日本共産党参議院議員 紙智子
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新しい政治へ新春対談
紙智子日本共産党参院比例候補と
川端純四郎日本キリスト教団常議員・革新懇世話人

「しんぶん赤旗」東北版2001年1月6日〜8日

 2001年は21世紀最初の国政選挙、参院選挙の年です。この選挙で東北と北海道を活動地域とする日本共産党比例候補の紙智子さんと、日本キリスト教団常議員で革新懇世話人の川端純四郎さんが対談しました。

川端純四郎さん
川端さんと語る紙さん
農村が豊かだと社会が安定する(川端)
私たちの政策に農協幹部も共感(紙)

 明けましておめでとうございます。
川端 おめでとうございます。ことしは21世紀最初の選挙の年ですね。紙さんが、はじめて東北を活動地域にして参議院選挙に出てくださるということで、大いに期待しているんです。

第一次産業を大事にしたい

 私の活動地域が東北と北海道となったので、地図を買って調べたら、面積で日本の四割を占めているんですね。両方の地域に共通するのは、食料基地であることです。農業粗生産は全国の三割、漁業・養殖の生産量は四割で、日本人の食の源を支えています。第一次産業を本当に大事にしなくてはと思っています。
川端 紙さんはとくに農業問題には力が入っているようですね。
 私は、もともと農家の出身です。農業は自然が相手で、時どきで作物の出来も全然違いますよね。農家は自然の変化に対応していろんな知恵を出してがんばって続けているんですが、いま深刻な状況です。北海道でも離農者が増え、農家が七万戸を割りました。すごい減り方だと思っていたら、昨年の「世界農業センサス」調査では、東北六県で五年間に七万四千八百戸減っていたのを見て衝撃を受けました。

農村の疲弊もすさみの原因

川端 私は仕事の都合でしょっちゅう外国に行くんですが、ヨーロッパで一番うらやましいのは、農村が豊かだということです。農業がきちんと守られていて、農村が豊かだから社会が安定しています。いま日本の社会がすさんでいるのは、一つには農村が疲弊しているからです。
 ドイツに行って驚くのは、川のコンクリートをはがしていることです。自然の川岸に直しているんですよ。洪水であふれるけども、家を遠くに建てるなどして対応しています。そして、田畑をていねいに守っています。
 農業は、いろんな意味合いをもっていますよね。リンゴ農家の奥さんと話したときのことですが、リンゴを赤くするために太陽の光りがあたるように裏返す作業をするそうです。一個一個「きれいだね」と声をかけると、リンゴも喜んでもっと赤くなるんだと‥。そんな思いをこめてつくっていると知り、すごくうれしくなりました。子どもが一緒にお母さんの手伝いをすると、そういう思いが自然に伝わって、子どもの成長にもすごくいいなあと思いました。
川端 自然への愛情なくしては農業はできませんからね。私は都会っ子ですが、1945年の仙台空襲で焼け野が原になり、牧師だった父の教会の三百坪を全部耕し、五年ぐらい農家のような暮らしをしたことェあります。あの気持ちはすばらしいものです。
 北海道の酪農家で酪農協会の役員をしていた人は、戦争でガダルカナルで多くの人が鉄砲の弾で死んだのではなく、食ペるものがなく餓死したと言っていました。その体験から、戦後食料の増産に励んできたが、いまはそれをすっかり忘れてしまって、食料自給率もひどく情けない、と嘆いておられました。

自立できない 米国いいなり

川端 世界全体から見ると何億、何十億人と飢えている人がいるのに、食料をつくれる国がつくらないというのは、私は犯罪だと思うんです。その一方では食料を大量に輸入しているのですからね。アメリカの大農業資本、食料資本が世界の畜産物や農産物を自由に流通させて、日本を巨大なマーケットにして日本自身でつくられると困るという事情があります。アメリカのいいなりでは、いつまでたっても日本は自立できないということになります。
 昨年、秋田と岩手と青森の県農協中央会を訪問したとき、農産物の価格保障、適地適作、米価の下支え、外国からの大量輸入にたいして緊急輸入制限(セーフガード)の発動を求める運動などでは、日本共産党の政策を見て「このとおりです」といわれ、びったり一致しました。
 農家を歩くと、口をついて出る言葉が、「アメリカの顔色ばかり見て」です。長いあいだ自民党政治の大勢にそってやってきた人たちが厳しい目をもって、こういう政治ではだめだとなってきています。
川端 そこまでわかってくだされば、日本共産党にぜひ投票していただかなくては...(笑い)。

