<第154国会 2002年10月3日 農林水産委員会 第1号>


平成十四年十月三日(木曜日)
   午前十時開会
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○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、大臣が就任をされまして、一日の日本農業新聞でのインタビューを読ませていただきました。それで、武部大臣が打ち出した行政の継続というふうに言われているわけですけれども、同時に大臣自身の自主性やカラーを打ち出したいということを印象を持ちました。改革は理解を得てというふうに述べられています。この点で幾つかお聞きしたいと思います。
 まず、主食である米の生産についてですけれども、今、米生産は危機的な状態に陥っています。どのようにしていくのかということについては、正に国民的な理解を得て進めるべきだと思います。その点で、今、農水省が出している方向というのはいろいろ問題があるというふうに思うんです。
 「米政策の再構築に向けた中間取りまとめ」というのが出ましたけれども、この中では、米の過剰、それから価格下落の最大の要因となってきたMA米の削減や廃止については触れていないと。そして、需給調整に関する行政と生産者団体の役割分担の在り方を根本から見直すと。余りものに値なしということまで言って、過剰米の処理については生産者の自己責任を求めるというようなことになっています。
 米生産の現地に行きますと、農協なども含めて、この出されてきているものに対しては、これじゃ国の責任回避じゃないのかと、率直なやっぱり声として寄せられるわけですけれども、これらのやっぱり現場の声をきちんとつかんで尊重するべきだと、意見を尊重するべきだというふうに思うんですけれども、これについて大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大島理森君) 現場の声を聞いて米政策の結論を出すようにという御指摘だったと思います。
 その現場の声が多様化しているところに今の米生産の象徴的な問題があるような気がするんです。米の単一で専業農家としてやろうとする農家もいれば、そして多くの消費者がそういうおいしいお米を欲しいという要望もあれば、また一方、米生産が、昔流で言うと二次兼業農家としての、言わばお勤めしながらできる、生産コストが低下したという作物になっている現状を見て、兼業としておやりになりながら、極端に言えば三ヘクタールから四ヘクタールぐらいまでできるような技術革新ができてきたという状況を見たときに、そういう農家と米単一で自分の農業所得を持ちたいという方々のこの思いの違いというものも私はあるような気がいたすんです。一方、消費者の皆さんからいたしますと、安心と安全は基本にしながら、まあ言えば安くておいしい米が欲しいというのは消費者の、また現場の声でもあるような気がするんです。そういう実態をお互いにミスマッチがないようにしていく作業をいたすことによって総体的な国民の理解が得られるのではないでしょうか。
 私どもは、国費を使い、国民の皆さんの税金を使い、米というこの産業あるいは生産物を取り巻く少なくとも基本的な環境を守っていかなければなりません。守るということにおいては、国民の税金、国民の皆さんからいただいた税金を使うという場面が当然あるわけでございますから、そういう意味で、生産者、消費者、この両サイドにある意味ではぎりぎり納得できる仕組みを模索していくというのが私は一つの今の改革のポイントだと思います。
 団体の皆様方、農協の皆様方のところに視点を当てるということも、ある意味では議論し理解を求める必要があるとは思いますが、大事なのは、生産者と消費者、この両面からの理解を得るための制度改正に努力してみたいと、このように思っております。
○紙智子君 様々な意見があるということを言われたわけですけれども、やはり生産者のサイド、そして消費者の安全な食という観点からいっても、これは相反するものではないというふうにもおっしゃっておりまして、私もその辺は同じように思うんですけれども、そういう中でもやはり本当に共通して出されてきている声というのはあるわけで、そこに本当に謙虚に耳を傾けるということをやっていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つは、大臣は、法人などの担い手に政策を集中させる手法で、ある一点だけに焦点を合わせて農政をやっていくと日本農業は弱くなる、農業で生きていく農業者に包括的に頑張ってもらうものがないと柔軟性に欠ける日本農業の構造が生まれるというふうにお答えになっていますね。
