定できますか。
○国務大臣(大島理森君) 当然に、関税を引き下げるということを言っているわけですから、様々な影響は農産物自体にないとは言えません。
 逆に言えば、全く無傷でいられるんですかと。共産党さんの案は、まだ総合的、支持のあれがこんなにあるから、むしろそれを使って、もっと、あと一兆円ぐらい、二兆円ぐらい出したっていいじゃないかという議論をよくされますけれども、そういうもうとてもできないような議論はちょっとわきに置きまして、やはり我々は、通商国家としてWTOというその世界の中でどういうルールを決めるかということにコミットしているわけです。そうした場合に、EUが出した数字というのは柔軟性が取れます。それからまた、その国内支持についても非貿易的関心事項という政策に対応できます。
 そういうことを考えますと、EUが示した数字は、でん粉だとか、今、小豆の話をされました。で、そういう状況のことを考えても、この数字であれば国内政策に様々な手を打ちながら、そしてまた御相談をして構造政策も進めたり、そしてみんなで力を合わせていけばやっていけるという判断をしたから、私は支持できるものと。
 そして、先ほど来御議論がありましたように、日本の農業をきちっと、農村、林業、水産業を含めて我々は維持し守っていくことがいのち・循環・共生という日本の政策としても大事なことだという観点からも、これはこの範囲であればやっていけるという判断をしたということでございます。
○紙智子君 やっぱり現場の農村を見ない議論だと思います。
 WTO協定後の農業の現状というのは本当に深刻になっていると思うんです。生産者は農産物の価格が下落する中で規模を拡大すると。そして、効率化、コスト削減ということで、この間取り組んできているわけです。
 そういう中での優等生と言われた北海道の実態でも、度々こういう委員会の場でも紹介してきましたけれども、規模拡大、コスト削減ということの中で、九五年から二〇〇一年に農家一戸当たりの農家の負債がどうなっているかということを調べているものがあります。稲作、畑作、酪農各部門とも大幅増ですよ。
 そして、稲作でいいますと、一千二百万台の負債が一千六百万台になり、畑作一千三百万台から一千四百万台、酪農においては二千三百万台から三千二百万台と。現在の高関税でもこういう形でこの借金が増えていくという事態を生んでいるわけです。これ以上、市場開放というのはやっぱり受けられる状況じゃないんだということを私は強調したいと思います。
 本当に、この北海道なんかはA、B、C、Dというふうになっていて、負債をまだ元本を返せるだとか、そういうランク分けているんですけれども、D階層というのが増えているんですよ、十年間に。著しく増えています。
 こういう状況を見たときに、本当に、これで本当に大丈夫なのかということを真剣に検討していただかなければいけないし、大臣は三月末に向けて努力をするというふうに言われてきたわけですけれども、今回の議長案の提示を見ても、主張のこの格差というのはすごく離れていますよね。天と地だと思うんですよ。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 そういう中で、本当にこの食料主権を守り、国内生産を守る立場を堅持して、期限だからといってそこそこのところで妥協してほしくない。断固として貫いて頑張っていただきたいということを私は申し上げたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 今のは応援の質問だと理解をさせていただきたいと思います。
 三月末というのは、コミットした私どもは共通認識を世界各国で持っているということを申し上げつつも、先ほど来お答えを申し上げているように、三月末の大枠を決めることが可能であるというならば、それはただ一点ありますよと。日本、EUの、そして韓国のフレンズ国が考えているような基本に乗った大枠を作ることが三月末に結論が出る知恵でしょうというふうにお答えしておるわけです。したがって、そういう信念と毅然とした姿勢で最善の努力をしてまいりたいと、このように思っております。
○紙智子君 私たち日本共産党も二月、三月と全国を農業調査をして回りました。そういう中で、経済団体やあるいは消費者団体なども含めて、今度のことを話しながら、本当に多くの方が心配をされていると。食料自給率で四五%までということを決めながら、一体何を根拠にこういうことを決めたのか、本当にやれるのかということも含めて出されました。
 それで私は、食料自給率の、今、日本は四〇%そこそこというところなんですけれども、本当にほかの外国と比べてみても、先進国でこういう低い国はないと。日本より下にある国はどういう国があるのかというふうに見ますと、それこそ砂漠のある国、それからツンドラ地帯の国々ですよ。ですから、そういうやっぱり状況を本当に深刻にとらえて、国益国益という、さっきも孤立するわけにいかないという話あるわけですけれども、孤立を恐れて国益なんだということでやっぱり妥協するということがあってはならないと思うんです。
 私は、WTOの最初のときにそういうやっぱり議論があって、そして断腸の思いでこれは受け入れなきゃならないという話はあったんですけれども、結局そのとき国益というのは何だったのか、結局は工業製品を優先させて農業がその犠牲になったということじゃないのか、また今回も二の舞させるわけにいかないという思いで一杯なんです。
 そのことを最後に申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。