アジアとの友好きずく時代(川端)
過去の過ちをただしてこそ(紙)


自分のあり方 まじめに考え

 川端先生は三年前の参院選挙のとき、札幌の講演会に講師としてこられましたね。私はあいさつだけで失礼したんですが、その講演の収められたパンフを今回拝見して、クリスチャンの川端先生がどうして日本共産党を支持するようになったのかが、すごく自然な気持ちの動きをとおして分かりました。自分のあり方をまじめに考えるとこうなっていくのかと...。
川端 私の父が牧師で、仙台にくる前は小樽の公園通りの教会でも牧師をしていたことがあるんですよ。私は岡山教会で生まれて、仙台で育ちました。教会で生まれ、教会で育ったのです。
 北海道から参議院議員として活濯された小笠原貞子さんもクリスチャンで、平和問題を通して日本共産党に入りました。
川端 そうでしたね。クリスチャンは不正を憎んだり、平和を愛したりという点で共通しています。しかし大部分のクリスチャンにとって、それが政治の問題と結びつかず、心の問題だけなんですね。歴史的には自由民権運動で天皇制政府によって徹底的に抑え込まれ、アジア・太平洋戦争では協力させられ、ほとんど抵抗できませんでした。戦後も、魂の世界に閉じこもる傾向が抜けきれていないんですよ。
 戦前、日本キリスト教団が朝鮮のキリスト者に「神社参拝」を強制し、植民地支配に協力した戦争協力の責任と、戦後米軍占領下の沖縄のキリスト教団を見捨てた責任、その歴史認識について日本キリスト教団のなかで激しい論争がおこなわれているんです。この認識をきちんとしないと21世紀に責任をもつ宗教として生きていけません。
 日本共産党は第22回党大会で、アジア外交にとりくむ大前提として、侵略戦争と植民地支配への反省を内外に明らかにすることを確認しました。どの国とも平和条約を結んで、軍事同盟をなくしていかなくては、商売上はうまくいっているように見えても、いつまでも日本は根底のところナは安心できない国になります。

多くの人々を殺した20世紀

川端 20世紀は人類の歴史のなかで一番たくさんの人を殺した世紀だったと思っています。私たちとしても、どうしても平和な21世紀にしたい。戦争についてきちんとしたけじめをつけないと、とくにアジアとの友好関係は築けません。本当に21世紀に日本がまともに生きていこうと思ったら、歴史認識は宗教者であろうとなかろうと、絶対避けて通れない問題だと思います。そのことをぜひ紙さんに願いを託したいという気持ちがあるんですよ。
 テレビで見たのですが、ドイツの高校生はナチについて教育され、高校生が二度とそういう道を繰り返してはいけないんだと真剣に議論し合っていました。過去の話ではなく、ちゃんと受け継いでいかなくてはいけないと。日本の政府は教科書から過去の過ちについての記述をなくしていこうとしていますから、日本とドイツの大きな違いについて考えさせられました。
川端 去年の四月にバッハ没後250周年ツアーがあって、私は案内役を頼まれてドイツに行ったのですが、そのときシナゴーグ(ユダヤ教の教会堂)がネオチチに襲撃される事件があって、テレビで放映されていました。それに抗議して座りこんでいる高校生のプラカードを見てびっくりしたんです。「忘れることに抗議する」と書いてあったんです。
 はーっ。
川端 これはすごいと思いました。同時に日本の学校教育をもっと本気で考えないといけないと痛感しました。
 
讃美歌も新しくしたんです(川端)
思いが大きくふくらんで...(紙)