 農水省は、米政策の見直しでは、昨年、稲経から副業的農家を切り捨てる方向を打ち出して大変大きな反発が出たと。中間取りまとめの中でも主業農家と副業農家に対する施策を区別するというふうに明言しています。しかし、稲作販売農家の米生産というのは五三%、生産量で五三%、この五三%が副業農家によって支えられていると。ですから、稲作でこそ農業者に包括的に頑張ってもらわなければ成り立たないというふうに思うわけですけれども、この点、大臣のお考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 私は、先生がお話しされましたように、農業の生産形態を一点に絞った構造にすることは、そこの一点が壊れたときに当然に食料供給ができなくなっていくわけです。したがって、多様な農業生産形態があってしかるべきだと、こう思います。
 その中にありまして、言わば複合農家、こういう方々に対してはどのような形のものを取っていくか。そこの、昔で言う二種兼業農家というんでしょうか、そういう方々の中でもまたいろいろな、多様でございますよね。特に、私は、山間地帯というものの農業というものは、中山間地帯の農業というのは、単純に生産的効率あるいはまた生産性のみで語れない農業形態を持っている、ここはしっかり押さえていかにゃいかぬと思うんです。したがって、そういう点をきちっと押さえながらも、先ほど来申し上げたこの押さえ方は、集落全体として押さえていくか、あるいはコミュニティー全体としてそこをどう考えていくかという視点に立つのも一つあり得るのかもしれません。
 一方、そういう経済性、市場性の中できっちり、どんどんやってもらうという農家、これはある意味では一つの主流になっていくかもしれませんし、そういう方向性には持っていきたいと思いますが、そういう多面的な農業政策をある意味では複眼的にもしっかりとらえてやっていくべきだという考え方は、今までも持ってきましたし、これからもそういう考え方でいきたいと、こう思っております。
○紙智子君 次に、また大臣のインタビューの中身なんですけれども、株式会社の農地取得や農業参入についてです。
 生産現場の懸念や反対の声もあります。そういう声が出ているわけですけれども、特区の導入という形で、農水省の検討を待たずに実際にはどんどんと進められているということがあります。農地法の根幹にかかわる問題でもある、そして日本農業の担い手をどう作っていくのかということとも深くかかわる問題だというふうに思います。
 今、食料生産に不可欠な農地の荒廃、これにつながるような懸念というのも一杯出されていまして、やっぱり私なんかは北海道でいろいろ歩いて聞いていますと、将来に禍根を残すことがあってはならないというのが本当に強く出されるわけです。
 それで、大臣も、農業を破壊するような特区であってはならないというふうにおっしゃっていますけれども、この農業生産法人以外の株式会社の農地の取得を特区で認めるということはやっぱりあってはならないんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 正に、農業を破壊する、農地を破壊する特区であってはいけないと私は思いますし、逆に言いますと、農業を積極的にやり農地を活用していく、農地として活用していく、そういうふうなことをきっちりと押さえて、そういうふうなことを基本にした場合において株式会社の参入というものを否定しては逆にいけないような気がします。それが私の基本であって、考え方の基本にしてまいりたいと、こう思っております。
○紙智子君 多くの人たちが心配な声で出ているのは、現行の下でも、例えば株式譲渡の制限がある農業生産法人という形でなら農業に参入できるというのがあるわけです。しかし、わざわざ特区でやる目的に、その株式会社が農地を取得するというのが、耕作目的ということで最初入ったとしても、本当はそこが目的じゃなくて、土地をやっぱり獲得するといいますか、土地を投機的に使うというような、利益を上げるということでもって、そこがねらいとしてあるんじゃないのだろうかということになると、それこそ将来に禍根を残すような事態になりかねないというのが大きな心配としてあるわけですね。そこを是非踏まえていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、先ほども議論の中で出された問題ですけれども、JAの改革の問題についてです。
 前の大臣は、解体的改革がなければ農協の存在意義はゼロだというところまで言ってハッパを掛けました。しかし、農協というのはやっぱり民間の協同組合ということであって、そういう農協に農水省が外部から改革を迫るというやり方は、これは私もおかしいんじゃないかというふうに思うわけです。
