日本共産党参議院議員 紙智子
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緊急道民シンポジウムでの発言

2005年 2月20日
「障害者自立支援法案」を考える
緊急道民シンポジウムでの発言
主催・障害者インターナショナル(DPI)北海道ブロック会議
札幌市身体障害者者福祉センター(札幌市西区)にて
 私も直接皆さんから、ご意見を伺うことに責任を感じています。先日の要請行動が東京であった時も、雨が降る中ずぶぬれで、皆さんの命がけの思いを受け止めなければと思いました。
 障害者福祉の現状についてですが、今年が1981年の国際障害者年から25年目なので完全参加、平等を掲げて訴えてきましたが、この間、皆さん自身、また家族や関係者も含めて頑張って意識を変えてきたという面もあったと思います。例えば、無年金障害の問題でも、任意加入の学生時に障害になって無年金になった方々に対して一部支払いになったという事もあります。これは皆さんの粘り強い活動から出来ていると思います。ただ、志から言えば、私もまだまだだと痛感しています。
 所得保障でいうと、障害者や家族にとって、安心して暮らすためには切実な問題だがなかなか進んでいません。障害者年金を受けている人の9割は、それしか受けていない人だそうです。
 大体130万人ほど受給といわれていますが、月額にして7万円少し。障害が1級の方でも8万少しで、生活保護の基準より大幅に下回っている状況です。それから依然として重度障害を持ちながら年金を受けられない人もいます。これは基本的な問題だと思い、真剣に取り組んでいかなければいけないと思っています。
 それから雇用の問題、働く場の問題ですが、これも雇用率は現実に下がってきています。今は不況で全体が厳しい中で、一番最初に被害を受けるのは障害者なわけです。北海道での民間企業の雇用率は、全国平均より少しましですが、法定雇用率では1.8%だが、北海道は1.67から1.61に下がっている。職業安定所に求職を届けて就職できているのは、38%、4割いかないわけです。
 そういう厳しい状況の中で働きたいという意欲や障害にあった形での仕事を提供してほしいと要求されるが、それに十分に応えることが出来ていません。
 それから予算不足、施設不足もあります。5年前社会福祉事業法の改正で支援費制度が導入され、それまでは、行政の責任で福祉サービスをしていましたが、支援費制度で障害者と事業者が契約してやっていくものとなりました。ところが、2003年4月に制度が始まり途中で100億円不足しているとわかりました。ホームヘルプも14億円予算が不足していることが分かったわけです。高齢者の介護施設も十分じゃないといわれていますが、障害者は桁違いに不足しています。
 地方自治体も障害者施設の新設を希望し、申請しているが、国に認められない現実もあります。北海道で言いますと、身障者施設で10ヵ所、知的障害者施設で8ヵ所、精神障害者施設で3ヵ所の計21ヵ所の要望をしていますが、実際には4割に満たない8ヵ所だけとなっています。これからも遅れていると思います。
 それから小規模通所授産施設などに対する補助金もカットされていますから、頑張って変えていかなければならない部分がたくさんあると思っています。
 今度の障害者自立支援法案の問題ですが、障害者施策について総合化するということでは、皆さんからの要望も含まれていると思いますが、議論全体の流れで問題なのは財政困難だということです。
 そのことが一番メインの問題として組み立てられてきていることが問題だと思います。
 今まで応能負担だったものを応益負担にする。最近は、応益から定率という言葉にしているようですが、いずれにしても、これまでホームヘルプサービスは住民税非課税の方は無料でした。今まで95%の方は費用がかからなかったのが、1割負担ということになりますと、身体障害者は8400円の負担増となります。0から8400円かかるということは、年金生活では重いことだと思います。
 上限を設けるというが、月額15000円、24600円、住民税の課税世帯で40200円となる。上限に行くまでは1割負担ですから、負担増ということでは変わりありません。
 この法案が成立となると、年間500億の国庫負担と自治体の負担が減ってきます。裏を返すと利用者の負担となってくるわけです。しかも障害が重い人ほど長い時間サービスを受けなければならないわけですから、必要なサービスでも抑制する場面も出てくるかもしれません。
 これでは自立支援ではなく自立生活が出来ないのではないか。
 こうした問題点がある中で、審議を急いで国会で通す事は許す事は出来ないわけです。
 公費の医療負担も影響が出てくるわけですが、先程32条の話で、精神障害者の通院でも0.5割負担も医療費の1割負担となり、負担増になります。1年ごとに医療の必要性を確認することも打ち出されていますが、身近に医療をうけることも難しくなるので、早期発見、早期治療も難しくなるのではないかと強く危惧しています。
 私も先日厚生労働省が出した案を見ましたが、非常に分かりにくい。実際に札幌市内の施設にも出かけお聞きしたが、現在はグループホームで助け合っていても、障害の程度で分けられると施設に戻ることもあるかもしれないという意見もありました。これは本来のノーマライゼーションに逆行するという問題でもあります。
 こういう様々な問題点を含んでいることもあり、私はこの法案は廃止するべきと思っています。
 さらに皆さんの理解を得ない中での成立は絶対に避けなければならないと思っています。そのためには皆さん力を合わせてやっていきたいと思っています。
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