川端 21世紀に日本の政治を変えるためには、いろんな人と手をつながなくてはいけないですが、どうお考えですか。
 商店街や企業を経営している方と話しますと、大型店や大企業と競争してつぶれてもかまわない政治は問題だ、日本共産党が主張している必要な規制や経済の民主的な改革は同感だとおっしゃいます。ゼネコン国家、談合政治をつづけていたら日本は世界から取り残されてしまう、日本共産党は壁をつくらないでどこへでも出かけ、疑問に思っていることを解きあかしてほしいと言われます。

米国一辺倒で 行き詰まりに

川端 いまの日本の政治はまったく先の展望がありません。世界的に見て、先進国のなかで日本ぐらい環境問題やエネルギー問題で遅れている国はないですね。やはりアメリカ一辺倒のところに行き詰まりの大きな理由があると思います。資本主義の国でももっと自立性を守っている国があるわけですから、日本ができないはずはない、政治家の責任ですよね。
 私も昨年の第22回党大会に参加しましたが、そこでは、失業や雇用不安、子どもたちの教育の問題、社会保障の後退や農林漁業の衰退などをどう解決するか、経済の民主的改革、国民のくらしの守る政治や諸外国から信頼される外交のあり方、さらには、環境、エネルギー問題も含めて、「日本改革の提案」で示しました。世界と日本をどうしていくのかという大きな展望を開きました。自民党政治を一刻も早く変えなければという思いが大きく膨らんでいます。
川端 日本共産党というと、頑固だとか一枚岩だとか、いろいろ批判がありましたが、党大会では、日本共産党が大いに変わっていくんだと、国民から新しい期待が寄せられているんではないでしょうか。市民運動のなかには、共産党員が大勢いるのに、名乗らない人がいますが、はっきり言ったらいいんですよ。党員が市民とともにそれぞれの分野で一生懸命やっているとわかれば、支持が広がっていくと思います。

広い人たちと 交流を大切に

 日本共産党がもっと成長していゥなくてはいけないと、私自身も感じています。その大きな区切りは、政治の力関係を変える選挙で、より広い人たちとの交流がすごく大事だと思っています。
川端 実は、教会の讃美歌(さんびか)も21世紀にふさわしくと、『讃美歌21』をつくったんです。これまでの讃美歌はアメリカとイギリスの讃美歌を翻訳したものばかりだったんです。もっと政治とか平和や人権を歌う讃美歌とか、第三世界の讃美歌を取り入れて改訂するために、私も編集委員の一人としてたずさわりました。市民運動や平和運動をやっても、そこで讃美歌が歌えることになります。キリスト教も変わろうとしているんですよ。
 そうなんですか。はじめて知りました。
川端 ところで、紙さんが日本共産党と出合われたのは、どのような事情だったのですか。
 短大に入って、ただでさえ高い学費がどんどん上がるのはなぜかと考え、背景に政治の問題があることに気づかされました。そこで何かできることをしなくてはと周りを見たら、行動していたのが共産党員だったんです。
川端 私も大学紛争なんですよ。それまで長い間社会党を支持してきましたが、「大学解体」を主張する学生と議論していたときに民青同盟の学生のすすめで日本共産党の大学論を読んでみて一番共鳴できるものでした。支持するようになったのはそれからです。
 最後にことしの抱負をお聞かせください。

期待にこたえ 参院選全力で

 ことしは21世紀初の国政選挙ですから、本当にその幕開けにふさわしい結果をぜひつくりだしたいと思います。そのことによって、いま多くの人たちが願っている切実な、社会福祉、教育、農漁業など深刻な問題を早く解決していきたいと決意しています。それを実らせることができるように全力でがんばる決意です。
川端 私は、東北に住む人間として21世紀の最初の選挙で、紙さんのような候補者を持つことができたのは、大変うれしいことですね。農家の出身で、大学では美術を専攻して、そして政治の世界に飛び込まれて、選挙の経験も十分つんでいらっしゃる。ぜひ国会へ送りたいですね。そして、大勢の人が手をつないで、憲法を守る年にしたいと思っています。
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