 そういうやり方を改めて、やはりあくまでも農協の自主性を重んじたやり方をすべきだというふうに思いますけれども、この点の大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大島理森君) 民の組織だから様々物を言うのはおかしいのではないか、あくまでも自主的にそこは判断して自己改革をしていくことが基本であるべきではないかという御主張であったと思います。
 そういうふうなことがしっかりなされれば、私はそれはそれで結構なことだと思います。農協という組織は、農家農民の組織でございます。なるがゆえに、ある意味では農政、国が執る農政と絶えず協議をし、あるいはまた、先ほど国井先生のお話ではございませんが、お願いもすることもあったと思いますし、したがって、ある意味では非常に密接な連携を取りながらやってまいりました。
 そういうことを考えますと、農協の問題は農政の基本の一つであるということを考えますと、国として農政の政策の一環として意見を申し上げたり、あるいはそうした考え方を示すことも私は決して否定されるものではないと、このように思っております。
○紙智子君 もう一つ、大臣は協同組合の精神を根本に置いた改革というふうにその重要性をおっしゃっています。
 この点でいいますと、今問題になっている農協の独占禁止法の適用除外と、この問題は非常に大きな問題だというふうに思います。共同で零細の農家が例えば原材料を仕入れるとか、あるいは生産物を販売するとか、それから出荷調整や生産調整を行うとかこういう業務、こういう業務が独占禁止法の適用除外から外されるということになりますと、農協の存在意義といいますか、それをやってきたところが、それ自体が何のためにあるのかということに、存在意義がなくなってしまうというふうに思うんですけれども、この点、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 私は、農協の原点を忘れずにやることが大事だ、そしてそこの原点に立って依然として農協の存在意義があるということを申し上げたのは、農協は農民のためにあるのであって、農協は農協の組織人のためにあるのではないということです。したがって、もう一度、今の農家の方々、今の農業者の方々にどういう積極的な役割を果たしたら農協が新しい姿になっていくだろうか、そういう視点に立って考えてまいりたいと思います。
 公取の問題は、もちろん農協の存在を公取の対象にするとかなんとかというのは私は少しおかしいと思います。公正取引というのは、御承知のようにマーケットが公正に行われるかという視点でありまして、そういう視点に立っての問題提起があるとするならば、それは耳をかさなきゃならぬときもあるでありましょうが、農協の存在が根本から公取の対象としておかしいぞと指摘されることには、私は毅然としてそこの点においては反論をいたしますが、マーケットの中で本当に不公正な点があったと、そういうことであるならば、それはその議論はちゃんとしなきゃならぬことであろうと、このように思っております。
○紙智子君 基本的な考え方をインタビューに即してお聞きさせていただきまして、この続きはまた本格的にこの後でやらさせていただきたいと思います。
 それで、次に、この間問題になりました偽装牛肉の問題について質問いたします。
 それで、特に検品の問題についてなんですけれども、雪印食品の事件があって、冒頭陳述の中で、いろいろ会話のやり取りがあるわけですけれども、要するに偽装をやろうというときの会話ですけれども、一人が、検査があるからばれるんじゃないかというふうに言ったら、もう一人が、いや、検査は甘いでしょうからと、そうすると、そうだなと言って納得したというくだりがあります。
 それで、当初の抽出検品、これは全国に二百五十九倉庫があるということをお聞きしましたが、この全部を抽出するということではなくて、この二百五十九ある倉庫の中の一部と、そこから抽出して、そして全体として在庫量のカバー率は半分ぐらいを目標としていたというふうに聞いています。
 雪印食品の不正が発覚したことで、この抽出ということが全ロット検品にしたと。もしこの雪印の事件が発覚しなかったならば、検品していないものも焼却してしまうつもりだったのかどうか、この点、まずお聞きします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 経緯から申し上げますと、先生おっしゃるとおりでございまして、全倉庫二百五十九倉庫ございまして、このうち保管量の多いもの、当初三十一、雪印食品を入れますと三十九になるわけでございますけれども、倉庫の検品を行って、そこでオーケーであるならばそのほかのものもオーケーとみなして焼却作業に移らすということで当初はスタートをしております。
 このやり方、この抽出率その他のやり方は、過去、畜産振興事業団が輸入牛肉を扱っていたときの輸入牛肉を調べる抽出率によったということでございます。
○紙智子君 農水省からいただいた資料によりますと、検品したものについても抽出検品済みで一月末までに焼却したものが千四百六十六トンあると、このうち大阪関係で計九百六十トンということでずば抜けて多いわけです。七月十日の日に、予算委員会で我が党の富樫議員が明らかにしたわけですけれども、ハンナングループなどから買い上げた大阪府食肉事業協同組合連合会とそれから大阪府同和食肉事業協同連合会の牛肉だったわけです。
 この検品の状況の資料をいただきましたので、それに照らして質問しますけれども、この関係の牛肉が当初何ロットで何箱あったんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 府肉連と大阪同和と両方を合わせまして、ロット数が十ロット、十一万二千九百四十一箱でございます。
○紙智子君 そのうち検査対象となったのは何ロットで何箱でしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) このうち検査対象になりましたのは一万二千八百八十三箱でございます。これは抽出検品で……
○紙智子君 ロットは。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 四ロットでございます。
○紙智子君 今お聞きしても本当に一部だと思うんですね。ロット数では十のうち四と。箱数で見ますと、十一万箱以上ある中でそのうちの一万二千八百八十三箱ということですから、一割でしかないと。しかも、実際に検品したのはわずか八十三箱ということですね。ですから、十一万箱以上の箱に対して箱数で見ますと八十五箱しか検品していないことになるわけです。この程度の検査で全倉庫分の焼却がオーケーというふうになるというのはいかにも甘い検査じゃないかと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この一連の経緯につきましては、本委員会でも昨年以来御議論を賜りました。最初は、全頭検査以前の牛肉を一刻も早く隔離して市場からなくせと、要するに焼却してしまえという要請が非常に強うございまして、そのときの確認手法として抽出検査という一定のルールに基づいたものを我々考え出したわけでございます。それは、きちっと業界が行動するであろうということを前提にした手法でございまして、その抽出の検品手法が、後からいろいろ偽装が出てきたことから考えますと、甘かったという批判は甘んじて受けないといけないというふうに思います。そのために、一回、一月三十一日でこの検品方法を打ち切りまして、全ロット検品体制へ移行したという経緯でございますので、そこのところは御理解を賜りたいというふうに思っております。
○紙智子君 一割の検査でもって千七百十八トンあったうち約六割の九百六十トンが焼却をされました。この中には検品されていないロットも入っていますね、どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ございます。ロットの数で言えば六ロット分ございます。
○紙智子君 一割の検品しかやっていないけれども六割焼いていると。その中には未検品のものも入っていたということが明らかになったと思うんですけれども、私は、やっぱりいかにこの当時非常にずさんなものであったかということを示しているというふうに思うんですね。
 次に、全ロット検品にしたと。これも我が党の富樫議員への回答で、二月の十四日、五ロット検品したということですけれども、抽出基準というのは当初は緩いものだったと。そして、七百六十トンを四月一日までに焼却したということなんですけれども、三月の中旬には前大臣は全箱検査を検討していたわけですね、それでもまだ緩いと、全箱検査を検討していた。
 いったん、その場合、焼却を中止して、全箱検査をやった上で焼却にすべきでなかったかと。なぜそれをやらなかったのかということなんですけれども、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この一連の経緯でございます。
 雪印食品の事件が起こりまして、検品の方法が大きな問題になりまして、本委員会でも取り上げられたわけでございます。そして、厳しい検出、検品手法として全ロット検品というのを二月八日からスタートしたわけでございまして、途中でこの全ロット検品の抽出率も強めたわけでございますけれども、この全ロット検品といいますのは、全ロットから一定数の箱を抽出をいたしまして、そのロットに一箱でもおかしいものがあればそのロットの箱はすべて開封をすると、こういう検査手法でございまして、民間の商品管理などと比べても遜色のない水準のものであったわけでございますけれども、念には念を入れた検査体制に移行するんだということで、前大臣の政治判断により全箱検品というものに移行したわけでございますけれども、この全箱検品への移行に際しては、全ロット検品で適正と判断されたものについては検品済みとして取り扱うという一定の仕切りをしたわけでございます。
 それは、業界の負担もございましょうし、抽出、全ロットと二回検品をしたというようなこともございますし、そういう仕切りをして次に移ったということでございますので、そのときの基準で適正と判断された、しかも民間の商品管理と比べて遜色のない水準であったということを御理解をいただきたいというふうに思っております。
○紙智子君 その時点では最善の検品というふうにおっしゃりたいんだと思うんですけれども、しかし、全箱検査に移行するのであれば、そのときにもどんどん、焼却は止まっていないわけですよね、流れているわけです、燃やされ続けているわけです。だから、やっぱりいったん止めて全箱検査するというのが筋じゃないかと思うんですね。
 そして、大阪の例で見ても明らかなように、未検品で燃やしているものもあると。全国的に全箱検品にした後も全ロット検品のものを焼却を中止せずに焼いていたわけで、武部大臣の政治判断が、不十分だからやっぱり念には念を入れてということで全箱に改めたということであれば、今まで全箱を検査しないで焼却したものについても、書類は残っていると思いますから、そういう意味では対象外の肉が入っていなかったかどうか、やっぱりきちっと調査すべきだと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 経緯からいきますと、全ロット検査を二月八日からいたしまして、全箱に移るということを表明いたしました三月十五日時点でその検品自体はストップしたわけでございます。それまでの全ロット検査で合格したものについては適正ということでございまして、先ほど来言っておりますように、全ロット検査でも十分精度の確保は可能であるというふうに、等々の問題があって一定の仕切りをしたわけでございまして、これはそのときの基準で適正と判断されたものでございますので、焼却に回すということについてはそのときの基準に照らして適正ではなかったかというふうに思っております。
 仮に、仮定の論議でございますけれども、何らかその過程で具体的で明白な問題提起があったという場合には、個別に問題解明のための対応というのは考えていきたいというふうには思っております。
○紙智子君 ロット検査についてはいったん区切りを打ったというんですけれども、焼却はずっとその間も止まらないで進んでいたわけですから、燃えちゃったものはもう分からないということにしないで、やっぱり書類で残っているのを調べるべきじゃないかというふうに思うんですよ。
 そのことを今、私は申し上げたんですけれども、ちょっと大臣、いかがでしょうか、この辺について。
○国務大臣(大島理森君) 残っている紙で調べろといっても、実態の物がないと事実というものがきちっと浮かび上がってこないんだろうと思います。本当にそういう、今のお話のやり取りを伺って、先ほど局長がお話しされましたように、具体的な確かな問題提起があった場合は、それは対応をしていかねばならぬと思っております。
○紙智子君 物がないって、確かに肉はないんですけれども、書類は、社内のいろいろな取引の伝票とかはあると思うんですね。だから、そのことも含めて検討してほしいというふうに思います。そこのところがはっきりされないというのは、やっぱり業界に対して甘さが残るということになると思うんですよ。
 もう一つ、国が責任を持った事業の在り方という点で問題があると思うんですけれども、これは七月十日に富樫議員が質問して、当時、末端業者も掌握して、税金投入してやっている事業だけに、全部掌握をして、そして公表するというふうになっていたわけです。ところが、全肉連のところの末端業者については公表されないと。当時で七十六億円ですか、概算で、税金が入っていて、それで、当時、武部大臣とのやり取りでは、証明する手続、公表するための手続を取っているという話だったんですけれども、あれからもう三か月たっているわけで、一体どうなっているのか、なぜ公表しないのかということについてお願いいたします。
○国務大臣(大島理森君) 近々公表を考えております。近々というのは来年ではございませんで、近々で、早ければ来週中か、ちょっとしたら、もうちょっと延びるかもしれませんが、近々公表したいと、こう思っております。
○紙智子君 まだちょっとあるんですけれども、時間になりましたので、またの機会にしたいと思います。
 ありがとうございました。